ポスト・モダンタイムス

異動希望の書類を提出しなければならなかった。
同期は嬉々として「どの部署に異動したいか」「誰それがどこそこに配属されるのでは」などと話している。
興味ありげな受け答えをしつつ、内心話半分で聞き流す。
ロクでもない癖がついてしまったものだ。

私はといえば、異動希望書に羅列されたいくつかの質問に対して、しばらく思案してみたものの全く考えが浮かばず、なんとか取り繕って打ち込んでみた文字も、自分が思う以上に紙面に馴染んでおらず、それはさながら風の前の塵に同じであった。

自分の思いが沸き上がらない上に、おあつらえ向きの文章を拵えなければならないことに対するフラストレーションは相当なものだった。

恐らく、私にとって、与えられた何かを黙々とこなすということは苦手なことで、その意義が理解できないときには苦痛に変わり、その意義が納得いかないものだと反抗さえもすることになるのかと思う。

今の仕事や組織に対して、まだほとんど理解できていないし、自分の中で納得がつけられないために、それらの持つ理論に対して恭順の意を示すことができてない現状である。

そんな私自身に問う。
社会の良質な歯車となって労働力を提供できないのなら、なぜこの組織の一員となっている?


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