「オーダー車だから良く走る自転車とは限らないんだよ。」というお話(2)
具体的技法の紹介の前に、廣瀬さんがビルダーとして成長する過程で「反面教師」とされてきた自転車たちについて記しています。まずはそれらを知って頂くことが、後にご紹介する廣瀬さんの治具や技法に関する工夫をご理解頂ける近道だと思うからです。
前回はMさんのフランス車を題材に「小物や台座をロウ付けで設置する技法で作られた旅行車は、火を入れる箇所が多いだけに、芯が出た、良く走る自転車に仕上げるのは大変だね」という、至極当然なお話を紹介させて頂きました
今回はMさんが所有されていたイタリア製レーサーのお話。
由緒正しいブランドで、パイプもラグも当時最高の部材のはずなのに、なぜか良く走ってくれない。台座やガイドはバンドで固定してあり、火が入る回数自体は少なかったはずなのに...。
なぜ良く走らなかったか? 以下、廣瀬さんの推理です。
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YouTube動画も含めた私のヒロセへの取材とアウトプットに対し、ご評価を頂ければとても有り難いです。どうぞ、よろしくお願い致します。(廣瀬秀敬自転車資料館 制作者)