スケーティング改善トレーニング③
3人目の受講者は小学生のKahoちゃんです。
【バックグラウンド】
小学校に上がる前からスケートをしていて、すでに5年以上のスケート歴があります。
今はローラーダンス、アグレッシブ、アーティスティックをメインに習っていますが、ホッケーをしたり、スピードの大会に出たりしたこともあり、ローラースケートはなんでもこなすスーパーキッズです。スケート以外にもダンスをしたり、体を動かすのはとても得意!
【課題】
アグレッシブの大会では、1分前後のセッションの間にフィールドを走りながらさまざまなトリックをします。
トリックとトリックの間の移動に時間がかかるとタイムロスになります。
といって全力で走り続けると、体力がなくなってトリックにミスがでてきます。
また、インラインスケートとローラースケート両方を履きこなしますが、どうしてもローラースケートの癖が抜けない、というのも気になっているところです。
以上から、下記のような改善点を設定しました。
【改善ポイント】
①1〜5秒前後の加速と、その繰り返し
②筋力に頼らないスケーティング
③スケーティングイメージの切り替え
Kahoちゃんの場合、これまでは、眼に映る動作の練習が多かったように思います。持ち前の運動神経と観察眼で体得してきた部分が多く、「どうしてそうなるのか/するのか」という視点はあまり強くなかったかもしれません。(大人でもそういう視点は持ちづらいものですが。。。)
今回のトレーニングでは、動作の練習と同時に「なぜそれをやるのか」「今やっている動作がどうつながっていくのか」を考える練習にも重点を置きました。
ただ頭になかっただけなので、知ってしまえばすんなり入ります。今回はそれも含めた「アイデアの切り替え」がポイントになると思いました。
【トレーニングスタート】
トレーニングの長期的な(今日だけなくその先も)目標として、体重の乗せ方の変化を頭で意識してもらいました。
「目指すところがどこにあるのか」を常に考えて練習すると、理解が深まりやすいです。
ごく基本的なところからスタートです。まずはまっすぐ立つところから。
(僕としては、この動作ができていれば、ほとんどのスケーターの課題は改善すると考えています。)
あまりに当たり前すぎて、すっ飛ばしてしまいがちですが、スケーティングにおいては、まっすぐ立てることがなにより大事です。
「どう乗るのか」「どう体重を移動させるのか」を運動靴でトレーニングし、その後スケーティングに当てはめていきます。
小さい子の場合は、単純に「知らないだけ」のことが多いので、教えると吸収してきますが、単発のトレーニングではその内容から先のものが入れられません。その先を「自分で考えて組み立てられる」ことも大事ですので、一つ一つの動作の意味、繋がりを考えてもらいながら実施しました。すぐに効果がでることではありませんが、この後のスケーティングライフが変わってくると期待しています。