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キレイな男の子

少し前から女の子と見まごうようなキレイな男の子をよく見かける。韓流アイドルが流行り出した頃からだろうか。(元)ジャニーズ系はもともと中性っぽさを持つアイドルが多かったが、SMAP、関ジャニあたりまでが男っぽさ、やんちゃっぽさをアピールした最後のように思う。TOKIOの長瀬くん、V6の岡田くんが「漢」化したのは突然変異だ。

最近はもう若い男女タレントの見分けがつかないのだが、おそらくなにわ男子というグループの子たちは臆面もなく「ぶりっこポーズ」をしている。あれは松田聖子らが見出した昭和の発明品であるが、まさか令和の世の中に、まさか男子から喰らうとは思ってもみなかった。好きも嫌いもない。ただ時代という大河をぶりっこポーズの中に見る。

男性が化粧、スキンケアをするのも当たり前、なんならスカート履いてもOK。これにはまったく抵抗がない。祖父母に育てられたため昭和どころか明治の男に近いヲタメは「キモチワルイ」というが、誰かに化粧を強制されたわけでもないし、関係ないのにうるさいなぁと思う。

いまのところ女性が男性化する兆候は見られないが、江戸の昔に男女逆転スタイルが流行した時期があるそうだ。
女性は洗い髪を雑に纏めて素顔、羽織を引っ掛け、素足で草履を突っ掛け…というのが「粋な姐ちゃん」とされた。
言葉遣いも荒っぽく、チャキチャキ働く気の強い女子がモテた。

一方男性は丁髷の髷の部分を出来る限り細くし、それが左右にズレないようにそろり、そろりと歩いた。特に色白で病弱な若旦那あたりの人気がすさまじく、たまに町にでると女子がキャーキャー言いながらついて回ったそうだ。当時は男色も当たり前の世の中だったから、男性は異性、同性両方にアピールしていたのかもしれない。女性のBL好きも、もしかしたら江戸に遡る嗜みなのかも。

いずれにしろ260年続いた江戸の中の
一時代であろうが、平和が続くと人は退屈まぎれにいろんな文化を紡ぐ。そして流行は繰り返し、それは幸せで面白いことである。情勢が不安な時にはデマや都市伝説ばかりが生まれる。本当にヤバくなったら流行もクソもない。

平和ながらも不安定…というのが現在私が感じる日本の体感温度だ。何としてでも平和を続け、退屈まぎれの文化にあーでもない、こーでもないと言っていたい。流行は面白い。それは「時代の気分」であり、人間が巡ったり、進んでいる証だ。

最近、娘っ子の着ている服は全部ヘソが出ている。「寒いのに」などとは言わない。母もヘソを出していた時期があるからだ。90年代半ば、そりゃあヘソを出していた。何なら背中も肩も出していた。「みんな出してるから」などと言うより先に出したいのだ。常に謎の気概を持っていた。

一方、毛深いザリガニは全身の体毛を剃っている。おかげで風呂が詰まる。今の流行を鑑みれば男子も毛深いのはつらかろうとクリスマスに脱毛マシンをプレゼントしたが、元来の不精のせいでロクにマシンを使いこなせず、相変わらず風呂を詰まらせている。流行を気にするなら、ちゃんと乗ってほしいと思う次第だ。

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