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人口減少は最大の国難

今日のおすすめの一冊は、河合雅司(まさし)氏の『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』(小学館新書)です。その中から「人口減少する日本の活路」と題してブログを書きました。

本書の中に「人口減少は最大の国難」というショッキングな文章がありました。

日本社会が目に見えて崩壊を始めている。要因は、言うまでもなく人口減少だ。あらゆる業種で人手不足が拡大している。大都市においても運転手のやり繰りがつかず路線バスの廃止や縮小が進み、従業員がいないという理由で店舗は臨時休業を余儀なくされている。

大学の募集停止や小中学校の統廃合に加え、地方では店舗の撤退が相次いでいる。交番の縮小再編まで始まった。高齢者はまだ増え続けており、現役世代はさらに減っていく。高齢化で社会保障は伸び続け国民負担率は天井知らずだ。

2025年には名目GDP(国内総生産)はインドにまで抜かれて5位に転落する見通しで、日本の国力の陰(かげ)りは覆い隠しがたくなってきた。

しかしながら、政府だけでなく、国会議員にも、地方自治体の首長にも、企業経営者の多くにも「現状維持バイアス」が働いているから厄介だ。自分の任期中だけでもなんとかこれまでの経験にのっとった成功や成長を維持できればいいということだろう。

人口減少社会において不足するのは「働き手」だけではない。むしろ深刻なのは「消費者」の減少のほうだ。

日本人がむこう100年間で8割も消えるという激烈な人口減少は、わが国始まって以来の「最大の国難」だ。国家が残るか消えるかの瀬戸際にあるのだ。

しかし、まだ日本の勝ち筋は残っている。荒療治は避けて通れないが、まだ万策が尽きたわけではない。それを「戦略的に縮む」という。われわれは残された力を振り絞り、大一番に打って出て勝利するしかないのだ。

◆河合氏は、戦略的に縮むためのいくつかの活路があるという。それは・・・。

《「従業員1人あたりの利益」を経営目標とせよ》
生産性向上で個々の「稼ぐ力」をアップさせる。売上や店数といった、量的拡大ではなく、質的成長を目指すこと。人手をかけずに利益をあげる方向にシフトする。

《商品を高付加価値化する》
「薄利多売」型モデルは通用しなくなる。高い値段であっても買いたくなるものを開発する。「良いものはそれ相応の値段がする」という方向への転換だ。

《中小企業も独自に海外へ進出せよ》
日本ならではキラーコンテンツを輸出する。日本の中小企業の大多数は内需型企業。人口減による消費者不足により国内マーケットの縮小は、死活問題だ。内需型とみられてきた小売業や飲食業でも海外進出を考える必要がある。

また、このほかには「外国人依存脱却」「女性の戦力化」「地域集住」等の活路があるという。

「人口減少は最大の国難」という言葉を胸に刻みたい。

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