小さなたこ焼き屋での大きな出会い さわやかNo,11
2018.04.07
1. 感動的な出逢い~Festa do chopp~
4月の1週目の土曜日に,所属するインダイアツーバ日伯文化体育協会(ACENBI)主催のお祭りがありました。
その名も“生ビール祭り”。
野球部の資金稼ぎをメインに,屋台を出して,夕方から夜中まで,みんなで踊って,飲んで騒いで。
そんな中,私は今回たこ焼き屋さんのお手伝い。
というのも,野球部で日頃からお世話になっているご家族が,これから生計を立てていくためにたこ焼き屋さんをしようかと考えてらっしゃいます。
その試験的な機会として,このお祭りでお店を出すことに。
このお手伝いのお話が私の所にやってきたのは,約2ヶ月前ほどの話。
お父さんは日本人で東北・福島県の出身の方。
会社のブラジル支社で働くため,10年ほど前に日本からブラジルへ移ってこられました。
そして,生活の中で日系人の奥さんと出逢い,結婚しそのままブラジルでの生活を決められました。
そんなお父さん,私が大阪人であることをご存知だったので,
「廣瀬さん。仕事をやめてたこ焼き屋さんをしようと思うのですが,本場はどんな感じ?」と尋ねてこられました。
たまにたこ焼きパーティーをするぐらいの知識しかありませんでしたが,『具材は◯◯を入れますね〜。』など,たこ焼き話で盛り上がりました。
そしてそう話をしているうちに,「今度のビール祭りで,一回試しにたこ焼きをしてみようと思うので,もしよければ手伝ってもらえませんか?」とオファーが。
2. ブラジルで全力の大阪たこ焼き商人
『もちろん僕でよければ。全力でクルクルします。』と即答で答え,手伝わせてもらうことになりました。
お父さんは,「きっと日本の味をそのままブラジル人に出しても,いまいちウケないだろうから,ブラジル人向けに味を濃くしますね!」と家で味を研究すると。
そんな中,私も当日クルクルするだけでなく,何か他にもお手伝いできることはないかな?と考えました。
“味や買い物はお父さんがすると言ってるし…。あっ!!!”
と思いついたのは,お父さんのお店のこれからのために,食べた方の意見をもらうことができれば,今後の肥やしにすることができるなということ。
ということで,お父さんに承諾をもらう前に,まずは形を作ってみようと,アンケートを作成することにしました。
また,意見を多く集めるには,たくさんの方に食べてもらう必要があります。
そこで,まずはたくさんお客さんを呼ぶためのポスターも作ることにしました。
“大阪アピール”強めの少々ふざけ気味のポスター。笑
なんじゃこれ?から興味を持ち,お店を覗いてもらおう作戦です。
さぁ,お客さんがお店に興味を持ち,「なんじゃこの店?たこ焼きとはなんや?美味しいんか?食べてみるか。」となれば,行列ができるはずです。
となれば,ここでとっておきの作戦です。
3. 使える機会は使い倒すべし
まぁこれはお父さんのためでなく,完全に自分のためなのですが,“お客さんに並んでもらっている間に,野球部への勧誘を書いたチラシを配ろう!”と思いつきました。
イメージはこうです。
「たこ焼きって日本の大阪で有名なんや。ん?あそこで作ってる日本人が大阪出身?(ここまでは店頭のポスターで主張しているのでお客さんも分かるはずです)なんやこのチラシは?え?あの日本人のお兄ちゃん野球を教えてるのか。野球ってなんや?面白いんか?体験行ってみるか」
完璧です。
私の見ているカテゴリーは試合のできるギリギリの人数しかいないため,人数集めはいつ何時も必要です。
こうした機会を活用することで,認知度を広めることはとても有効だなと思ったのです。
思いつきのままやってしまったので,お父さんに申し訳なかったかなと思いましたが,事後報告で説明すると,全てにおいて快く「やりたいようにやってください!」と言ってくださいました。
そして色々な準備が整い,いざ開店。
たこ焼きは日系人の方を中心に次々と売れていきます。
私はというと,お父さんの隣でクルクルクルクル。必死に作っていますが,お客さんの数に追いつきません。
『行列がすごいことになってますね〜!』とうれしい悲鳴をあげながら,勧誘効果も出てきたか?と感じていました。
4. イッツアスモールワールド -人類みなアミーゴ-
そんな時,レジをしているお母さんから「先生!日本人の方よ!」と声をかけてもらい,列の先頭に並ぶお客さんの元に。
それはそれは素敵な出逢いとなりました。
日本の大手企業ブラジル支社で勤務されている,日本人ご夫婦。
大学時代は大阪に住んでおられ,地元は私の高校(和歌山県)があった地域の近所。
地球の真裏のこんな田舎町で,まさかこんなにもローカルな話ができるとは思っていなかったので,会話に花が咲く咲く。
また,そのご夫婦だけでなく,「枚方出身なんや!私も関西出身で。」という関西弁バリバリのご夫婦もお店にきてくださいました。
話を聞くと,その方も先ほどの方と同じ会社にお勤めになりながら,このインダイアツーバ市で生活されていると。
「たこ焼きの味にはうるさいで〜」と,冗談交えて話してくださるこの感じ。一瞬ブラジルであることを忘れました。
しかも,話をしていくと,その旦那さんの生まれ育った場所が,私が生まれ育った枚方市のお隣の高槻市。
淀川を挟んでお隣さん。
こんなにも世界は狭いのか。それを実感せざるを得ませんでした。
これだから人との出会いは面白い。
人には生まれ育ったホームがこの世界のどこかにある。
それを知るもの同士の繋がりはとてつもないパワーを持つと私は思っています。
お互いのことを全く知らなかった者同士でも,一つのキーワードでグッと近づくことができる。
また近づくだけでなく,これからの未来を作っていく上でとても貴重な出会いなのかもしれない。
今回,私はお父さんからの一声でたこ焼き屋さんを手伝いました。
“勝手に大阪観光大使”や“勝手にひらパー兄さん”など,大いにふざけてしまいました。
でも,これをしたことによって素敵な出会いをすることができたし,“世界は小さい。どこに行っても,行動を起こすことで人と繋がれるんだ”ということを身を持って経験することができました。
出会いとはいつも不思議な巡り合わせ。そのタイミングをどのようにして自分のものにするか。
その時,そのタイミングで,その場所で,その人に出会ったその理由をいつも感じていたいと思います。
地球は広いけど,人類みなアミーゴ。
たこ焼きも全て売り切れ,アンケートも全て記入してもらうことができました!!
よって,このお祭りは大成功です!!
お父さん誘っていただいてありがとうございました。Viva!出逢い!!
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