介護施設、内服薬を減らせないのか?
数週間前に読んだ記事に、「高齢者の内服はできる限り一回にまとめるべき」であり、職員の多い昼間に内服するのがいい、という日本老年薬学会の提言があった。
またよく言われていることだが、多剤服用はリスクが大きい、とされている。最近は、クスリと書いてリスクと読む、なんてダジャレを口にする医師もいた。
わたしもまったく同じ意見で、処方されている内服薬の種類も量も多すぎるし、内服介助は現場の介護職にとって負担が大きいのである。
しかも、起床〜朝食後の猛烈に忙しい時間帯に、内服薬がもっともたくさん処方されている現状がある。それを飲ませるのも一苦労だが、こっちは飲み込みやすいようにペンチで錠剤を砕いてそれをゼリーに混ぜ合わせたり、内服拒否があったりして時間をおいてから何回もトライしたり、そういう余計な手間や負担があるわけで、かんたんにはいかないから問題なのである。
また、内服介助という医療と健康管理に関わることは、本来医療従事者(看護師など)がやるべきだと思う。それを、現場にいる介護職が肩代わりしてやってやってる、という認識をわたしは持っている。
わたしは以前、患者を薬漬けにする現代医療をきらって看護師を辞めたことがあった。自分が不必要で無駄だと感じている薬の数々を、いまでは医療従事者でもないのに高齢者に飲ませなきゃならないことに対して、どこか腹立たしさを感じている。
現場で働く介護職は、なんでもかんでも仕事を押し付けられやすい面があるようである。そういったことも、不満がたまり、それが積もり積もって、最終的には離職していく要因になっていると思う。