あくまでNHKとは受信契約を結ばない。

そういえば何年か前に、NHKを名乗る訪問員と、自宅の玄関口で以下のような会話を交わしたことがあった。

「NHKと受信契約を結んでおられないようなので伺ったのですが」
 ああ、うちはテレビを持ってないんで。
「テレビをお持ちでなくても、カーナビがありますよね?(なぜか車を持ってる前提で話をすすめるNHK)」
 いや、車も持ってないんでカーナビもあるわけないでしょ。
「スマートフォンをお持ちですよね? お持ちのスマートフォンにワンセグ・フルセグの機能が付いていると思いますが、そうなれば受信契約を結ぶ必要があります」
 はっ?(なにいってんだこいつ、アホか)

テレビやカーナビがあることで、受信契約を結ぶ必要があるのはまぁ仕方ないとわかるでしょう。しかし、NHKの論理では、ワンセグ・フルセグに対応するスマートフォンを持ってるだけで受信契約を結ばなければならない、ということらしいのです。
 夜中に一方的に人の家に押しかけておきながら、自分たちのかってな論理をまくしたて、これはさすがに無茶苦茶な暴論だと感じたわたしは、おもわず玄関先で語気つよく怒鳴り返してしまったことがありました。
 当時所有していた端末が、ワンセグやフルセグに対応していたかは定かではありませんが、その後“NHKふれあいセンター”に電話して確認すると、やはり同様の回答が返ってきました。
 周知のように、NHKの受信契約のあり方には日本国内でも反発が根強くあり、たとえば受信契約を結んだ人間だけが視聴できるスクランブル方式を採用したらどうか? といった至極まっとうな正論もきかれます。
 そうしたことをNHKの人間に話したのですが、まったく話が通じず、「国民の理解を求める」の一点張りだったと思いました。バカの一つ覚えというのか。自分たちを“NHKふれあいセンター”と呼称していながら、きちんと国民の声を聴き対話しようという姿勢が一切ないことがちょっと驚きでしたね。

ことわっておくが、NHKの番組、とくにドキュメンタリー番組は高く評価しています。たとえば、クローズアップ現代とかNHKスペシャルとか。近年は「NHKオンデマンド」に加入して、ネットで視聴していたこともあるくらいです。しかし、NHKの国民を無視した強引な徴収方法は、どう考えても気に入らない
 放送法では「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」などと歌っているわりには、自分たちの民度はよほど低いのか、民主的な受信契約のあり方を考えようとすらしない集団のように思えますね。自分たちの存在が日本の民主主義にとって不可欠だと思っているのであれば、NHKの役員も国民の選挙によって投票で選んだらどうなのだろうか?
 NHKに対して不満を感じる国民は多く、なかには裁判に持ち込む人もいるようですが、軒並み敗訴しているようです。わかっていることは、日本の裁判所は権力や体制側に対してあまく、NHKに対しても有利な判決を下す、というところでしょう。
 NHKが民事裁判まで起こして受信契約を結ばせる確率はかなり低いと思われるが、もし裁判になっても過去の判例から残念ながら勝ち目はまずないようです。ひどいケースでは、NHKが相手に無断でかってに受信契約を作成した例があったものの、それでもNHKに有利な判決が出ているそうです。まして、すでに受信契約を結んでいる人は、当然受信料を払うしかないでしょう。

わたし自身は、NHKとは話しても通じない相手とすでに分かっているし、玄関先で訪れてもシカトを決め込む方針で臨んでいる。郵便ポストに、受信契約を求めるハガキが投函されていたこともあったが、もちろん破棄しています。
 世間でいうところのミニマリストとでもいうのか、テレビもカーナビも所有せず、もちろん視聴もせず、かたやスマホのワンセグやフルセグの機能なんか使ったこともない。このように、納得がいかないまま契約を結んで、余計なお金を払う気は一切ない。そう思います。