仙台89ers:2024-25シーズン 第3節(10/19、20 Home Game vs 宇都宮 at カメイアリーナ仙台(仙台市体育館))プレビュー
◯これまでの仙台
第2節のレビューはこちら。
今季も昨季同様開幕から4連敗という厳しいスタートを喫してしまいました。つくづく第1節の横浜BCで勝てたGameを落としてしまったのはやはりもったいなかったし、第2節は力量的に上回る島根を相手に食い下がりはしたものの、いまだどこかあいまいで不安定なオフェンススタイルと得点力不足により点差以上の力負けとなったあたり、チーム力をもっと上げていくことが望まれます。
今のところ得点パターンがキッドのアイソレーションが大半で、キッドがある程度自由にオフェンスをしているところもあってか、ブースがスランプに陥っているような状況で、昨季の得点力がすっかり失われてしまっているのはとても気になります。また攻守に期待をされていた星野、半澤という上背もあるウイング2人がコンディション不良でDNPの状況が続いているのも少しつらい状況。一方、前節のGame2では昨季終盤に自らスコアリングも積極的に行うようになっていた青木が調子を取り戻してきていたり、渡辺も要所での3Pの決定率が向上していたり、タリキが毎Game素晴らしいディフェンスを披露しチームにモメンタムを呼び込む活躍を見せているというポジティブな状況もありますので、今後さらにポジティブな要素を増やしていきたいですね。
◯宇都宮ブレックス
言わずと知れた、B1でも強豪と目されるクラブの一つ。昨季はレギュラーシーズンを51勝9敗という圧倒的な成績で東地区優勝かつCSシード1位を確保し、シーズン優勝もそのまま成し遂げるかと思ったところ、CS1回戦で千葉Jに手痛いアップセットを食らうという悔しい結果となってしまっています。
仙台とは昨季はHomeで1Game、Awayで3Gameを対戦。しかし唯一のHome Gameでは宇都宮の3Pのシュート練習でもされているかのような筆舌に尽くしがたいほどの惨敗を喫してしまいましたが、その後のAwayでの対戦でも3敗はしてしまうものの、対戦するたびに点差が縮まり、4戦目ではあと一歩のところまで詰め寄ったあたりは仙台のチームと選手たちの成長を感じたものでした。
宇都宮は昨季のメンバーからは若手の四家が越谷へ移籍したのみで、他は全て今季も継続。四家が移籍したところも昨季練習生参加していた石川がU22枠でプロ登録となっています。選手のほかには佐々HCが退任して琉球へ移籍し、今季のHCは昨季アソシエイトコーチを務めたブラスウェル氏が昇格。
昨季とほぼ同じメンバーとして今季も闘うわけですが、昨季は選手たちの高齢化の懸念がささやかれる中でのあれほどの成績だったので、そこは宇都宮にとっては些末なことでしょう。その中心となるのは昨季のMVPニュービル、日本代表エースの比江島。他の日本人選手では田伏、竹内、進藤、渡邊、鵤といった酸いも甘いもよく知るベテラン勢に成長著しい高島、小川の若手が脇を固め、外国籍・帰化枠ではニュージーランド代表のフォトゥ、内外起用にこなすジャレット、エドワーズがインサイドを支配する、書いているだけでもそうそうたるメンバーで、高いケミストリーと攻守における共通認識で今季も優勝をめざすにあたって盤石の体制といっても差し支えないでしょう。
◯今節の展望
宇都宮は上記のように今季の優勝に向けて盤石かに思われましたが、開幕戦では昨季CSで土をつけられた因縁の相手千葉Jと対戦し、宇都宮と同等かそれ以上のタレントを擁する千葉Jに手痛い連敗を喫してしまったものの、前節ではB1復帰の滋賀からきっちり2連勝、昨季圧倒した仙台からもしっかり連勝して勝ち星を伸ばしたい構えでしょう。
翻って仙台のほうはオフェンス面がまだまだ不安定。特にブースが相手ディフェンスの徹底マークにさらされるシーンが目立ち、シュートアテンプトすらあまりさせてもらえなくなっているところで自身も不調のダブルパンチで得点源の一つが機能不全となっているのはとても気になるし不安要素になってしまっています。また昨季のウィークの一つであった高さを確保すべく獲得した星野、半澤のウィンガーが負傷等のためにコンディション不良でDNPが続いていてロースター10人での闘いを余儀なくされているのも序盤から厳しい状況が続く要因となっています。
オフェンスと比べるとディフェンスの方はよく我慢のきいたディフェンスを遂行できているのですが、平均失点が76.3の割にはDEGRTGが107.1とやや高め。シーズンをまだ4Gameこなしたばかりなのでこの先しばらくはスタッツの数字も大きく変動してくるものとは思いますが、DEFRTGについては105以下にはしていきたいところ。ディフェンス面で気になるのは、フェリシオ、ブースといった外国籍選手が外につり出されてしまったときのリバウンド。島根のように3BIGを敷いてくる相手だと高さ的に少し厳しくなり相手のOFFRBDを許してしまうのがつらく、この辺も星野、半澤不在の影響がありそう。
正味な話、今節において宇都宮から勝利を挙げるのは非常に困難で、ミッションインポッシブルレベルなことは間違いありません。なにせインサイドを警戒すれば、宇都宮の選手はほぼ全員どこからでも3Pを狙ってきますし、3Pを警戒すればフォトゥ、ジャレット、エドワーズにインサイドを支配されてにっちもさっちもいかなくなりそうなのは容易に想像できてしまいます。昨季の仙台は4回目の対戦の時のようにほぼ完璧なケミストリーでがっちり攻守がかみあってようやく接戦まで持ち込めたことを思うと、今季これまでの不安定さをぬぐい切れないオフェンスのままでは下手をすると50点台ほどに抑え込まれてしまう可能性が非常に高いと言わざるを得ません。
と、ついつい悲観的になってしまいますが、昨季も開幕から4連敗ののち、チーム力的に圧倒的に差があると思われた千葉JをAwayで対戦し貴重な勝利を挙げることができましたし、今季はHomeで闘える分昨季の千葉J戦よりは対戦環境としてはアドバンテージがあります。選手たちも悔しい4連敗をばねに、宇都宮を食ってやろうという強い気持ちでおそらく臨んでくることでしょうし、我々ファン・ブースターも会場中を黄色に染めて選手たちの後押しを盛大にしてやれば少なく見える勝機も増えてくることでしょう。
今節は3節目にしていきなり序盤の正念場を迎えたといった気がしなくもないですが、今季初勝利をHomeで獲得できるよう現地で、画面の前でダイキエンをして参りましょう!
それではまた。