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大学院生は失業保険を受給できるか
佐藤ひろおです。早稲田の大学院生(三国志の研究)です。20年弱続けた会社員生活を辞めて、アラフォーの無職、大学院生です。
会社を辞めたけど、別の会社ならば働きたいと考えており(詳細は別の記事で書きます)、本日はハローワークに行ってきました。
大学院生は失業保険を受給できるか??
について体験レポートです。
この問いに、ずばり答えた情報がどこにもない。
受給資格を審査する窓口職員の個別判断による、というのがネットで調べられた限度でした。
大学院に学籍があることを理由に失業保険の給付を断られた、という怒りのブログがありました。大学院に学籍があることを黙って受給し、あとから露見して問題になったみたいな記事も。裁判沙汰になる案件のようです。同じ疑問・悩みがあるひとのために体験記をシェアします。
ぼくの場合、
結論は、受給資格ありと見なされた、です。
本件は法整備が不完全なのではなく、所管の役所がいじわる(水際作戦)をしているのでもなく、「場合による」度合いが強いため、一律にルールとして打ち出せないというのが実態に思われます。※個人の感想
受給審査の体験記
受給資格の審査を受けるとき、事前の記入用紙に、
・いま学生か?
・入学の予定があるか?
という回答項目がありました。
学生(あるいは入学予定)である場合、学校の種別を選ぶ質問項目がありました。高校、大学、専門学校、その他(メモってくるのを忘れた)。
学校の選択項目に、大学院はありませんでした!!
ぼくは欄外に、自分でわざわざ、
「大学院の博士課程、週0日~1日程度、登校」
と書き加えました。
0日というのは、長期休みの期間。1日は、授業がある期間。授業があるのは、1年で28週間ほどなので、半分強に過ぎません。
いざ受給資格の審査では、窓口でこの項目は完全にスルーでした。職員の手の動きと、目の動きを、ぼくは殊勝なふりをして観察していました。
見落としか。いいえ。職員の見落としではないでしょう。
なぜそれが言えるか。
ハローワークに講習を受けに来なさい、と言われた日がたまたま授業の日と重なったとき、「その日は、調査票に書いたように、週1回の登校日に当たるため、ハローワークに来られません」と同じひとに伝えたら、しぶしぶ翌日にズラしてくれました。つまり、週1回程度の登校をすることが明らかに認識された上で、資格ありと見なされたことが確定できます。
OKが出た以上、審査窓口で「ねばる」ことは得策ではない。
「なぜ大学院生なのに受給資格ありと見なされたか」という質問を、当該職員にする勇気はありませんでした。やぶへびになって、「やっぱりあなたは資格なし!」と言われるリスクがあります。
思うに、
これからハローワークが紹介する職業に本当に就けるのか?というのが判断の分かれ目でしょう。就職できる状況と意思が必要です。大学院に学籍があるという1点をもって、資格なし!!とはならないようです。
通っている大学院が、分かりやすいキャリア・アップ、職業訓練に繋がるのか?というのも、問題とされないようです。どこの学部に通っているのか、質問されませんでした。
ただし、経済学の博士号があっても会社では役に立たないことが多いと思いますから、そもそも無関係なのでしょう。
ハローワークの求人には、パート・アルバイト、派遣などもあります。「フルタイム」か否かを選ぶ項目もあります。
出勤できない曜日があるとしても、それだけで「あなたに職業を紹介してもムダじゃないか」と見咎められることはない、ということか。※推測
仕事紹介の窓口で質問したところ、「フルタイム」とは、就業先が定めたすべての労働時間に出勤すること。もしも週3勤務を標準に定めている会社ならば、「フルタイム」とは週3勤務だそうです。へえ。
ぼくの場合、週4で正社員の勤務(1日8時間)、週1で大学院に通学、という実績がありますから、もしも「大学院生だから、機械的にNG」と言われたら、粘るつもりではおりました。
この二重生活がしんどくなって会社を辞めたというのは事実なんですが、それは会社での立場、仕事内容、配属などによってメンタルがまずくなりそうだった……というのが実態です。大学院に学籍がなく、ふつうに週5勤務であれば、もっと早くダメになっていた可能性があります。
このイキサツは、「週4勤務そのものがムリ」=「受給資格なし」という根拠にはならないはずだ。辞めた要因の分解・特定は、きっと誰にもできないでしょう。解釈に持ち込まれたら、粘ることはできたでしょう。
というわけで、大学院生(博士課程)に学籍があっても、求職者として認定されました。ご参考にどうぞ。
今回ぼくは該当しませんが、修士課程の場合、どのような判定になるのか、とても難しいと思いました。
昼間の学生はNGとされています。
修士課程1年生は、授業数(必要な単位数)が多いから、受給資格を得ることが難しいかも知れない。しかし修士課程の忙しさは、大学や専攻によりまちまちでしょう。ハローワークの職員が断定できまい。2年間ではなく3年間かけて卒業するならば、仕事と両立することはできるかも知れない。あるいは、1年生のときに単位の大半を取得済みで、修士論文を書くだけの2年生ならば……??やはり、個別判断なんでしょうね。