【特別支援】就学先、合ってますか?
年長の子が1年生に上がる際に、就学時健診というものがある学校が多いのではないでしょうか。今はその時期だと思います。
特別支援学級担任の経験から、就学先に関する記事を書きたいと思います。
これ、大丈夫?
本校の特別支援部で、就学児童について、「トイレができない」「会話ができない」という子は、通常の公立学校に行くべきなのか。特別支援学校が妥当ではないか。という話題がしばしば挙がります。
特別支援学校と通常の公立学校(通常学級or特別支援学級)の選択は、障がいのある子どもとその家族にとって重要な決断です。それぞれのメリット・デメリットを比べてみましょう。
通常学級(普通級)のメリット:
社会的経験: 通常学級では、多くのクラスメイトと交流する機会があります。友達を作り、社会的なスキルを身につけることができます。
一般的な学習環境: 通常学級は、一般的な学校環境で学ぶため、社会に出てからの人との関わり方を学ぶことができます。
自己肯定感の向上: 通常学級での成功体験は、子どもの自己肯定感を高めます。
通常学級(普通級)のデメリット:
個別のサポートが限られる: 通常学級では、多人数の生徒を担当する先生がいるため、障がいのある子どもへの個別のサポートが限られることがあります。
集団行動の難しさ: 障がいの程度によっては、集団行動や学習が難しい場合があります。
特別支援学級のメリット:
個別指導: 特別支援学級では、障がいのある子ども一人ひとりに応じた教育を受けることができます。
専門的なサポート: 特別支援学級の教職員は、特別支援教育の専門知識を持っており、適切なサポートを提供します。
特別支援学級のデメリット:
他のクラスメイトとの交流が少ない: 特別支援学級では、同じ障がい種別の仲間と過ごすことが多いため、他のクラスメイトとの交流が少ないことがあります。
特別支援学校メリット:
個別対応: 特別支援学校では、個々のニーズに合わせた教育プログラムが提供されます。これにより、子どもが自分のペースで学ぶことができます。
専門スタッフ: 特別支援教育の専門家が多く在籍しており、適切なサポートを受けることができます。
設備とリソース: 特別支援学校には、特別な教育機材やリソースが整っており、子どもの学習をサポートします。
特別支援学校のデメリット:
社会的な隔離: 一般の学校と比べて、特別支援学校では社会的な交流の機会が少なくなる可能性があります。
進学や就職の選択肢: 特別支援学校のカリキュラムは一般の学校と異なるため、進学や就職の選択肢が限られることがあります。
通学距離: 特別支援学校が自宅から遠い場合、通学が大変になることがあります。
特別支援学級と特別支援学校では、あまり違いがないように見えますが、大きな違いがあります。それは、大人の人数と施設です。子どもたちのケアや補助ができる大人(教師や補助員など)の数は、圧倒的に違います。また、特別な支援を行うための学校ということで、様々な工夫された設備があります。
小学校1年生の段階で、「トイレ」と「会話」に難がある児童は、
特別支援学校が妥当!!
とは言いませんが、保護者や周りの大人が、その子にあったBESTを選べるよう、見学や説明会、体験等を申し込み、柔軟に、冷静に考えていく必要があると思います。
就学先の決定に関して注意点
就学先に迷っている保護者の方へ、絶対にしてほしくないことがあります。
それは、
見栄や世間体を気にして、意地にならないことです。
以前、小学校、中学校ともに通常級に在籍し、中学校3年生の段階で九九や2桁同士のひっ算がやっとという生徒がいました。その子は知的障がいがあり、幼少期から特別支援学級を勧められていたが、親が拒否し、周りのアドバイスを全く聞かなかったのです。当然、授業は何も分からない。指示も理解できない。宿題は、答えを丸写し、、もできないからやらない。という状態でした。その子は、高校受験でも県立高校を受験し、定員割れのおかげで合格しました。しかし、いじめにあったり、クラスで浮く存在になってしまいます。ヤンキー高校でアンパンマンの筆箱と人形を大事に持っていたら、標的にされてもおかしくありません。(決していじめを肯定しているのではありません。行く場所が間違っていた、ということです。)
また、親が「特別支援学級なんて、無理!」というスタンスで、通常級に在籍し、全授業で内容が分からず、ずーっと寝ているという児童もいます。休み時間のために登校しています。
親を含め、周りの大人は、必要な情報を仕入れ、とにかく冷静にその子のためになる選択をしてあげたいのもです。