ダイバーシティーの配慮・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第24話>
赴任前教育
イギリスへの赴任前に会社の人事部から赴任者向け教育を受けました。
文化の違う国の人々とどのようにしたらうまく仕事を進められるかを習うのですが、注意点の一つとしてセクハラ問題を挙げていました。もちろん、日本国内でも配慮すべきことですが、もっともっと厳格に対処しなければいけないのかと最初はびくびくしておりました。もしからしたら、お茶くみなんてもってのほかなのか・・・。
ところが、来客との会議で 恐る恐る事務所の女性にコーヒーをお願いしたところ、全く問題なく 快くコーヒーを出してくれました。
日本と同じように適切に配慮すれば良い というのが私の感想です。
人種への配慮
一方、日本での教育項目にはなかったのですが、人種差別には十分気を付けなければいけないようです。ヨーロッパには、アフリカ・中東・アジアなどから様々な国の人々が来て働いています。優秀な人もいるし、出稼ぎ労働の人もいます。
工場の現場従業員を採用募集する際には、募集要項に 学歴や資格を記載することは問題ありませんが、人種や国籍を限定してはいけません。とは言っても、イギリス人の従業員ばかり工場現場に生活習慣や文化背景の異なる国の人が入って来て、現場でトラブルが起こっても困るので、採用には気を使います。
こういうことは、日本では教育してくれません。おそらく 日本の会社では日常そういうケースがないからだろうと思います。
日常生活での嫌な経験
海外へ赴任して生活する場合、日本では得られない貴重なすばらしい体験ができる一方、嫌な思いをすることもあります。
・妻は毎日子供を小学校まで歩いて連れて行きます。途中で会う近所の人に「Good Morning」と挨拶をしますが、あるおばさんは全く返事を返してくれません。
・よく近所を散歩しますが、ある時 普段行かない住宅地に行ってみました。ある家の前にたたずんでいる男性から、お前のような東洋人はこの地区へ入ってくるな みたいなことを言われて追い返されました。
・会社の同僚の日本人家庭では、近所の悪ガキから(差別的な言葉を叫びながら)庭に石を投げこまれました。
もちろん、一般の人々はとても親切ですし、小学校ではたった一人の日本人の息子を差別なく暖かく受け入れてくれています。でも、時にはこういう目に会うこともあります。
赴任者の方は、一緒に来てくれている家族のケアがとても大切です。
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