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狩猟採集民から学ぶこと
今日のおすすめの一冊は、アンデシュ・ハンセン氏の『メンタル脳』(新潮新書)です。その中から『我々は元々全員「狩猟採集民」』という題でブログを書きました。
本書の中に「狩猟採集民から学ぶこと」という心に響く文章がありました。
現代でも自然の中で狩猟採集民として生きている部族がいて、私たちから見ると苛酷な生活を送っています。大人の半分以上が子供を少なくとも1人亡くしているのです。それでも不安やうつが非常に珍しいのは、ライフスタイルの何かに守られているからだと考えられます。
特に強く影響していることが2つあって、それは 「よく身体を動かしていること」「仲間と連帯していること」です。
1日におよそ1万5000~1万8000歩程歩いていて、動き回る時はかなり激しく動き、脈拍も上がります。社会の絆も強く、集まって暮らしています。
よく、メンタルの不調から私たちを守ってくれる要素は「運動」「質の良い睡眠」「友人」の3つだと言われます。狩猟採集民の生活は「運動」と「友人」の2つを満たしていて、不眠も非常に少ないのですが、それも「運動」と「友人」のおかげかもしれません。
もちろん身体にとっても健康的な生活をしています。タバコを吸う人は少なく、アルコールもほとんど飲まず、環境汚染にもそれほどさらされてもいなければ、私たちのように大量の加工食品を食べてもいません。
大きな炭酸飲料のペットボトルとポテトチップスの袋を手にソファでごろごろすることはないのです。こういったことすべてが健康につながります。
そう、彼らは驚くほど健康で、肥満も高血圧も非常に珍しく、ライフスタイルの影響が大きい2型糖尿病は希少過ぎて統計も取れないほどでした。研究者たちは病人を見つけられなかったのです。
薬を処方してもらったり、血糖値をチェックしてもらったりは出来ません。それどころか水道や電気も通っていないのです。幸福が健康につながるなら、現代の狩猟採集民から学ぶことは多そうです。
◆現代人は豊かで便利になったがゆえに手放したものが多くある。たとえば車や交通機関。どこかへ移動する時間は限りなく短縮され、どこへでも短時間で行けるようになった。しかし、その対価として、歩くことを放棄してしまった。
エアコンもどこの家庭や職場にもついて、夏はキンキンに冷やされている。そのため、汗をかかなくなり、手足が冷えたり、頭痛等、自律神経のバランスを崩す人も多い。
SNSやスマホなどの通信機器の進化により、多くの人たちとコミュニケーションが瞬時に取れるようになった。しかし、リアルに会うという機会が少なくなり、深くて親密なコミュニケーションが減った。面倒な付き合いもなくなった代わりに、まさかのときの助け合いや絆(きずな)も希薄になったということだ。
「狩猟採集民から学ぶこと」と言う言葉を胸に刻みたい。
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