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2025年の新NISAは〇〇を買う
佐藤大朗(ひろお)です。早稲田の大学院生(三国志の研究)です。20年弱続けた会社員生活を辞めて、アラフォーの無職、大学院生です。
2024年が終わって、2025年がやってきます。年が変わると最初に起こる最大のイベントは、そうですね、新NISAの投資枠の付与です。
ぼくは2024年の新NISAは、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
をメインで買ってきました。
今年だけの成果じゃないですが、楽天証券の現在の断面。
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2025年の新NISAは、方針を変更し、
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
を買おうと思っています。
タイトルの「〇〇」には「日経平均」が入ります。
2024年、ぼくは会社を辞めて、引きこもり(あるいは大学院生)になり、日本経済から逃走しました。
狭い経験からですが、どちらかというと日本経済にアンチです。
日本株にも、あまり期待してこなかった。
もう利益確定して手放しましたが、特定口座で「全世界株式(除く日本)」を買っていたこともあります。日本経済に対して、あきらめと絶望を持っていました。プレイヤーとして参加していても、全然楽しくなかったので、その感覚で投資も控えていました。
アメリカのビジネスシーンがすごい!!みたいな話は無限に聞きます。自分がアメリカ企業に就職して活躍できるなんて思わないけれど(第一、英語がさっぱりできない)、日本の地方都市にいて、インターネットさえ繋がるならば、アメリカのIT企業の株をほぼゼロコストで買えますから、それでいいじゃん、という現実逃避・自己弁護も成り立ってしまう。
2025年、なぜ日本株を持とうと思ったか。
この本を読んだからです。2024年12月中旬に発売された新しい本を、川越(埼玉県)の紀伊國屋で買ってきて読みました。わりと納得しました。
齋藤ジン『世界秩序が変わるとき/新自由主義からのゲームチェンジ』(文春新書 1478)
日本経済の浮き沈みは、どのように決まるのか。膨大な変数がありますが、各時点の覇権国家(著者の言葉を借りれば「カジノのオーナー」)との関係によって決まる。
・1900年代、日英同盟(ロシアに対抗)のもとで日本が領土を拡大。日露戦争に勝つ。
・1910年代、覇権国家がイギリスからアメリカへ移行
・1930年代、世界恐慌ののち日本はアメリカと対立。経済的に追い詰められて開戦を選択。
・1950年代、冷戦下のアメリカのもとで、ロシアに対抗するために日本が活用された。高度経済成長。
・1990年代、冷戦が終わり、アメリカが日本を競合と認識。「失われた30年」が開始。
・2010年代後半~、アメリカの目論見が外れて、アメリカと中国が対立関係に。
・2020年代、アメリカが中国に対抗するため日本を再び活用?
引用しませんが、数十年ごとに「統治観」も変化した。
覇権国家がすべてを決める!というと陰謀論めく。上の本の著者も、覇権国家が決めたとおりに世界が決まるとまでは言っていません。しかしゲームの難易度はかなりの度合いで操作をされる。
いわゆる「失われた30年」もその文脈で理解可能であると。
1980年代以来の日米貿易摩擦、1990年代のアメリカと日本の対立のもとで、金融危機をはじめ、さまざまなできごとがあった。日本は日本なりに、逆風のなかで日本がよいと思う方向で対処してきた。具体的には「雇用を守る」を最優先した。
「雇用を守る」かわりに「生産性が低い」というジリ貧を選択した。そのようなジリ貧で30年も国が崩壊しなかったのは、同時代の世界経済の発展の恩恵を受けられたからだし、不利なゲームのなかでも日本人が忍従してきたからだと。ゲームのルールが変われば、伸びしろがあるだろうと。
アメリカから見れば、1990年代に日本をじゃまにし、韓国や台湾、つぎに中国と接近した。日本はアメリカにパッシングされたが、その期間がまさに「失われた30年」に該当する。
アメリカからみた中国の位置づけが変わったので、ふたたび日本がアメリカに求められ、日本が発展しやすい環境に変わっていくと。
「世界秩序」説の内容の当否は、皆さまで本を読んで確かめて頂きたいのですが、ぼくなりの感想としては、
自分の実体験(1990年代に物心がつき、2000ゼロ年代に就職)に照らせば、日本経済が良かったことなんて一度もないから、日本は永続的に停滞し凋落するようなイメージしか持てない。しかし、歴史を100年単位で見れば、この30年とは環境が変わる(ゲームチェンジ)かも知れないと。
自分の経験でしか語れないならば、なんのために歴史を勉強しているんだ、ということになる(ぼくは中国史、中国思想、中国哲学を大学院で学んでいます)。
ただし、このような見通しを得たからといって、自分の資産をすべて日本株に賭ける!と言っているのでもない。新NISAの年初一括の240万円ぐらいなら、日経平均に入れてもいいかも、という程度の小さな話です。
株式投資では「自国の株式を多く入れすぎてしまう」というバイアスがあると言われる。しかし、世界の株価の時価総額を反映した「オルカン」のなかでは、日本株の比率は5%強に過ぎない。伸びしろがあるならば、それを取り逃すこともリスクに感じる。
自国だから日本株を多く持とうというのではなく、上の本に説得されたから(米中の新冷戦)、日本株に興味を持った、という経路です。
日経平均の2024年を振り返ると、出来高が膨らんだのは8月頭のショックぐらいだ。おおむね2月以降は横ばいって感じですけど、まだ「ゲームチェンジ」の「織り込み」が進んでいない、という見方ができないわけでもない、かも知れなくない、かも知れない。知らんけど!!
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投資について勧誘やアドバイスなんてするわけはないんですけど、読み物としては面白かったので、
こちらの本をどうぞ。1日で読めて、「ふーん」という納得感を得られて、ラーメン定食を1回分の値段ですから、こちらはオススメです。これを読んで日本株を買うかどうかは、まったくどちらでもいいと思います。