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ブレードを抜くことの重要性:船を止めないための技術

ローイングの技術において、
ブレードは船を進めるだけでなく、
誤った使い方をすると船を止めることにもなるということを意識しているでしょうか?
これは特に、ブレードを水から抜く際(リリース)の動作において、非常に大きな違いを生むポイントです。ブレードが進む力になるのは、適切に扱われた時だけです。
ブレードは、水の強大な抵抗を利用して船を進めます。この抵抗こそが、私たちが前進する力を得る源です。しかし、この抵抗は、間違ったタイミングや方法でブレードを扱うと、船を進める力ではなく、船を止める力として働いてしまいます。 ここで問題なのは、一般的な艇止めやハラキリではなく、多くの選手がリリースの際に毎本船を止めることに気づいていないということです。
多くの選手がレース中に感じる『思ったより進まない』という感覚は、実はブレードのリリースに原因があるかもしれません。
ブレードが水に入る瞬間には意識を向ける選手が多いですが、
水から抜く瞬間における意識は非常に弱く、
結果的に船のスピードを無意識のうちに落としていることが多々あります。


リリースの重要性:ブレードを抜くことで船を止めない

リリース時にブレードが水中に残り続けると、それは船を止める抵抗となり、スムーズな前進を妨げます。実際、「ブレードを抜こう」と思って抜ける選手と、そうでない選手の間には大きなパフォーマンスの差があります。選手は、リリース時のブレード動作に対して次の3段階で意識が進化していくと考えられます。

初級:「入れようと思っていない(いつの間にか入る)」「抜こうとも思っていない(いつの間にか抜ける)」
ブレードの入れ方や抜き方が無意識で行われており、漕ぎの動作全体でブレードが抵抗となってしまう段階です。

中級:「入れようと思って入れる」「抜こうとは思っていない」
ブレードを水に入れる動作には集中していますが、リリースの意識がまだ足りない段階。結果として、艇速を落としてしまうことが多いです。

上級:「入れようと思って入れる」「抜こうと思って抜く」
上級者はこの段階に到達します。ブレードを入れるタイミングだけでなく、抜くタイミングも意識的にコントロールし、無駄な抵抗を生じさせない動作を行っています。今回のブログが中級者が上級者へのきっかけになれば幸いです。

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