見出し画像

考25 BIGFOOT WHEEL by NSC

 実はアメリカは、屋外よりもインドアのレースの方が盛んです。

 意外かもしれませんが、スピードの200mの競技用トラックは全米で2つくらいしかありません。国内選手権もIDN(Indoor Nationals)とODN(Outdoor Nationals(トラックとロード))という括りになっていて、インドアの方がより盛り上がっています。ODNは主に世界選手権に出るような選手が選抜のために出る意味合いが強いです。(2022年現在、世界選手権にインドア種目は無くトラックとロードのみ)

 そんなわけでアメリカでは国内で独自に流通するウィールがいくつかあります。その多くはアメリカのインドアのみに適応するとても特殊なウィール達です。そのリンクの特徴は

・木製のフロア
・グリップ力が極端に強いワックス
・1周100mのショートトラック

それに合わせたウィールは

・グリップは床側に任せっきり
・転がり重視の硬いウィール

となっています。

 TLTFやAtom、Matterなどがインドア用ウィールを出していますが、基本的に上記のコンセプトで作っているのでとても硬く、アメリカ以外の場所では使い道がないウィールでした。

 そこに新たに登場したのがNSCのBIGFOOTシリーズです。

  NSCは正式には「National Speedskating Circuit」というプロのレースを興行する団体です。

スクリーンショット 2022-09-14 17.16.06

 ウィールの形状を見てわかるようにMatter Wheel のOEM商品ですが、これまでのインドアウィールとは考え方が違うようです。
 ウィール自体に少し柔らかさがあり、しっかりグリップしつつ伸びもある。というと理想のウィールに聞こえますが、実際アメリカのインドアで履いてみると別次元の快適さです。
 これまでのウィールは、硬くてガッチリとグリップする路面に、硬くてよく転がる石のようなタイヤを打ち込みながら駆け抜けるイメージでしたが、BIGFOOTはムニュッと置いて吸い付きながらスムースに回っていく感触で、何より関節への負担が段違いに小さくなりました。

 そしてそのコンセプトの違いから、日本国内のインドアでも使えるウィールになっています。特に東京ドームローラースケートアリーナの路面に対しては、現在市販されているものの中で一番安定するウィールと言えます。


サポートいただくのはなんたる僥倖!思いがけないあなたから応援していただくのはサポート以上に嬉しいことです。ありがたく!