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SDxマンガFAQ(6)「ソフトウェアデファインドな社会って?」

ここではソフトウェアデファインド(SDx)の対象を自動車やストレージなどの物理的な対象でなく、会社などの組織や行政機関、社会、世界に拡張してみます。SDな会社とは従来の会社とはどこが違うのでしょうか。そしてSDな社会とはどんなものでしょうか。
SDな会社とは、一言で言えば従来の固定化された会社経営とは異なり、柔軟な会社経営をする会社です。組織運営・統治から経営判断を臨機応変に柔軟にする会社です。この会社経営の根本にあるのがソフトウェアの考えです。ソフトウェアはハードウェアと比較して、柔軟に対応でき、変更コストが低く、変革が容易にできます。SDな社会はこの考えを社会に広げたものであり、会社だけでなく、行政機関も周辺のコミュニティも含むようになり、さらに日常生活もソフトウェアの考えをベースに柔軟なものになります。

ソフトウェアデファインドな会社、社会とは?

ソフトウェアデファインド(SDx)とは対象のxをソフトウェアで再定義することです。xには物理的な対象であり、自動車やストレージ、ネットワーク機器、コンピューティング装置などがあります。

このような物理的対象のSDxに対して、ここでは物理的対象だけに留まらず、会社や社会などに拡大して考えていきます。

たとえば、ソフトウェアデファインドな会社(Software Defined Company, SDC)とはどんな会社でしょうか。ソフトウェアデファインドな社会(Software Defined Society, SDS)とはどんな社会でしょうか。

これらはソフトウェアの考えをベースに会社や社会を定義していくことです。

ソフトウェアの考え

ここでソフトウェアの考えとはなんでしょうか。ここで言うソフトウェアとはハードウェアの対義語として使われていますので、両者の比較をしながら、見ていくことにします。

(1) 柔軟さ
ソフトウェアはハードウェアとは異なり、物理的なものではないため、低コストで柔軟に変更が可能です。この柔軟さがソフトウェアの特徴です。

(2) アジリティ
そして柔軟さ故のアジリティがあります。柔軟に対応できるため、結果的に俊敏に時間をかけずに対応できます。
ハードウェアでは物理的対象を変更する必要があり、どうしても俊敏さに欠けてしまいます。

(3) チャレンジ
さらにこの柔軟さを活かして、積極的に新しいものを取り入れることができます。新しいことにチャレンジできます。
ハードウェアでは物理的対象が固定化されてしまい、それが障害となって、新しいことに挑戦することが難しい場合が多くなります。

(4) 再定義・再発見
従来のハードウェアに基づいた考えや機能、価値をソフトウェアで再定義することができます。再定義することで、今までに見えていなかったことも再発見できます。

これらの特徴がソフトウェアにはあり、これらを根底とした考えがソフトウェアの考えになります。

ソフトウェアデファインド会社

ソフトウェアデファインド会社(Software Defined Company, SDC)とは、ソフトウェアの考えをベースに、経営判断や組織運営、会社統治などの会社経営をする会社です。

ソフトウェアの考えである柔軟さやアジリティ、チャレンジ、再定義・再発見を活かした会社経営をする会社がソフトウェアデファインド会社です。

具体的には、組織方針やそれに伴う会社統治、会社規則、また経営判断や営業方針、企画、人事施策などを固定化するのではなく、状況に合わせて柔軟に臨機応変に対応することです。

ソフトウェアデファインド行政機関

ソフトウェアデファインド行政機関(Software Defined Goverment, SDG)とは、ソフトウェアの考えをベースに、地方自治体や政府などの行政機関をソフトウェアの考えで運営する行政機関です。

行政機関はどうしても固定的な伝統的な運営になりがちです。これが国際競争力を鈍化させる原因になっています。これをソフトウェアの考えで、時代や国民の状況、世界情勢に合わせて、臨機応変に対応することで、公共福祉になり、さらに国際競争力を向上することにも繋がります。

具体的には認可業務のデジタル化での効率的な運用、マイナンバーなどの普及による効率が良く便利な生活を提供することです。

ソフトウェアデファインド社会

ソフトウェアデファインド社会(Software Defined Society, SDS)とは、ソフトウェアの考えをベースに、社会や日常生活をソフトウェアの考えで自由に柔軟に対応できる社会です。

会社や行政機関がソフトウェアの考えで運営され、個人の日常生活もソフトウェアで柔軟に便利に過ごせるようになるのがソフトウェアデファインド社会です。

これにはSDxの対象として、会社や行政機関だけでなく、町内会などの各種コミュニティや商店なども対象にする必要があります。社会全体がソフトウェアの考えで、自由に便利になるのがソフトウェアデファインド社会です。

(予告)ソフトウェアデファインド社会の憂鬱

今回はソフトウェアデファインド会社や社会を紹介しましたが、これらには課題もあります。すべてが薔薇色になるわけではありません。次回はこの辺りを紹介していきます。

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五味弘
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