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つくる展

TASKOファクトリーのひらめきをかたちに「つくる展」に行く。

展示会場の入口には、さっそくなにやら、おもしろいものが。

設計図と思われる「つ」、くるくる回る「る」、
定期的に吹き上がる風とピンポン玉。

平面、立体、うごき、制御。

これらは、TASKOのものづくりの基本らしい。
TASKOとは、なにか。それが、この作品で表現されている。

会場内の作品は、撮影可能。
実際に体験し、体感できる作品も多い。

機械的な制御のもと、不規則な動きをみせる。
そんな作品たちは、狙い通りに設計されているようで、予測できない思わぬ動きを誘発させているのが、とても奇妙で魅力的だった。

鑑賞している側のはずが、作品の一部となっていたりもする。どこから撮影されていたのだろう。

右下の画面に、こっそり私が映る。

私が特に気に入った作品は、ふたつ。

1.札幌ループライン

街に向かうところから始まり、街中を抜けて、また帰っていく。そんな日常の一場面が表現されていて、素敵だった。

光と影がつくる世界
札幌ループラインは、光と影を素材にした作品です。
電車のヘッドライトが、立体的で大きな影絵を描き、車窓からの風景を表現しています。
札幌市内を巡回する市電をテーマにしており、音楽家の岸野雄一氏が監修、メディアアーティストのクワクボリョウタ氏の技術協力により、『第68回さっぽろ雪まつり』『札幌国際芸術祭2017』に出品されました。

光を遮るとできる影は、光源からの距離や、光源の高さにより、大きさが変化します。
光源と物体の距離が遠いと影は小さいですが、近づくにつれて影は大きくなります。

作品の仕組みは、私にはよく理解できていないけれど、とにかく世界観が好きだった。理解できなくても、自分が「これが好き」ってことだけは、分かる!

2.パフューマリー・オルガン

これ、素敵だった!そして、演奏後は、いい匂い!

音と香りが奏でる世界
パフューマリー・オルガンは、香りの音階「香階(こうかい)」をヒントに制作しました。

音階に連動したビンのふたがスライドし、そこに送られた空気が香りと音を同時に放つ、世界でも珍しい香楽器です。
ビンから発せられる空気の振動が音を奏で、その気流により香りが伝わります。

「香階」とは、香りの軽い、重いを、音の高い、低いに見立てて、46の音程それぞれに香りを当てはめた、香りの音階です。
イギリスの化学者セプティマス・ピエースが考案し、1857年に著書『The Art of Perfumery』の中で発表しました。
「音階と香階を組み合わせたら…」という約150年前のピエースのひらめきがかたちになった作品です。

例えば、柑橘系の爽やかな軽いイメージの香りは高音と、そして、動物系の湿っぽい重いイメージの香りは低音と合わされています。

聴覚と嗅覚から情報が入り、音と香りがセットになって記憶に残る感覚は、文字や音に色を感じるなど、無意識に別の感覚が加わる「共感覚」に似ているかもしれません。

私も、鍵盤をひとつ弾いてみる。

ポー!

鍵盤を弾くと、ビンに空気が吹き込まれて、笛の音みたい。

そして、音と共に、ビンに吹き込まれた空気に押し出されて、連動した香りが解放される。

私が弾いたのは、「ド」の音。

「ド」は、CAMPHOR(カンファー)。
樹齢50年以上の楠(クスノキ)の枝や根部から抽出される香り。樟脳(しょうのう)。

こうやって、音と香りが混ざり合うのか。

空間にひろがる香りは、
その曲でしか創られない香り。

曲の印象と似ているのか、
それとも、新たな魅力を発見するのか。

五感で楽しむ音楽。いい香りは、呼吸も深くなって、さらに心地よい。

会場では、30分おきに自動演奏が行われているけれど、自由に鍵盤を弾く事も可能です。

鍵盤を弾ける方に、ぜひ体感してほしい作品です!

こどもも、おとなも、楽しめる展覧会でした!

ひらめきをかたちに!

「TASKO(タスコ)」のHPは、こちら。

おわり

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