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仙台89ers:2024-25シーズン 第8節(11/9,10 Away Game vs 大阪 at おおきにアリーナ舞洲 雑感

第8節のプレビューはこちら。


◯試合前トピック

特にありません。

◯Game1(11/9 14:05)仙台68FE大阪87

・雑感

Game1のエントリーメンバー、スターターは以下の通り。

Gameの入りはまずまず、のっけから鈴木に3Pは決められて嫌な感じがしたものの、ブースや青木の連続得点で仙台が先手を取る。しかし早速TOを取った大阪が少しディフェンスの強度を高めてくるとやや攻めあぐねはじめ、大阪はエースボンズにボールを集めて連続得点で追撃。ボンズのアタックはなんとか抑えていきたいところ。仙台の得点が止まっているうちに大阪はボンズやルーサーの得点で逆転。その後は互いに得点を重ねるが、19-22と大阪に一歩ビハインドを許して1Qが終了。第6節FE名古屋戦も1Qはそこまで悪くなかったのに2Q以降のオフェンスの拙さから崩れていったり、前節北海道戦でも後半に失速してしまったところがあったので、今節はどこまで修正できているか。

2QはそれぞれのHCが率いるチームらしくディフェンシブな展開。あいかわらずのFT成功率の悪さは気になるものの、前節あまり見られなかった渡辺のP&Rからのアタックが目立つのは改善してきたところか。しかし、次第に仙台のシュート決定率が悪くなり、半澤の不用意なパスがボンズにスティールをされてイージーバスケットを食らったりなどもあるとOTO時点でビハインドは10点、前節を彷彿とさせるような嫌な雰囲気。

OTO後は仙台がディフェンス強度を上げて少しずつ巻き返し。ここまでボンズのアタックには手を焼いているものの、大阪へ移籍してミニッツを増やすと同時に得点も伸びているパークスJrを止められているのはいい感じ。一方オフェンスのほうは1Qで少しミニッツが少なめだったキッドがお目覚め、2Q終盤で今Game3本目の3Pを沈めてみせスコアを40-40のタイに持ち込み前半が終了。FE名古屋戦では2Qで自らリズムを崩してそのままずるずると修正できずに最後までいってしまったところからすると、一時2桁ビハインドを背負ったにもかかわらずカムバックしてきたメンタリティは立派。この流れで後半も勝利目指して立ち向かってほしい。

後半も守りあいの様相が継続の我慢の展開。仙台は前半に引き続き渡辺のアタックが効果的なのはいい感じ。ボンズのアタックに手を焼きながらも何とか我慢を続けていたが、3Q終盤になると少し焦れてしまったかオフェンスでシュートミス、バイオレーションを連発してしまい得点が伸びない。一方大阪のほうは外国籍選手にディフェンス意識を惹きつけた隙をついて土家、木下などの連続得点をポンポンと重ねていくとあっという間にビハインドが2桁に開いてしまい、53-65で3Qが終了。前半はそこまで内容の悪さは感じないものの、藤田HCの作り上げてくるチームのディフェンス強度はさすがだし、仙台のディフェンスのずれを的確についてくる大阪がお見事というところ。

4Qで巻き返したいところだったが大阪のディフェンス強度も変わらず、なかなかビハインドは縮まらない。大阪が早い段階でチームファウルがかさむものの、ボーナススローの確率が低いのはもったいない、というかFTの精度の悪さはいまだ治らず。3Q終盤大阪に傾いたモメンタムは断ち切れず、タフな状況でシュートを放らされる仙台に対して、仙台ディフェンスのずれを生みだし着々と得点を重ねていく大阪という構図になっていき、気づけばOTO時点でビハインドは20点近くと少し厳しい点差になってしまった。OTO後も仙台が大きなランを作るような見せ場はなく、お互いに点を取りあう形が続いてそのままGame終了、連敗脱出ならず。

前々節の不甲斐ない内容での連敗と前節の悔しい逆転負けを喫したところからするとメンタル的にはだいぶ持ち直してきたかな、という内容ではあったが、結局のところは前節同様、課題の後半の息切れを起こしてしまい突き放される形となってしまった。

しかしオフェンスではP&Rのあたりを少し整理してきたか、渡辺のアタックがよく聞いていたのは前節とは少し改善してきたところとは言えそう。渡辺の持ち味を生かせる戦術は大事にしていきたい。

・気になった選手

多嶋:昨季所属の古巣を相手に2得点5アシストのベテランらしいいぶし銀の活躍。スタッツに現れない部分でも、少し浮足立ったコート上のメンバーを落ち着かせられるボールハンドリングもさすが。息長く活躍できている理由が垣間見れた気がします。

◯Game2(11/10 14:05 TO)仙台96大阪88

・雑感

Game2のエントリーメンバーとスターターは以下の通り。

前々節の低調ぶりや前節は後半の失速からの悔しい逆転負けを喫したところからするとだいぶメンタル的にも戦術的にもカムバックしてきたようには思うが、後半の息切れは修正しきれなかったのは少し残念。大阪の警戒すべきボンズ、パークスJrという2枚看板に対して、パークスJrには対応できていたものの、ボンズには結構気持ちよくプレイさせてしまったところをGame2でどこまで修正できるか。あと課題の後半の息切れ問題も一朝一夕には改善できるものでもなさそうだが、前半でモメンタムを掴んだところで後半途切れさせない粘り強さ、そう「Grind!」の精神が求められるところ。

立ち上がりは仙台大阪双方のガード陣が持ち味を見せて得点しあう展開。しかしGame1では抑え込んでいたパークスJrに速い時間で3Pを決められたあたりで気持ち的に乗ってきそうなのは要注意。しばらく競った展開だったところも大阪の連続得点で8-15とされたところで仙台ベンチはTOで建て直しを図る。しかし大阪の相変わらずのディフェンス強度を前に、シュートミスやターンオーバーからの大阪に連続得点を決められるとビハインドは13点となり嫌な感じが漂う。しかしここで大阪に傾いたモメンタムを少し引き戻したのは石橋。最初のシュートアテンプトのキャッチ&シュートで3Pを決め切ってみせると、次のポゼッションではその残像が残っていたのか、大阪ディフェンスをフェイクで交わしてインサイドからレイアップを決めるなど連続得点でビハインドを縮めることに成功。2桁ビハインドとされてこのままずるずると行くかと思った展開から、この石橋の活躍もあって、1Q終了時は22-30と30点はちょっと取られすぎだがビハインドを1桁差で踏ん張ることができた。

ややハイスコアペースな1Qとなったが、それはさすがに仙台のペースではないので、もう少しディフェンスを締めていきたいところだったものの、Game1同様仙台ディフェンスのズレを巧みについてくる大阪の得点を止められず、ビハインドもなかなか縮まらない。しかしディフェンスでしっかり我慢していくと、大阪のターンオーバーも誘えるようになりじわじわと追い上げを図り、渡辺とブースの2メンゲームが決まってビハインドを4点に縮めたところで大阪ベンチがOTOを待たずにたまらずTO。Game1から見せていた渡辺のインサイドへのアタックが実に効いている。

その後も大阪が2ポゼッション差をキープする展開が続くが、今Gameシュートタッチが良さげなキッドがしぶとくゴールをきめたところでついに仙台がスコアをタイにもちこむ。シュートタッチのいい時のキッドはやはり心強い。その後もいいパス回しから片岡がしてやったりのコーナー3Pを決めてみせていったん逆転はしたものの、大阪も今GameはシュートタッチのいいパークスJrに3Pを決め返されるなどリードチェンジが目まぐるしくなってくる。そんな中で仙台大阪両HCがベンチテクニカルを取られるという珍事もありながら、52-53と再び大阪にわずか1点ではあるがビハインドを許して前半が終了。2Qは仙台が30得点。

前半で最少得点差というGame1とほぼ変わらない展開ながらもよりハイスコア気味な展開。点の取り合いなるのは仙台のペースとは言いにくいのだが、今Gameは後半このまま息切れせずに行けるかどうかというところだろう。

後半に入ると仙台が少しディフェンスを修正。前半で20得点を許したパークスJrへのマークを厳しめにしていくと、大阪の得点を阻んでいく。オフェンスでも変わらぬ縦の意識からフェリシオへの合わせが良く決まってするするとリードを広げることに成功。8点リードとしたところで大阪ベンチは早くもタイムアウトを取得し、後半修正してきた仙台に対して修正を図りたい構えか。

大阪はボンズにGame1ほどのあたりがなくパークスJrの勢いが止められたことで、ルーサーに託し始める。こうしたオプションの多さはさすがというところ。仙台のディフェンスは変わらず強度高くいけているものの少しファウルがかさんで、大阪にボーナススローを与えてしまう場面も多いが、大阪のFT精度が今一つなのも助かっている。

仙台が10点前後のリードの展開が続くが、ここでさらに仙台側にさらにモメンタムを引き寄せたのは前半に悪い流れを断ち切った石橋。3Pとペリメータージャンパーを連続を決めてみせリードをさらに広げる大活躍で、もともと持ち合わせていたシューターとしての才能がB1でもようやく開花の兆し。仙台はディフェンスの強度も衰えず、大阪の得点を10点に抑えてみせると14点のリードで3Qが終了。

ここまで14点のリードはとったものの、今季の仙台は4Qにそれまでのリードを溶かしきって逆転負け、あるいは辛くも逃げ切っての勝利というパターンが非常に多い。今Gameではその課題を克服して連敗をストップできるかどうか。

4Qも仙台ペースは継続。後半に修正してきたディフェンスがよく聞いて大阪にオフェンスのリズムを生ませずいなしていき一時最大リードは17点にひろげる。しかし、ルーサーへ激しいディフェンスに行ったキッドがファウル判定に異を唱えてテクニカルファウルを取られたところからモメンタムは少し大阪へ傾いてしまう。ターンオーバーからルーサーに3Pを決められてしまうとリードは7点。またリードを溶かしきるいつもの展開の兆し・・・?と思ったところで青木が値千金のディープ3Pを決め切りリードを2桁差まで戻したあたりはいつもと違う展開。その後もその青木がFT、ペネトレイトと連続得点を決めてみせるとリードを14点に戻してOTO。

ここまでくればこのリードを溶かすことなく勝利を手にしたいところだったが、攻守にチームを引っ張ってきた青木が接触プレイで痛むアクシデント。肩のあたりをやらかした模様だが、今後に影響がなければいいのだが・・・。

大阪は今Game好調のルーサーにボールを集めると期待に応える3Pやインサイドでのゴールで仙台に追いすがるが、大阪が追撃しようとするタイミングでファウルトラブルの大阪からファウルドローンからのボーナススローを引き出して大阪にモメンタムを渡さない。仙台は相手のチームファウルが4つを超えていてもそこをなかなかついていかないことが多いところからすれば、今Gameはしっかり利用できているのはいい感じ。いつもそのぐらい小狡いプレイをしてもいいぐらいw

残り2分を過ぎたクラッチタイムでリードは11点、4ポゼッション差。しっかり落ち着いて時間を使っていくと、大阪に最後にポンポンとゴールを重ねられたもののリードを溶かしきることなく、嬉しいAwayでの勝利で連敗をストップした。

・気になった選手

石橋:今Gameでは前半には大阪に傾きかけたモメンタムをグッと引き寄せ、後半ではダメを押すような連続得点で勝利に大きく貢献。今GameのFG%は4/4の100%で10得点、素晴らしい。もともと熊本時代に見せていた3Pシュートの能力を乞われて今季仙台に加入したと思われますが、ようやくB1の強度にも慣れてきたようで、今後も非常に楽しみ。こうした若い力がどんどん活躍するようになれば仙台もさらに上の段階へとステップアップできるでしょう。

◯最後に

代表選を控えたバイウィーク前に何とか勝利を飾ることができたのは何より。Game2では後半もしっかりディフェンス強度を保ち、自分たちのやりたいことをやれたうえでの勝利だったとはいえ、Game1では逆に後半に大阪のやりたいことをやられっぱなしの今季何度も見られた後半息切れするという展開で敗れたのはしっかり反省していきたいところ。まだまだ発展途上のチームという感は否めませんが、今節のGame2のような闘いを今後増やしていければな、というところです。

では今節終了時点の主要チームスタッツを眺めてみましょう。

PPG:73.0→74.3
OPP・PPG:77.8→79.2
FG%:40.1%→41.0%
2FG%:46.1%→46.8%
3FG%:31.1%→32.1%
eFG%:46.3%→47.3%
APG:18.3→18.6
RPG:41.0→40.6
TOPG:13.9→13.5
OFFRTG:98.9→100.8
DEFRTG:105.5→107.5

Game2がハイスコアGameになったことで、スタッツ全般が上昇気味。Game2ではFG%が2P、3Pとも高く、特に3Pは50%の高確率。しかし3PM/Aが9/18とこれまでのGameからすると決定本数はあまり変わらないもののアテンプト数が今季最小。一方2PFG%も60%近くまで到達していたため、3Pを多投するこれまでの戦術を少し変えたともいえるかもしれません。これについてはハーフタイムに選手たち自身が檄をかけあったという落合HCのコメントもあって、選手たちのコンセンサスと共通認識の元での戦術修正だったこともうかがえます。

Game2でオフェンスの修正にフォーカスしたせいかどうかはわかりませんが、失点数は2Gameともほぼ変わらず。オフェンスを強みにもつ大阪相手に点の取り合いでは分が悪いだろうという戦前の予想はGame1については的中したし、Game2については覆された形です。

地区割的に今節しかない大阪戦において、前任が仙台だった藤田HC率いる大阪に勝てたことは大きいし、代表活動に伴うバイウィーク直前のGameで勝てたのも、バイウィーク後の巻き返しへの期待も考えると良かったと言えましょう。ただ、連敗からの勝利にホッとはしたものの、今節の勝利をもって今季のチームが抱える課題が解決できたと考えるのは時期尚早。身も蓋もない話をすれば、Game2のスタッツ的には「たまたま上振れしただけ」かもしれない、というのは頭に入れておく必要はあるでしょう。願わくば今後はオフェンスについてはGame2のようなスタッツを標準としていきたいところではありますが。

次節は代表戦に伴う2週間のバイウィーク後にHomeで群馬と対戦。群馬はB2からしのぎを削りあってきた好敵手でありやるからには負けたくない相手。そして仙台同様B-PREMIREへの参入が決まっています。昨シーズン群馬との対戦はHomeで1勝、Awayで1勝で2勝2敗の互角の戦績。選手の個の力では群馬のほうがやや上かもしれませんが、そこは「Grind!」の精神でもってチームトータルの力で闘いHomeで連勝してやりましょう!

それではまた。

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