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パワーが先か?持久力が先か? - 2000mローイングにおける最適なトレーニングアプローチ20241017


中野が大きく間違えていた二者択一問題

 パワーが先か?持久力が先か?

2000mのローイングでは、パワーと持久力のバランスが成功のカギとなります。しかし、トレーニングを組み立てる上で、まず「一漕ぎの力(パワー)」をつけるべきか、それとも「持久力」をつけるべきかという疑問を持つ方も多いでしょう。スポーツ科学の視点から見ると、まずパワーをつけ、それから持久力を鍛えるというアプローチが最も効果的です。今回は、両アプローチのメリットを比較し、なぜパワー強化を先に行う方が良いのかを解説します。


スポーツ科学的に見たパフォーマンス向上までの効率的な順序


 一漕ぎの力をつけてから持久力をつけるメリット

1. パワーの基盤が持久力を支える

もしパワー(筋力)が十分でない場合、1ストロークあたりに必要な出力が不足します。2000mのような高強度のタイムトライアルでは、持久力があっても各ストロークのパワーが低いと全体のスピードが上がらないため、パフォーマンスに限界があります。

パワーを先に向上させることで、1ストロークの効率が上がり、その後に持久力を鍛えるとより高い出力を長時間維持できるようになります。これは、持久力トレーニングの効果を最大限に引き出すための重要な基盤です。

2. 持久力を支えるためのパワー発揮能力

持久力を向上させるには、まず筋肉が十分な力を発揮できる状態である必要があります。パワーが不足していると、持久力トレーニングを行っても、そのトレーニング効果は限定的になりがちです。パワーを先に高めることで、持久力トレーニングでより高い負荷に対応できる筋肉が準備され、全体的なパフォーマンス向上につながります。

3. 神経系の適応

パワートレーニングは、筋力の発揮に重要な神経系の適応を促します。神経系がパワーを発揮するために最適化されることで、その後の持久力トレーニングにおいても、筋肉が効率的に動員され、長時間にわたって力を発揮できるようになります。これにより、持久力トレーニングでもより大きな力を持続的に出すことが可能です。

4. 乳酸閾値の向上

パワーを鍛えることで、筋肉の乳酸閾値(乳酸が急激に増加するポイント)が向上します。乳酸閾値が高くなると、より高い強度で運動を続けることが可能になるため、持久力トレーニングの効果を最大化することができます。強い筋力を持った状態で行う持久力トレーニングは、筋疲労に対してより効率的に対応できるようになります。


先にパワフルでバテやすい体を作れば、その後の持久力トレーニングも捗る

(メンバー限定)持久力をつけながら一漕ぎの力をつけるメリット

一方で、持久力を鍛えながら同時にパワーを向上させるアプローチにもメリットがあります。

1. 有酸素能力の向上

長距離漕ぎを行うことで、心肺機能や有酸素能力が向上します。これにより、筋肉が持続的に酸素を取り込みながら動き続ける能力が高まり、特に持久力が重要なレース後半のパフォーマンスが向上します。

2. 筋持久力の向上

長距離トレーニングを行うことで、筋肉が長時間働くための持久力が強化されます。筋肉内の毛細血管が増加し、エネルギーの供給能力も向上するため、長時間安定したパフォーマンスを発揮しやすくなります。

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