【ボランティア活動記】中間報告会発表内容 さわやかNo,22
前回の中間報告会の内容に引き続き,今回は私の発表内容を書かせてもらいます!
今回の報告をするにあたり,何喋ろっかな〜って考える時に,とりあえずこれまでの活動に関するキーワードをつらつらと出すことに。
すると,上の写真のようにあるわあるわ。笑
このキーワードたちを元に,話していくことにします。
【今回のお話品書き】
1,配属先のACENBIとは?
2,これまでの活動
3,活動の悩み
4,廣瀬流実践
5,残りの活動何をするか?
順にみていきましょう!!!
1,活動先のACENBIとは
私の活動先は,サンパウロ州インダイアツーバ市。
サンパウロ市のど真ん中からバスで1時間半ほど。
見所は?と言われると…特に何もないんですね〜。笑
大きな公園はあるのですが,全長4kmの公園のため縦長。主にジョギングコースとして使われているので,どこを取っても同じような景色で,“ココ”ってポイントはありません。
本当に街のインスタ映えポイントはその公園ぐらいと,そんな見所は特にない街ですが,住む人は日本人の私を見つけては口を揃えてこう言います。
「ブラジルはどう?気に入った?」は,まぁブラジル人の初めの挨拶の定型文。それからの二言目は,
「この街はいい街でしょう?サンパウロからも近いし,大きすぎず小さすぎず,治安もよくて,24時間中警備のパトロールも回ってるし。もうほんまにええ街よなぁ!」と。
TAXIのおっちゃんも,八百屋のお母さんも,パン屋のお姉さんまでもがおんなじことを言います。Twitter・インスタグラム等のハッシュタグにも,「#INDA」まで打つと,自動的に「#INDAIATUBACIDADEMARABILHOSA(インダイアツーバは素敵な街)」が一番上に出てくるほど。
そんな,地元の人がこよなく愛する街で私は活動しています。
(あ,そうそう!日系企業が進出している街としても知られており,トヨタやヤンマーなどの工場があります。)
私が活動するのは,インダイアツーバ日伯文化体育協会(Associação Cultural Esportiva Nipo Brasileira de Indaiatuba)。通称ACENBI。
この協会は昨年,創立70周年を迎えた日系人協会。私はその協会の野球部に所属しています。
70周年の長い歴史とともに,野球部以外にも婦人部や音楽部、テニス部に日語学校と幅広く活動しているため,街の中でも協会の名は通っており,イベントもたくさん。
毎週のように,各部がイベントを開催し,資金稼ぎや部の紹介をしています。
そのため,私もお手伝いさせてもらう機会が多く,野球だけでなく,厨房包丁隊員としても活躍しています。
2,これまでの活動
私は昨年2017年の7月末にここでの活動をスタートしました。
【最初の8月〜2018年1月まで】
・野球部のどのカテゴリーにも属さないユーティリティーなポジション
【2018年2月〜現在】
・11歳〜12歳のカテゴリーの監督をしています。
3,活動の悩み
配属先の野球部には,3歳〜8歳のカテゴリー・9歳〜10歳のカテゴリー・11歳〜12歳のカテゴリー・13歳〜14歳のカテゴリーがあります。
私は最初の半年,この全カテゴリーを行ったり来たりの繰り返しでした。
「平日の◯曜日は3歳〜8歳チームのお手伝いをお願いします」「来週末は11歳〜12歳チームの遠征に帯同してください」と,全カテゴリーに属し,練習・帯同を行っていました。
初めの頃は,選手の顔と名前を覚えるためには良い環境!ブラジル内のいろんなところに遠征で行くことができる!と,張り切ってやっていたのですが,途中から,
“なんか違うな”と思うように。
私以外に,それぞれのカテゴリーには監督がいました。ただ,その方たちは平日は仕事や大学に通っていたため,平日の練習は見ることができません。そこに私が入り,練習の補助を行っていました。
しかし,監督がいる以上,私もでしゃばれない。私の考えや,私なりの練習方法を伝えたとしても,土日にはシューっと消えてしまう。
要は何事も定着させきれず,隙間を埋めるだけの存在に。
“自分は何者にもなれるけど,結局は何者にもなれないんだな”とこの状況にそう感じました。
と,なれば自分の伝えたいことを丸々伝えられる位置に身を置きたいと考えました。
『自分の活動する場所は与えてもらってるし,チームに属し子どもの“野球指導”に携わらせてもらっている。ここに不満はない。(むしろありがたいこと)
けれども,やっぱりガッツリ子どもに関われて,色々とチャレンジできる環境が欲しい。もし可能であればカテゴリーを1つ見させてもらうことはできませんか?』と配属先に相談。
すると,私の意見を汲んでくれて,年明けの新チームから11歳〜12歳のカテゴリーの監督を任せてもらうことになりました。
そうした中で,2018年の2月から,10人の小さなチームとのチャレンジが始まりました。
4,廣瀬流実践
私は子どもへの指導の中で
野球の技術指導<教育 ということを意識して実践しています。
野球はブラジルではマイナーなスポーツに分類されます。
日本ではテレビをつけると,プロ野球や高校野球が放映され,ニュースの間でも野球の試合結果が流れたりメジャースポーツの1つです。また,減ってきているとは言え野球人口が多い国。そのため,子どもの頃の夢・なりたい職業に“プロ野球選手”という選択肢があります。
しかし,ブラジルは普段の生活の中で“野球”を目にする機会はほとんどありません。
選手に将来の夢は?と尋ねても“プロ野球選手”と返ってきたのは1人もいませんでした。
もちろんブラジルの野球選手の中には,日本やメジャーリーグで活躍する選手もいます。
しかし,そこまで上り詰めるには,日本以上に一握りの選手となってくるわけです。
そんな社会の中で野球をする選手。もちろんプロ野球選手を目指すという夢を抱かせることも1つの方法。
しかし,私は子どもが大人になった時に,どんな仕事に就いても活きる力を今のうちに体感させたいと考え,指導にあたっています。
・リーダーシップ
・一歩踏み出すチャレンジ精神
・自分が掲げた目標を越えるための考え方・取り組み方
こうした所に視点を当てています。
では,そうしたことを体得させるためには何が必要か?
私は,
1,チームにおける責任感を養う
2,自己肯定感を高める
3,成功体験を積む
であると考えます。
◎選手の責任感を養うために?
練習や試合では全て子どもたちに委ねています。
【練習時】
・練習メニューを決めるのも子ども
・練習に対する目標を決めるのも子ども
【試合時】
・試合のスターティングメンバー
・ピッチャーの順番
・“ここぞ!という時場面以外はほとんどノーサイン
というように,ほぼ全ての決定権を子どもに委ねています。
こうすることで,「自分のチーム」という意識が各選手に植えつけられ,責任を持った発言や行動を取ります。
また,大人では考えつかない,子どもならではの発想が面白い!!
◎自己肯定感を高めるために?
選手には常々こう言っています。
・誰がリーダーになってもいい
・先生に頼らず自分たちでチームを作ること
・大いに失敗しろ
失敗を恐れず,自分の判断で物事を見られるようになったら本物。それはきっと野球の中でも活きてくるというのが私のねらい。
先ほどの練習メニューも自分たちで決めるように!というのもここにねらいがあるのですが,そのほかの取り組みとして,
①【月間MVP】
現在のチームには固定されたキャプテンはいません。
では,キャプテンは不在か?というと,そういうことではありません。
月ごとに子どもたちで選んでいます。
というのも,上の写真。
月に一度,「今月チームに一番貢献した選手は誰か?」(試合での結果等ではなく,準備や片付けを率先して行なっているや,仲間への声掛け等を評価対象とする)を選手間でアンケートを取り,発表・表彰。票が多かった選手は翌月のMVPまでキャプテン。
という形でキャプテンを選んでます。
②【先生体験】
プロの選手にならなくても,指導者としてこの先野球に携わるかもしれない子どもたち。説明の機会をなるべく選手に与え,先生をしてみるという体験機会を与えます。
自分の説明を聞き,「なるほど。ありがとう!」って言ってもらえれば,先生役を買って出た子どもは,もうルンルン!
うまく説明できた!と人の役に立てたことが自信になって返ってきます。また,人に伝える・教えるという能動的学習で,自らの学習定着率も高まるので一石二鳥!!
基本,週に3回ある全体練習はこのようなことを意識して練習しています。
◎では,具体的な指導や具体的な意識づけ,
保護者への伝達はどのようにいつするのか?
基本的には,子供と同じメニューを一緒にするので,『見て盗め!分からないところは聞け!」と言っています。
が,相手は小学生。なかなかそれを言っても難しいです。
では,個別でアドバイスをしたいときはどうするのか?
私は自分のやり方を方法の1つとして提示はしますが,自分色に染めるのは嫌いです。
なので,選手個人個人体つきや性格も違うので,個々に見合ったアドバイスを常に探しています。
そこで使えるのが,野球ノート。
【野球ノート】
①練習の内容 ②練習はどうだったか ③練習で何を感じたか? ④次の練習の目標は?
という,4つのポイントは必ず書くようにして,あとはフリースペース。
選手が疑問に感じること。私からのアドバイスを自由に書きます。
いうならば交換ノートのようなものですね。その日の選手を褒めたり,喝を入れたりするのもここ。
選手もグラウンドでは言えない本音を書いてくれたりと,普段見えない姿がノート上で見えるので,新しい発見がたくさん見つかります。
また,ノートを返却をする時に交わす会話がミソ。ノートを返す時に毎日一人一人と,たとえ一言二言だけでも話す機会をもつことができるので,お互いに“言いたいことはわかったぞ!”というコミュニケーションが取れるのでグッド!
【JORNAL SWYK】
毎週1,2枚のペースで配信しているチーム内の通信。
チームの様子を伝えたり,私がグラウンドで伝えきれなかったことを書いたり。
これは選手も楽しみにしてくれているのですが,何よりもターゲットは保護者。
グラウンドの外では見えない子どもの写真や様子を書いているので,「そうなんや」「そんなことしてるんや」と子どもと親を繋げるツールになっています。これを見て,親御さんも子どもを褒めたりしてくれると,また子どものやる気に繋がり,自己肯定感アップに繋がります。
【失敗を恐れずやってみた→うまくいった→他の人に自分のわかったことを伝えてみた→「なるほど!ありがとう!」と言ってもらえた→チームにもっと貢献したいと思えるようになった→チームに貢献したからMVPに選ばれた→通信でお母さんがそれを知って褒めてくれた】
このサイクルで成功体験をぐんぐん積んでもらいます!!!と,なれば“誰もがリーダーになりたい”と思えるのではないか?という想いのもと,チーム作りをしているわけです。
と,ここまで書いてきましたが,主にこんな手法をとって毎日子どもと過ごしています。
5,残りの活動何をするか?
残り約10ヶ月の活動をどうしていくか?に関しては,上の3点!!
現在チームの中では,『日本』というワードがちょっとしたブームになっています。
と,いうのもこの間チームの中から2人が代表として日本に行ったことがきっかけ。
私はブラジルに出てきて,間違いなく考え方や物の見方が変わりました。
この国を知って一年。たくさんのことを学ぶことができています。
と,いうことはブラジルの人も日本という国を知ることで,アンテナのチャンネルも変わるはず!
私がアンテナの電波を変えたように,私が彼らにもっともっと日本を発信する,または日本と繋がる機会を作ることで,きっと彼らの視野・思考も変わると思うんです。
せっかく一緒に毎日を過ごす仲。教えてもらってるばっかりじゃなく,知ってもらう機会を作らないと!と思っています。
また,そうした関わりをしていくことで,子どもたちが何かしらのBIGな夢を持ってくれたら最高だなと思います。
あとは,その中で臨機応変に動くこと。
まだまだ,言語も文化も日々驚かされることがあって,完全に追いつけていません!!!笑
また,現在は監督をさせてもらっていますが,仕事内容も新年度はどうなるかわかりません。
そんなどうなるか分からないこの先ですが,臨機応変に動き,置かれた場所で咲けるように活動後半も突っ走っていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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