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調子が良い時、トレーニングは増やすべきか20250108

いろんな本で出てくる話なので、
ご存じの方も多いと思いますが、
アスリートにおいても非常に示唆に富む話ですので、
その紹介をさせてもらいます。

南極点への冒険隊の話

南極点到達に向けて出発した2つの冒険隊の話(1911年)。

Aチーム

1つのチームは
どんなに天候が悪くても、
約24km進む
と決めたチーム。

このチームは、逆に言うと、
どんなに天候が良くても、
体の調子が良くても、
約24kmしか進まない、とも決めて

常に「同じ距離・一定のペース」を守ることを
第一として南極を目指しました。

Bチーム

もう一方のチームは対照的に、
天候が悪い日はしっかり休む。
天候の良い日はできるだけ進む

環境に応じて距離を柔軟に変更するという方法を採用し、
南極を目指しました。

どちらが先に到達したか。

どちらが、先に到達したと思いますか?

私は、
天候の悪い日は休み、
天候の良い日にたくさん進む、というチームが
かなり合理的のように感じましたが、

実際、
最初に到達したのは
「常に同じ距離、一定のペース」を守ったチーム
だそうです。

食料補給の方法についてもチームで違いがあり、
それが大きな結果の差を生んだ要因とのことですが、
この
「どんな天候、環境下においても同じペース、同じ距離を進む」
ことが最も速い、というのは
意外
ではなかったでしょうか?

調子が悪い日も、できるか。

ここで重要なのは、まず
調子が悪い日も、休まず同じことをできるか。
私で言うとこのブログを書き続けることや、
その他のルーティーンを守ることなどがありますが、

スポーツで
もし高橋尚子さんのように、
「毎日腹筋を1000回する」と決めたのなら、
どんなに疲れていても、
どんなに時間がなくても、
どんなに非合理的に感じていても
やる必要があります。

誰だって、調子がいい日、
やる気がある日はできるのですが、
問題は、そういった調子がでないとき、
やる気も時間もない時に、
言い訳せずにそれでもできるかどうか、

そこに選手として大成するかどうかが決まります。

調子が良い日も、やめれるか。

この逸話で、最も私が感銘を受けたのは、
この調子が悪い日、環境が悪い日も
ずっと一定のペースを守る、といった側面ではなく、

どんなに調子が良い日、環境が良くても、
「1日24kmと決めたなら、24kmしか絶対に歩かない」
という上限を守る、
ということです。

多くの選手が、私も含めて、
調子が良い時は
いつも以上に頑張ったり、
いつも以上に長い時間、長い距離漕いでしまう人が多いと思います。
ですが、
この逸話で言うと、そしてその他の人の話も鑑みても、

「上限を守る」ということは非常に大事だということ。

私が会社を辞め、
一人で漕いでいた時、
どうしても、南極点でいうと
「調子が良い時はできるだけ頑張る、悪い日はそこそこに」
というタイプだった
ので、
もしかしたらこれが原因であまり伸びなかったのかもしれないなと
思っています。

調子が良い時に
いつも以上に頑張ってしまうと、
その時は気分がいいのですが、
どうしてもいつも以上に疲労がたまり、

次の日やその次の日の
疲労が溜まった状態でのトレーニングが上手く行かず、
そこで継続性が途切れたのかもしれません。

トレーニングに、下限と上限を。

南極大陸の話のように、
「24km」というピッタリの設定ではなく、
ある程度の幅を設けてもよいと思いますが、

その下限、上限を必ず守ること。
毎日12km〜18km漕ぐと決めたら、
どんなに強風でも、
どんなに寒くても、12km漕ぐこと。
どんなにローイング日和でも、
どんなに調子が良くても18km以上漕がないこと。

「自分との約束は必ず守る」という
金メダリストがよく言っているルールと似ていますが、
そんな感じだと思います。

トレーニング

トレーニングはTrainと書くように、
電車のように連なり、毎日続きます。

日々のトレーニングで必要なのは、
100点をとること、取り続けることではなく、

80点でも良いから
落第点を取らないこと。
そのために無理して100点を取りに行かないこと。

なのかもしれません。

ちなみに算数的にも、
「6回の練習で、60点、80点、100点を2回ずつ獲った選手」

「6回の練習で、毎回80点を6回獲った選手」
とを比べた場合

60x80x100x60x80x100= 230,400,000

80x80x80x80x80x80=    262,144,000

となり、
「常に一定に80点獲った選手」が圧勝します。

まとめ:良いトレーニングとは。

まとめると、良いトレーニングとは、
一回のトレーニングの良し悪しで決まるのではなく、

毎回のトレーニングで、
毎回合格点を取っているかどうかで、
トレーニングの良し悪しが決まることになります。

いわゆるムラがある選手、
気分屋な選手が
中々伸びないイメージがある方が多いのではないでしょうか。

100点を取らないこと、
落第点も取らないこと。

そこに良いトレーニングと、
良い結果があるのではないでしょうか。


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