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ザリガニの部屋

長男ザリガニが生意気にもグランピングに行った。奴など完全なる野宿でも大丈夫だと思うが、まあ遊びに行くために一生懸命働いていたのだから今頃キャッキャキャッキャしていてほしい(男3人)。

その隙に私はクリスマスの隠密行動をはじめた。「プレゼントはサプライズとサプライズのどっちがいい?」と聞いたら、う〜んとしばらく考えて「サプライズ!」と答えたので勝手に奴の部屋を模様替えすることにした。ふつう若いうちは勝手に部屋に入られたり、持ち物をいじられたら嫌だと思うのだが、ザリガニはあまりにもそうじができないので、ちょっと片付けてもらうとラッキーと思うらしく「ありがとう」と礼をいう。おかあさんのイタズラ心でエロ本をジャンル別に分けたりしても「ありがとう」である。そもそもザリガニが生まれた時から「いくつになったらエロ本隠し出すのかな」「やっぱベッドの下かな」などと玉のようなザリガニを抱きながらかんがえていたのだから仕方ない。この母にして子アリクイ、いや子ありきである。

結局ザリガニは小3ぐらいの時に雑木林で雨に打たれ人に踏まれたガッビガビのエロ本を拾ってきた。江ノ島のたこせんの如く圧縮されたエロである。あまりのいじらしさと幼い執念に立っていられないほど笑った。そんなわけでウチはヲタメだけがピュアなのだが、娘っ子とザリガニはかなりくだけている。

ここ数ヶ月ザリガニの部屋は見ていなかった。見るとあまりの汚さにザリガニが嫌いになっちゃうからだ。しかし私はクリスマスプレゼントにソファベッドを勝手に買うことにしたので、2年で壊した初代ベッドとニューベッドを入れ替えねばならない。その周辺だけは片付けねば…とドアを開けたら足の踏み場がなかった。ベッドまでたどりつけない。一体あいつはこの部屋でどうやって寝てるのだ⁉︎さっきまでウツデースって感じだったのにいきなり躁スイッチがガコーン!と入る。私はブルドーザーのようにゴミを片付け始めた。ビン、カン、ペットボトル、ポテチの袋、コンビニ弁当の容器、なんか大事そうな書類などが一緒くたに散りばめられている。
たしか大きなゴミ箱があったはずなのにゴミ箱が見つからない。でもなんか元気がでてしまったので一人でワーワー言いながらがんばった。3割ぐらいは片付いた気がする。

それにしてもなんでこんなにザリガニがお片付けできないかというと、私が教えていないからだ。娘っ子が小さい頃は、私もまだ動ける日が多かったせいか「一緒にお片付け」をした記憶がある。「ゴミを捨てる」「決まった場所にしまう」とかそれぐらいだったが娘っ子は優秀で、いまは潔癖気味ですらある。ザリガニが物心ついた頃には、私は寝たきりの日々が続いていた。
あーしろこーしろと小さいザリガニに言ったとてわかるはずもない。怪獣のように散らかしまくるザリガニのあとを片付けを覚えてしまった娘っ子が悲しそうに片付ける。娘っ子にもザリガニにも申し訳なく思った。

あれから何十年も経つのにザリガニは片付けられない。そして実は私も片付けられない時期が半年以上はある。これは鬱の時。そして年に数回、ピカピカのギンギンなときがある。これは躁がやってきた時で、徹夜で上下左右にクイックルワイパーかけたりしてる。
主治医に聞くと、私の家事のはげしいムラは躁鬱のせいだが、ザリガニの片付けられなさはADHDのグレーゾーンかもね…とのことだった。確かに
忘れ物や無くしものも多いし(いつかは道の真ん中にメガネを落とし、偶然通りかかった私が後からひろったこともあった)鍵なんか100パー失くす。でもグレーなのだとしたらどうすればいいのか。治し方がわからない。いくらグレーを塗りかさねても黒にはならないって今日の紀州のドンファン殺人事件の裁判でも弁護士が言ってたし、何が正解なのかが謎。まあ別に昔はただの「わすれんぼ」「散らかし屋さん」で済まされてたのだろうし、1ミリづつでもマシになっている気はするので温かく見守っていこうと思う。「シンプルに暮らす」ことを実践していくのがいいのだろうな、私も。

ザリガニが帰ってきたらうず高く積まれたビン、カンの仕分けをさせよう。
どこかのスラムにいるかのごときゴミの量である。貯めたらますます億劫になる。貯めていいのはお金だけ!ゴミと贅肉絶対溜めるな!と自分にも言い聞かせたい。

#ゴミ屋敷
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#収納整理
#掃除
#クリスマス

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