コンサルティングファームのワークスタイルと必要スキル
こんにちは!Hiroshiです。
総合コンサル会社でデータ活用コンサルタントという仕事をやっている在日中国人です。
先日の記事で詳しい自己紹介を書いたのでご興味のある方はご覧ください。
(「いいね」を押してくださった方ありがとうございました!)
記事でも紹介したように、私のNoteでは主に以下4つのテーマについて書いていきたいと思います。
コンサルタントの仕事流儀
データ活用のメソッド
読書要約・感想
随筆
そして本日の記事は1.コンサルタントの仕事流儀のテーマの総論という位置づけで以下の問いに答えたいと思います。
コンサルティングの目的
コンサルのワークスタイル
コンサルに必要なスキル
以上を踏まえて今後Noteで更新したい記事
コンサルティングの目的は問題解決
サブタイトルにあるように、コンサルティングという仕事を行う目的はズバリ「問題解決」ということだと思います。
もちろん人によって答えが異なってくることもあるのですが、これは私が4年間のコンサル経験を通じて出した答えであり、おそらくコンサルタントの中でも最大公約数の答えなんじゃないかと思います。
「問題解決」とは何かを理解するためにまず「問題」とは何かを定義することが必要です。
一般的にビジネス現場における「問題」というのは現状とあるべき姿のギャップのことを言っています。
そしてこのギャップを計画を立てて埋めることが「課題解決」です。
あるべき姿のないところに問題はなし
ビジネスの現場でも現状だけを捉えて問題だと言っている人が多いのですが、あるべき姿の定義がないと問題はどこにあるかは絶対はっきりさせることができないのです。
GDP成長率の話を例にすると、2022年中国のGDP成長率が3%だったので問題だと言っている人が多いですが、その前提にあるのは中国が2022年の年初に設定した(あるいはみんなが期待していた)GDP成長率が5%だったからです。
この場合、3%の成長率は現状であり、5%の成長率はあるべき姿であることから、この間にある2%の未達成のギャップが問題だといえるのです。
一方、仮に日本も同じようにGDP成長率が3%だとすると、おそらくそれを問題だと捉える人がいないでしょう。その理由は誰しも3%以上の成長を期待していないからです。つまり現状とあるべき姿のギャップがないからです。
「体力が弱い」や「利益の赤字が出ている」などの現状は明らかに問題じゃないかと反論したい方もいるかもしれませんが、こういったケースも必ず隠れたあるべき姿があり、そして人によってそのあるべき姿の捉え方が違うことをご注意いただきたい。
体力と利益の例をあげると
現状:体力が弱い
→あるべき姿①:人並の体力を持つ
→あるべき姿②:アスリート並みの体力を持つ現状:利益の赤字が出ている
→あるべき姿①:企業改革による一時的な赤字なら出てもよい
→あるべき姿②:損益均衡
→あるべき姿③:利益率が10%以上
このように、時に明らかに問題だと思われている場合でもあるべき姿によっては問題の有無や何が問題なのかの捉え方が違ってきます。
以上のように、コンサルタントとして問題を的確にとらえるために現状だけでなくあるべき姿を定義することは不可欠になってきます。
問題解決は問題設定とPDCAが必要
問題の定義に照らし合わせると、問題の解決に必要なことを分解できます。
まず、解決したい問題すなわち現状とあるべき姿のギャップとは何かを捉える必要があるため、現状の把握とあるべき姿の定義が必要です。
コンサルタントの中では、問題を捉えることを問題設定と言ったりします。
また、問題設定が出来たら、解決するまでの道のりを考えた上で実行しながら有効性を見極めて修正することが必要です。これはよくご存じのPDCAというサイクルです。
まとめると、問題解決に必要なのは以下です。
現状の把握
あるべき姿の定義
問題の対策立案(Plan)
対策の実行(Do)
対策有効性の見極め(Check)
対策の改善(Action)
一般的に戦略コンサルと言われているコンサルティングファームは1~3のステップをやるのですが、業務コンサルやITコンサルは1~6のすべてやるケースが多いです。
コンサルのワークスタイルはプロジェクト単位
前述したように、コンサルティングを行う目的は何かしらの問題を解決することから、基本的にコンサルティングファームににおいて解決する問題(あるいは問題の一部)ごとにプロジェクトを立てて動きます。
プロジェクトを受注→プロジェクトを実施→アウトプットという順でクライアントの問題を解決します。
これはコンサルティングファームの基本的なワークスタイルです。
プロジェクトの5つのプロセス
コンサルファームの中では、効率よく問題の対策立案をするための方法論があります。
論点設定
論点分解
仮説構築
仮説検証
成果交付
順番に説明していきます。
論点設定
クライアントにとって問題解決するためにたくさんの問いに答えを出さないといけないのです。その中で本当に解くべき問いのことを「論点」といいます。
プロジェクト全体を通じて答えを出す論点を大論点といいます。
現在何を論点とすべきかを考えるのは論点設定です。論点分解
何が分かればその論点を検証できるかという視点で論点を分解し、より細かい粒度の小さい論点にするプロセスです。
これにより論点は検証可能な粒度に落としていきます。
そして論点をつなげて説明可能なストーリーに組み立てます。仮説構築
各小論点を検証するためにどのようなファクトが必要なのかという視点で仮説を出します。
ここでアウトプットのイメージを想定します。仮説検証
立てた仮説をファクトを集めて検証してストーリーを完成させます。成果交付
ストーリーに沿って検証した結果を資料にまとめてクライアントに説明します。
以上のことを繰り返しながらクライアントの問題解決していきます。
コンサルタントに必要なスキルはロジカルシンキングだけではない
一般的にコンサルタントのスキルといえば、ロジカルシンキングというイメージが強いです。
もちろんロジカルシンキングがベーススキルの1つではありますが、ほかにも重要なスキルは色々あります。
コンサルの専門領域によって必要なスキルが異なってきますが、私は下記のような12個のスキルが必要だと考えています。
【ベーススキル】
・ロジカルシンキング
・論点設計力
・仮説検証力
【インプットスキル】
・インタビュー
・リサーチ力
・データ分析力
【アウトプットスキル】
・資料作成力
・プレゼンテーション
・サマリーライティング
【マネジメント】
・ファシリテーション
・ワークプランニング
・コーチング
まとめ
以上をまとめると、コンサルワークにおけるプロセスが5つあり、その仕事をこなすために必要なスキルが12個あるということになります。
体感ですが、各プロセスのコンサルワークにおける各スキルの必要性は下記の関係になっているのではないかと思います。
各スキルの詳細と必要な理由はこれからの記事で説明したいと思います。
自己紹介の記事でも説明したように、本マガジンである「コンサルタントの仕事流儀」は仕事で学んだことの体系化を目的としています。
ということでまずはこのコンサルワークの各プロセスの心得と各スキルのコツを記事にしていきたいと思います。
今後更新したい記事は下記のようになります。
コンサルワークの心得
1. 論点設定
2. 論点分解
3. 仮説構築
4. 仮説検証
5. 成果交付
コンサルワークのスキル
【ベーススキル】
・ロジカルシンキング
・論点設計力
・仮説検証力
【インプットスキル】
・インタビュー
・リサーチ力
・データ分析力
【アウトプットスキル】
・資料作成力
・プレゼンテーション
・サマリーライティング
【マネジメント】
・ファシリテーション
・ワークプランニング
・コーチング
ではでは、またよろしくお願いします!
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