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仙台89ers:2024-25シーズン 第100回天皇杯バスケ2次ラウンド(9/21〜23 1回戦 vs 神戸、2回戦 vs 立川、3回戦 vs 千葉J at 広島グリーンアリーナ(広島県立総合体育館):You Tube配信観戦)雑感


天皇杯2次ラウンド1回戦のプレビューはこちら。

◯1回戦:vs神戸(9/21 14:00 TO)仙台79神戸61

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序盤は互いにあまりゴールがないロースコアな立ち上がりで5分ほど経過。5分のところで待望の青木がコートインすると、仙台はフェリシオのオフェンスディフェンス両面でのリバウンドを中心にインサイドでアドバンテージを取り出す。注目の「ネイサン」マッチアップも実現し、1Qではまずは仙台の「ネイサン」ブースが3Pをヒット。神戸のシュートタッチの今一つさにも助けられる形で22-11と11点のリードで1Qが終了。

2Q早々神戸の「ネイサン」エイドリアンがFTをゲットすると、神戸がブラウンジュニアの優れた個のスキルを中心に反撃開始、仙台がシュートを決め切れない間にリードを詰めてくる。一時は5点差まで詰められるが、神戸の外角シュートがやはり今一つで、ディフェンスで我慢していくと、インサイドでのフェリシオやヤンの高さのアドバンテージでゴールを積み上げると、神戸にさらなる追撃は許さない。昨季のゲルン同様、フェリシオがオフェンスリバウンドをしっかりつかんでくれるのは本当に助かる。

前半はそのまま40-27とリードを保って終了するが、仙台のほうもイージーなターンオーバーが多いのは気になるところ。また、落合HCの育成的な思惑があったか、タリキ、石橋といった若手のミニッツが多めな感じで、タリキは攻守に持ち味は見せていたものの、石橋のシュートタッチが上がってこないのは少し歯がゆい感じ。とはいえ、実戦でシュートを放っていかないと感覚ももどってこないだろうから臆せずどんどん打っていってほしい。

3Qになり仙台のディフェンスのギアが少し上がると神戸に思うように得点をさせない時間が続く。一方の仙台は前半のようなイージーなターンオーバーも減って、キッドの個人技、前半から続くフェリシオとヤンのインサイドでの奮闘でゴールを重ねてじわじわとリードを広げていくと残り2分でリードは21点に。その後も手を緩めず攻め続けると、あまりお目にかかれないブースのダンクなども飛び出し3Qは29得点を稼ぎだして69-41と大きくリードを広げた。得点パターンも外、中とバランスよく取れているのはいい感じ。

リードが28点もあればほぼほぼセーフティではあるが、しっかりゲームをクロージングしてほしいところ。残り6分のところからは青木、タリキ、石橋をフロントコートにおく布陣を引く。タリキ、石橋に実戦の場を積ませ、青木にはGame感覚を回復させようという思惑があっただろうか。しかしここから仙台の得点が止まってしまい、Game終盤にタッチが戻ってきた神戸の外角シュートでリードが少し溶け始めてしまう。得点が止まったとはいってもしっかり形を作ってアタックしたところでリングに嫌われるシーンも多数あったので責めるようなことでもないだろう。3Q時点でほぼ勝負ありの状況でクロージングに入ったとはいえ、4Qでわずか10得点は少し寂しい気はするが、最終的には79-61と快勝で第2ラウンド1回戦を突破。

・気になった選手:石橋

B2熊本時代はシューターとして活躍を見せていた石橋も、やはり「B1でプレイする」ことに対してのアジャストがまだまだしきれていない感がありました。今回の相手はB2と言えどもB1昇格を狙うクラブですし、仙台でともにプレイする選手はB1でのプレイ経験も豊富な選手ばかりという中で、自分の持ち味をどこまで引き出せるか、課題は尽きなさそうです。とはいえ、石橋には臆することなく愚直に得意の3Pを放り続けていってほしい。そして一皮も二皮も向けていけば、自分自身のみならず、チームの総合力もより向上していくことでしょう。

◯立川ダイス

もともとは3×3の活動から始まったクラブで、5人制の創設は2021年、2022-23シーズンからB3へ参加の歴史の若いクラブ。5人制チームを立ち上げて後は長崎やA千葉、福井などの資金力に長けたクラブのようにB3参入即優勝争いをするというわけではありませんでしたが、東京都でも立川市を中心に、地元に根差した活動を続けている模様。HCは仙台で指揮を執ったこともある間橋氏が今季3季目に突入。昨季までは仙台でプレイしていたこともある坂井耀平が所属していましたが、昨季限りで選手生活を引退しています。

◯2回戦:vs立川(9/22 11:00 TO)仙台87立川73

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Gameは入りよくいいディフェンスから立川のターンオーバーを誘うなどで7‐0のラン。1回戦に引き続き、高さで分がある仙台はインサイドからよく攻められている。立川は外角シュートがよく決まり、仙台がリードを作れそうで意外に差をつけられない。なかなか突き放せずにいるとブルーナーにブザービート3Pをねじ込まれてしまい、1Qは27-25とリードはわずかに2点となってしまう。また27点を取ったはいいがフロントコート陣が1on1で振り切られる場面が多いのは気になるし、25失点ではやはり少し多いあたり、1Qの立ち上がりはまだちょっと不安定。

2Q序盤は双方あまり得点が動かないものの仙台が強度の高いディフェンスで立川に思うようにシュートを決めさせないうちにキッド、ブースとシュートを決めるべき選手がスコアリングしだすとリードをあっという間に2桁差とする。ブースが3Pの名手であるのは周知だが、キッドも3Pの精度が高いのはやはり心強い。今季スコアリングという面ではやはりこの2人が中心となっていくのだろう。2Qは26-16と大きくリードをとって前半は53-41と12点差で終了。

後半に入っても仙台のシュート精度は今一つなところがあって、お互いにスコアリングをしては仙台のリードはあまり変わらない。そんな中で渡辺がクイックネスを活かしたペネトレイトで連続ゴールを決めたところからペースを取り戻し始め、石橋も待望の3Pをヒットさせてじわじわとリードを広げ始める。またフェリシオが相変わらずの存在感でインサイドを支配するとさらにリードを広げて一時は20点差。その後ターンオーバーなどから立川の連続得点を許し74-57とする。しっかりリードを広げているのはいいのだが、やはりもう少しターンオーバーは減らしたい。

今Gameも1回戦同様大きくリードをしての4Q突入。仙台は開始から3分ほど無得点も、立川の得点も3点に抑えるディフェンスはできているので、ひっくり返されそうな雰囲気にもならず。4Q中盤には優位にあるインサイドでフェリシオが連続ゴールを決めるとリードは20点、いよいよセーフティリードで残り6分。3回戦進出も見えてきたところではあまり無理をすることもないので何とも言えないがここからは仙台のオフェンスのペースはトーンダウンし、立川も食い下がるが危なげなく逃げ切って87-73でタイムアップ。1回戦に続きコントロールするだけの4Qではあったが、今Gameでも13点にとどまったのは寂しい、と言ってしまっては贅沢というものだろうか。

・気になった選手:フィッツジェラルド(立川)

B2時代には愛媛や奈良、FE名古屋などに所属するスコアラーとして幾度も対戦経験のある選手ですが、日本が相当気に入ったようですねwこうしてまだまだスコアラーとして活躍している姿は応援しているチームに所属している選手ではなくともなんとなく嬉しくもあったりします。この先も息長く日本でプレイしていってほしいですね。

◯千葉ジェッツふなばし

昨季リーグ戦では2勝2敗、B1初年度、2022-23シーズンに引き続きAwayの地で勝利を挙げるなどリーグを代表する強豪でありながら仙台にとってはいささか相性のいい相手と言えるかもしれません。

今季は元NBA選手の渡邊が加入とプレシーズンの大きな話題をさらったり、HC就任をめぐるごたごたがあったものの日本国籍の元NBA選手渡邊と日本代表PGの富樫などがいるラインアップはやはり豪華。選手後世においては隙が無い感じです。昨季は千葉Jとしてはやや不本意だっただろうレギュラーシーズンだったやに思いますが、今季は新アリーナも完成し、充実した選手層のもとこの天皇杯とリーグ戦の2冠を狙う構えなことは間違いありません。そんな千葉Jに対して仙台は今季はどんな闘いができるのか、今季の物差しとなりそうなGameになりそうです。

◯3回戦:vs千葉J(9/23 14:00 TO)仙台62千葉J86

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Gameスタート直後にいきなり千葉J渡邊が3Pをヒット。このあとも仙台がターンオーバー多めなところをついて千葉Jがするするとリードを広げる。このまま走られるかと思ったところで仙台はフェリシオを中心としたインサイドで踏ん張って食らいつく展開が続いて1Qは22-23とほぼ互角の形で終了。しかし2回戦であまりよくなかった千葉Jの3Pが結構確率良く決まっているのは注意が必要そう。

2Qも序盤は一進一退の展開が続くが、仙台のほうがややシュート精度を欠く中、千葉Jはスミス、ムーニーなど1Qで危惧したように3Pがよく決まりだす。仙台はやはり1回戦2回戦とは勝手が異なるディフェンスの圧もあるのか、シュートがリムに嫌われるシーンが続くと、千葉Jはしっかりしたボールムーブと高いシュート精度で着々と加点していくビハインドをあっという間に広げられてしまう。仙台は3Pの期待度が高い石橋がいい感じでシュートを放れているので、あとは決めるだけなのだが・・・。石橋のみならずどうにもシュートタッチが上がらない中なんとかGameの中で立て直したいところも千葉Jの多彩な攻めに翻弄されては2Q終了間際には富樫にブザービート3Pまでねじこまれては28失点、一方得点はわずか12点でとどまってしまい、ビハインドを17点と大きく広げられてしまった。

後半に向けてはシュートが今一つなのであればしっかりとしたディフェンスからリズムを取り戻したいところ、落合HCはどこまで修正できるだろうか。

後半に入っても千葉Jは仙台がインサイドにディフェンスが寄るとアウトサイド、千葉Jのアウトサイドを警戒するとインサイドからと完全に仙台ディフェンスを手玉に取ってシュートを決めていき、ビハインドは一時26点にまで開いてしまう。たまらずベンチが後半1回目のTOを取るとディフェンスも少し落ち着きを取り戻し、少しずつ千葉Jのオフェンスを止めだしてくるとビハインドを少し縮めることはできたが3Q終了時でビハインドは20点のまま。このQ失点を15点には抑えたものの、得点が12点ではやはり厳しい。スコアリングを担ってほしいブースのシュートタッチがあまり良くないのも影響ありそう。

ここまで1回戦2回戦とは真逆の大きくリードを許しての4Qとなってしまい、勝負あった感がないでもないが、なんとか一矢報いる闘いをしてほしいところも仙台のシュートタッチの悪さはどうにも改善できない。途中でフェリシオが腕を痛めるアクシデントもおこるなど弱り目に祟り目の展開に。フェリシオは大禍なければいいのだが・・・。そんな中でもキッドがこのQ2本の3Pを沈めて一人気を吐くのが精いっぱい、62-86と結構な得点差となる完敗となった。やはり3Pがキッドの3本のみのチームで3/20、2PFG%も40%強という精度の悪さと要所でのターンオーバーが他のスタッツ的にはあまり遜色がなかった分きつかった。

・気になった選手:特になし

◯最後に

1回戦2回戦ではそれぞれB2、B3クラブに対してまずまず余裕を感じさせる勝利でB1クラブが板についてきたかな、というところを見せたものの、3回戦で強豪千葉Jと対戦してみると圧の高いB1のディフェンスに最後までリズムをつかめないでしまったように思います。リーグ戦開幕までにリズムの良くない時間をいかに短く抑えるか、選手間のケミストリーの向上ともども改善させていきたいところですが、千葉J戦で腕を痛めたフェリシオの状況次第では開幕から苦しい時期が続く可能性もあるかもしれません。それとキッド、フェリシオといった確かな力を備えた外国籍選手以外新加入選手がまだまだ持ち味を出し切れていない感じもあって、彼らの仕上がりも速く向上させないといけないでしょう。

10/3には今季のオープニングマッチの群馬vs広島が開催されいよいよBリーグの2024-25シーズンが始まります。仙台初戦の相手はこの天皇杯2次ラウンド2回戦で高い3P精度でもって千葉Jを最後まで苦しめた横浜BCと。NBA挑戦の河村が抜けてどうなるのかと思った横浜BCですが、リーグ戦開幕に向けてしっかり仕上がっていそうでかなり手強い相手と言えましょう。とはいえCS進出以上を狙っていくにはHome Gameは負けてはいられません。選手の半数が変わったところでケミストリーが高まるまでもう少し時間がかかりそうな気がしないでもないですが、「Grind!」という仙台のカルチャーを胸に、我々もカメイアリーナ全体を黄色に染めるダイキエンで開幕節の勝利を掴みに行きましょう!

それではまた。

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