SDxマンガFAQ(7)「SDVって?」
ソフトウェアデファインドビーグル(SDV)とは?
ソフトウェアデファインドビーグル(SDV)とは、自動車の機能やそれを含む移動サービス(モビリティサービス)までを従来のメカやエレキなどのハードウェア中心でなく、それらを部品として制御するソフトウェアを中心にして、システムを作り上げるものです。このSDVの特徴を以下にまとめます。
・従来のメカやエレキのハードウェア中心からソフトウェア中心へ
・自動車だけでなく移動(モビリティ)サービスへ
以降に自動車のソフトウェアに関するSDVまでの歴史を振り返ってみます。
車載ネットワーク
車内には多くの装置があります。例えば、エンジン制御やブレーキ制御、さらに自動運転システム、付随的なものとして、エアコン、エアバック、オーディオ、カーナビなどがあります。これらには多くのセンサーとアクチュエータ、制御装置が入っています。
これらを有機的に繋げている車載ネットワークがあります。CAN(Controller Area Network)などのプロトコルで、上記の各装置を有機的に繋げています。
このように車載ネットワークでは情報技術(IT)が重要になっています。
コネクテッドカー
コネクテッドカーは、車内だけでなく、通信ネットワークを通じて、車外と通信するものです。自車や周辺の道路状況、他車や外部の道路状況をネットワーク上でやりとりできるものです。
例えばVICSを含むカーナビシステムはコネクテッドカーのひとつです。
コネクテッドカーのシステムでは自動車だけでなく、移動サービスの実装システムである交通システムに対しての価値も提供できるものです。
コネクテッドカーのベースになっているものは通信ネットワークであり、ITです。ITがコネクテッドカーのキーになります。
ソフトウェアデファインドビーグル(SDV)
ソフトウェアデファインドビーグル(SDV)は、上記の車載ネットワークやコネクテッドカーで得られる価値を、従来のメカやエレキのハードウェア中心ではなく、それらを部品として制御するソフトウェアを中心にするものです。
車載ネットワークやコネクテッドカーでは、ソフトウェアの重要性はありましたが、ハードウェアを中心にしているため、価値はあまり明示的になっていませんでした。
これに対し、SDVでは従来のハード中心の考えから柔軟なソフトウェアを中心に考えるため、柔軟に新たな価値を明示的にイメージすることができます。
SDVはOTA (Over The Air)の技術により、ソフトウェアは随時更新できるようになっています。またCASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)のコネクテッド、自動化、シェア、電動の機能サービスにSDVは中心的な役割を果たすようになるでしょう。
EVで出遅れている(と言われている)日本ですが、このSDVでは世界の中心的役割を果たせるようになることを目指しています。
(予告)SDSって?
今回はSDVを紹介しましたが、次回はSDS(ストレージ)を見ていくことにします。
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