インラインスケートの誤解(エッジの話)2
前回、構造の違いから来るスケーティングの動作効率の違いを解説しました。では実際の動作に於いてはどんな違いが出てくるのでしょうか。
ここでもう一度バート選手の動画を見ておきます。
アイススケートに於いては「エッジに乗ること」が最も刃が安定し、抵抗が少なく、減速も少ない動作です。従って、できるだけ早く接地の瞬間からアウトエッジに乗り、そのまま体重を乗せて滑らせていく動作になります。
他方、インラインスケートでは「アウトに乗ること」は重心軸を捉えるのが難化し、抵抗が増え、減速する要因になります。アイススケートと同じ様にアウトに乗せていくことはインラインスケートに於いては良い選択とは言えません。
インラインスケートでは、タイヤが地面に垂直に立っている状態が最も抵抗が少なく、減速が少なく、重心を捉えやすくなります。
従って、接地はできるだけ垂直に、真っ直ぐ置いたのち、上体の重心の移動に伴って傾斜していく動作になります。
足の傾斜は入力ではなく出力の結果
インラインスケートの動作では、加速のために上体の重心を動かした結果、タイヤが倒れざるを得ないというのが実際で、アウトに乗るのは目的ではありません。「アウトに乗ろう!」と足元を外側に倒すのではなく
という出力の最後の結果が「アウトに乗る」と表現されています。
走ったり滑ったりする競技は、大きく動いて目立つ足元に注目してしまいがちですが、スポーツ動作の多くは根元の方の動きが実は重要なことが多いです。末端の動きがどこから来ているのかを見極めていくと上達が早くなります。
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