猫の遠吠え。
我が家には白猫の「ごはんちゃん」がいるのだが、もう17才になる。以前は兄弟猫でオスの「ポン太」がいたが、2年ほど前にあの世へ行った。
以来ごはんちゃんの甘えというか「慟哭」が酷い。ポン太が亡くなったことがそんなに悲しいのか…と思ったが、むしろ「アタイの天下が来た」とばかりに高いところからいなないているので何かタガが外れたのか?とも思う。もうおばあちゃんだし惚けたのかもしれん。
ポン太は甘々の猫で庭仕事にもついてくるほどベッタリだった。かたやごはんちゃんはクールで気高く、抱っこもたまにしかさせてくれなかった(他の家族には抱かれていた)。それがポン太なきあと「ババアでもいいか」と宗旨替えしたのかやたら私に甘えてくるようになった。
気がつくと枕元にいる。気がつくとコタツの中の私の足にアゴをのせている。かわいい。もともとかわいいが人間で言えば80才という年を経てかわいさを増してくるのはすごい技量だ。
友人のMちゃんは大の愛犬家、愛猫家で、かわいい犬や猫を見かけると「赤ちゃ〜ん💞赤ちゃ〜ん💞」と近づいていく。初めて見た時にはドン引いて「何言ってんの?大丈夫?」とたずねたものだが「だって欧米では愛しいモノ全般ベイビーでしょ?それと一緒」と答えられて、あ、そうなの?と妙に納得してしまった。
それにしてもまさか自分が猫に向かって「赤ちゃ〜ん💞どちたの〜?」と話しかける妖怪的存在になるとは思わなかった。たぶんアレだ。加齢によってあちこちが緩みに緩んできたのだ。ナゾにいななくごはんちゃんと同じなのかも…。とりあえずこんな地獄絵図人に見られてはいけないので、あくまでも秘してばぶばぶしている。
赤ちゃんをあやすとき赤ちゃん言葉を使うと、お母さんの脳にもリラックス効果が生まれる…なんて都合のいい話を聞いたので「お利口しゃんでちゅね〜」「どうしてしょんなにかわいいんでちゅかぁ〜」とやりたい放題だ。ごはんちゃんは「馬鹿か…」という顔でスンとしている。
見た目はツヤツヤのごはんちゃんだが、半年ほど前に急に体重が減ったことがある。ヲタメ(夫)がすぐに気がついて病院に連れて行くと、甲状腺機能が落ちているとのことだった。幸い薬で調子はもどり、またコロコロしているがナゾのいななきは変わらない。いななきたいから、いなないているのだろうか。猫の遠吠えなんてものもあるのだろうか。
今ごはんちゃんは私から少し離れたところでゴロゴロ言っている。触れていないのに、Bluetooth的な感じで気持ち良くなっているのだろうか?
面白いなぁ、猫のシステム。