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動作(技術)トレーニングで見落としがちな視点

 スポーツを始めたばかりの頃はどんどん上達して、いろんなことが出来るようになっていくのが嬉しくてしょうがないですよね。そうして続けているうちに段々と細かいところが気になりだします。

 「もっと上手くなるにはどうしたらいいのだろう?」
 「あの人みたいに強くなるにはどういう練習をしたらいいのかな?」

 そう思い始めたらもう立派なアスリートです♪
 そして、さらに上達するには技術の向上が不可欠だ!と気づきます。

 ここにきて改めてスクールに通ったり、本を読んだり、仲間内で勉強したり、ネットで動画を探したりと、技術トレーニングの海へ漕ぎだすのです。

動作(技術)トレーニングの落とし穴

 こうした勉強はもちろん大切なことです。効率的・合理的な動きができることは、やみくもに筋力アップしたりスタミナをつけるよりも大きな効果をもたらしてくれます。ただ、動作(技術)トレーニングをする際は気をつけないといけないことがあります。

 ネットで動画を見て
「上手い人の脚はこういう軌跡で動いている」
「チュートリアル動画でこの動きが良いと言っていた」
 あるいは先生に教わるとき
「脚はここに置くのがいいです。」
「腕の振りはこの方向へ。」
という見た目の動きの練習をしていないでしょうか。

 試しに、パンチ動作を例にとってみます。

①指を握りしめて拳に力を込めたパンチ
②前腕に力を込めたパンチ
③上腕に力を込めたパンチ
④肩甲骨から動かしたパンチ

 上記4つとも見た目の動きとしては同じですが、使っている筋肉はまるで違います。使う筋肉が違えば消費エネルギーも発揮されるパワーもスピードもタイミングも全部違ったものになります。
 これがランニングフォームであれば1歩ごとの違いが10000歩の間に何百メートルもの差になり、球技であればちょっとした出遅れがボールへのタッチのわずかな(そして決定的な)差になります。

身体の動きは筋肉の使い方

 技術トレーニングでは、どういう軌跡を描くかよりもむしろどの筋肉を動かすかという視点が大事です。
 
箱根路を走ったランナーの方と話していた時も、意識しているのはお腹周りや大腿上部ということで意気投合したりします(見解は様々ですが)。走るスポーツだからといって脚の動きを真似しているばかりでは同じように走ることはできません。

 もちろん運動には筋肉以外の要素もありますが、筋肉を使うことは運動の根幹ですのでそれをどう使うかが最も重要と言っていいでしょう。

 動作のトレーニングをする際はその点に気をつけて、また質問できるコーチがいる場合はどう動かすのかだけでなくどの筋肉を使うのか(タイミングや方向も含めて)訊いてみるとより効果的なトレーニングになっていきます。


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Hiroqui Totori
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