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こんにちは。

方眼ノートセラピストの小澤です。

いつもご覧いただきありがとうございます。

方眼ノートを用いたフレームでご紹介しました「黄金の3分割」の「事実・解釈・行動」の「事実」に焦点を当ててお話しします。

「同じ職種同士でディスカッションするけど、結局いつも意見が衝突してしまう…」

「患者さんの評価や治療に関して後輩に指導するけど、後輩がなかなか成長してくれない」

医療や介護現場にいる方々にとってはよくある悩みではありませんか?

そんな悩みがスルリと解決する工夫,お伝えします.


事実とは何か?

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【事実】

1 実際に起こった事柄。現実に存在する事柄。「意外な事実が判明する」「供述を事実に照らす」「事実に反する」「事実を曲げて話す」「歴史的事実」
2 哲学で、ある時、ある所に経験的所与として見いだされる存在または出来事。論理的必然性をもたず、他のあり方にもなりうるものとして規定される。

デジタル大辞泉より


んーーー,わかるといえばわかるような気もしますが,医療介護福祉領域における内容でお示します.


ABC理論でいう事実・出来事が最適な言葉だと思いますが,ご存知でしょうか?

ABC理論とは,アルバート・エリスが創始した論理療法におけるカウンセリング理論であり,認知行動療法ポジティブ心理学などよく出てくるワードです.

A:Active Event → 事実・出来事

B:Belief → 信念・認知・考え方

C:Consequence → 結果(気分・感情・感覚・行動)

我々は起きている・起きた出来事や事実(A)に対して,人によって異なる考え方や捉え方(B)があり,それを踏まえて気分や行動などの結果(C)が変化するというものです.

つまり,出来事・事実とは,眼に見えることや聴こえること,実際に起きたことなど誰もが納得して共感・認知できる事柄や事象のことを指します.


臨床現場における”事実”とは?

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では,臨床現場における”事実”とはどのようなことを指すのでしょうか?

答えは,ズバリ「聴いたこと」「検査・測定できること」「動画に残ること」ことです.

なんとなくイメージは湧きますか?

例えば,

「右手を伸ばすときに肩周りがこわばります」

「MMT: 三角筋:4/4 上腕二頭筋:4/5 上腕三頭筋:4/2」

「COPM(重要度ー遂行度ー満足度): 一人で食事を完食する:9ー4ー3 家族と電話で毎日話す:8ー6ー7」

「食事動作:右手でスプーンを3指つまみで把持した状態で白米が入ったお椀へスプーンを運ぶ.その際に右肩甲帯は左側に比して挙上位,右肩内旋・外転でのリーチ動作となっていた.スプーン把持の初動からお椀まで2.5秒かかった」


これらは全て事実ですよね.

その中でも,「MMT」や「COPM」は「検査・測定できること」 という点では一番わかりやすいかもしれないですね.

改めてですが,「事実」とは「聴いたこと」「検査・測定できること」「動画に残ること」 です.


評価とは”事実”ではない!

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「聴いたこと」「検査・測定できること」「動画に残ること」ことが事実として認識することはできましたね.

でも,臨床現場では,

「あの新患さん,評価しておいてね」

「後輩の●●さん,患者さんのこと全然評価できていないから,きちんと指導して」

などと「評価」という単語は頻繁に使われます.

しかし,どうやらこの「評価する」という言葉を「検査測定」と同義にしている人があまりにも多くおりませんでしょうか?.


例えば、筋や軟部組織の柔軟性や筋緊張。


Aさんは「○○筋は過緊張だから口元にリーチする際に拙劣さが出るんだよ」

Bさんは「○○筋の筋緊張は正常だよ。むしろ●●筋が過緊張だから動作がうまくいかなのでは?」


双方,評価はしているのですが,何が事実かわからないですよね。

でも,見方を変えると,この2人は現象に対する双方の「解釈」をぶつけているではないでしょうか?


つまり,2人の議論は「事実」を共有しておらず,「解釈」というお互いの意見や感情を語り合っているので結論が出ないのです.


兎にも角にも,大切なことはまず「事実」を正確に捉えることです.


このような場合、大切になることは「自分自身の基準を持つこと」「基準を共有すること」「対比すること」の3つです。


これについては,またの機会にお伝えさせていただきますね.


まとめ

今回は「事実を捉える大切さ」について,臨床現場の目線でもお話をしてきました.

「事実」とは「聴いたこと」「検査・測定できること」「動画に残ること」 です.

このことを共通理解として,仲間とのディスカッションや後輩指導に役立てていただけると幸いです.

セラピスト・療法士の方々にとって,「事実を捉える」ことは患者さんや他職種と情報を共有する上でも非常に重要なので,この視点を忘れずにしたいものですね.

最後までご覧いただき,ありがとうございました!



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