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『聲の形』のアニメ俳句鑑賞

こんにちは!
アニメ俳句部部長の広瀬康です。

先日、アニメ俳句部で『聲の形』の俳句を募集したところ、30句の俳句が集まりました。ありがとうございます!

みなさまが詠んでくださった句の中から広瀬が個人的にいいなと思った句をピックアップし、鑑賞文を書きました。

句のあとに作者名を敬称略で記させていただきます。

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秋声や顔を上げれば見える顔   イサク

終盤、主人公の石田将也が顔を上げて、周りの人の顔をちゃんと見たシーンを詠んだ一句。傷つくことに敏感な思春期、誰かの顔を見るのが、目を合わすのが、怖いと感じることがある。そういった怖さを乗り越える、というよりは受け入れて顔を上げれば、見える顔があると、この句にやさしく言われているような気がしました。季語「秋声」は顔を上げるきっかけ。季節の声を聴ける人は、大切な人の声をちゃんと聞くことができる。

彼の空彼女の空に花火かな   香田ちり

作中、花火大会の打ち上げ花火を登場人物たちがそれぞれの場所で見ていました。「花火」といういろいろな場所から見ることのできる季語。彼には彼の空があり、彼女には彼女の空がある。立ち位置の相違は、見え方の相違で、私たちは他者と全く同じ視点に立つということができません。それでも、同じものを見ている。それを美しいと感じます。

それぞれの正義の形冬銀河   猫髭かほり

聲の形は勧善懲悪の物語でなく、キャラクターたちが懸命にそれぞれの正義の形を模索する物語なんだとこの句を通して気づかされました。冬の夜空に冴えきって見える天の川。正義は炎のように熱いものではなく、冷たいものだと感知しました。他者と関わること、それは、自分のとは違う正義の形に触れてみるということなのかもしれません。

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謝辞

みなさま、素敵なアニメ俳句をありがとうございました。

今回の『聲の形』の俳句30句は一覧画像にしてアニメ俳句部のアカウントからツイートする予定です。でき次第、後日、ツイートします。

今後もアニメ俳句部はアニメと俳句をかけあわせたイベントを開いていきます。

リクエストご要望等ございましたら、いつでも気軽にリプライやDMをお送りください。

ではまた。

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