インラインスケートの選び方(スピード競技)①
インラインスケートの経験がある人もない人も、スピード用の道具を買おうと思ったら情報があまりなくて、どうしたものか???という声を聞きます。今の流行りや市場を見ながら、僕のインプレッションを交えて解説していきます。既知のことは適宜飛ばしてお読みください。最初に大きなトピックを、後半でどうやって選ぶかを検討します。
【タイヤ径 110mmと125mm】
子供や小柄な女性向けを除けば、タイヤ径は110mm×4輪(以降110x4と記述します)が主流です。フィットネス他のインラインスケートと比べるとかなり大きく見えると思いますが、それによって不安定になるとか難しくなるとかはありませんので安心してください。小さい径で滑っていた方にとっては、直進性や回転性の違いに驚くと思います。特に悪路では今までにない爽快感を感じると思います。
125mmは3輪になります。マラソンなど長距離で使われています。個人的な感覚では、
①最高速度は110mmも125mmもあまり変わらない
②125mmは110mmよりも高速を出しやすくなる
③125mmは110mmよりも高速を維持しやすい。
④トータルの運動量はどちらもあまり変わらない。(速い分疲れもする)
⑤125mmは直進性が高く、110mmは扱い易く細かな動き・戦略が取りやすい
レースで勝ち負けしたりするのでなければ、特にどちらがおすすめということはなく、用途に合わせて選んでいただければ良いと思います。
ロングラン系の楽しみ方では125mmが楽しいでしょうし、しっかり技術を磨いて綺麗に走りたいとかでしたら110mmをオススメします。(国際・国内連盟の大会では125mmはマラソンのみ許可なので、そこを考えている方は110mmが良いです)
125mmについてはこちらでも詳しく解説しています。ご参考まで。
【インラインスケート道具考 考007 125mmフレーム(12.2inch vs 12.6inch vs 12.8inch vs 13.2inch)】
【インラインスケート道具考 考006 Matter wheel One20five】
【フレーム カーボンとアルミ】
競技者(海外レースや世界選手権等)のシェアをざっくり見ると、カーボン2割、アルミ8割という感じです。カーボンが少ないのはトップレースに応えられるメーカーが実質1社しかないためで、どちらが優れているということではありません。ロードバイクのカーボンフレームvsアルミフレームのインプレッションのイメージがそのままインラインスケートにも当てはまります。初見の感触はかなり違いますが、すぐ慣れてしまいます。二つを比べながら滑ることはあまりないと思いますので、好みで選んでも問題ありません。
①カーボンは直進性がとても高く、アルミは取り回しが楽
②カーボンは軽い。
(手に持ってわかるほど軽いのでかなりアドバンテージあり)
③カーボンは硬く、アルミは柔らかい。
(硬いと地面の凹凸も感じやすい)
④価格はカーボンの方が2,3割高め
カーボンフレーム(EO SKATES)について詳しくはこちらでも解説しています。
【インラインスケート道具考 考009 EO SKATES CARBON FRAME】
【フレーム グレード】
大手メーカーは、各メーカーともトップ競技者向け(としている)のものからビギナー向けのものと、いくつかのグレードを出しています。これをどう判断したらいいのでしょうか。
傾向としては、トップ向けは肉抜きが多く、軽量化を図っています。また構造はメーカーごとに知恵を絞っていて、しなり具合や剛性に工夫をしています。他方ビギナー向けは肉抜きが少なく、丈夫で壊れにくいことに軸足を置いています。といってトップ向けが壊れやすいかというと、よほどの大クラッシュでもない限り壊れるところは見ません。
ビギナーグレードのものをトップの競技者が履いたら勝てないかと言うと、一つのレースでそこまでの差はないかもしれません。しなり具合や素材の違いが小さな積み重ねとなって、トータルパフォーマンスに影響はしますので、10回レースして5回勝っていたのが2回になるような感じにはなると思います。
大手メーカーのものは、どれも最低限度のパフォーマンスはクリアしているので、お財布と相談しながらの選択になります。
次回はフレームの選択のチェックポイントについて解説します。