不安もなく 驚きもなく ただ静かに


この街には好きなところがあまりないの。と彼女は表情を変えないで話はじめた。

雨の日はとくに。きれいな自然があっても、道端のアジサイとか、人の庭先の花とか、そういった小さなものになる。そういった小さなものを愛さないとダメなのはわかってる。でも大きな海をみて、全身で海を感じたあとだから、よけいに切なくなる。

スタバまで歩いて、なにかあたたかいものを飲めばいいのだろうけど、隣の席が近いし、レジで待つだろうし、人がたくさんいすぎるから。わたしもその中のひとりだから、ではひとりで家にいた方がいいんだろうな、って思う。雨はきらいじゃない。雨はきらいじゃないけれど、静かにひとりで、不安もなく、驚きもなく、過ごしていたい。

昨日、海にかかる虹を見ました。



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