社内改革なんておやめなさい
佐藤大朗(ひろお)です。
去年、知人が正社員で勤務して、管理職?をしていた会社を辞めて、やりたかった(ことに関わりがある)仕事に、非正規で就職しました。
経済合理性からしたら、「まちがった選択」です。
でも、情報を収集し、試行錯誤をまわす回数が増えたのか、1年前とは見違えるような、立派な人になりました。
非正規にせよ働いているのだから、貯金を食い潰しているのではないでしょう。貯金が増える速度が、鈍っているのかも知れませんが、家計が破綻しない限りにおいて、お金の話は本題ではありません。
社内改革は100%失敗する
日本社会を見渡すと、若くて優秀なひとほど、まず(下からの)社内改革を志すのではないでしょうか。
でも、100%失敗します。このnoteをご覧になった、若くて優秀なひとには、1日も早く気付いてもらえたらと思います。
そもそも会社は、上意下達のピラミッド組織です。社長の人格とか、上司の能力とか、そういう個別の適否と関わりなく、「上から下」にしか情報は流れません。「上から下」にしか変化しません。
たまたま、上が何らかの変化を起こそうと思い、下から要望を募ることはあるかも知れません。でもそれは、上が下を参考にしただけ。上の意見、方針がありきです。ラッキー(上の気分が変わること)を待つのは、若くて優秀なひとの好むことではないはずです。
そういう意味で、多数決で「民意」が反映される国政は、特異な意思決定の形態であることが分かります。西欧での数百年の試行錯誤の結果であり、かなり特殊なものです。少なくとも仕事では参考になりません。
市民による「社会」改革は、あり得るのでしょうが、その比喩を使って、会社という組織を捉えるのは、お門違いです。
優秀な若者は、いますぐ会社を辞めなさいとか、そんな無責任なことを、不特定多数のひとに向けては言えませんが、下からの社内改革は、100%の失敗が保証されているので、そんなことで神経を磨り減らし、時間を使っているぐらいなら、
ほかのことを考えたほうがいい、と思います。
立場が対等な友人やパートナーですら、自分の望むとおりに、「改革」するのは、すごく難しい。ましてや、下から上に向けての「改革」なんて、ムリです。
サッカーの審判にかけあって、「ボールを足蹴りするのは行儀が悪いから、禁止してもらえないだろうか?」と説得するのと同じぐらいムリ。
会社を辞めるとか、会社を長期間休むことで、開けてくる人生というものはあります。ぼくがそうだし、上で書いた知人もそうでした。
追記:「偉くなって社会改革する」という解決法は、たしかに存在します。しかし、入社数年のひとが改革の必要を感じるような組織で、長年にわたる努力をかさね、評価を勝ち取り、偶発的な要因に左右されながら昇進競争をすることが、果たして幸せなのか。コスパがいいのか。というのは、考えてもいいんじゃないかと思います。