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日々の本気の努力

今日のおすすめの一冊は、内藤誼人(よしひと)氏の『継続は、誰も裏切らない』(PHP)です。その中から「自分で自分をホメる」という題でブログを書きました。

本書の中に「日々の本気の努力」という心に響く文章がありました。

本気で努力していると、いくら自分で隠そうとしても、そのうちに周囲にもバレてしまうものである。何しろ、能力、スキル、技術などが日々進歩していくのだから、よほど鈍感な人間でもなければ、あなたの成長が見えてしまうのだ。

「なんだか、最近、あいつすごいよな」「どうしちゃったんだろう、あいつ、目の色が変わってきたぜ」「彼ったら、いつの間にか、仕事ができる人間になっちゃったな」そういう噂が立つはずである。

たとえば、あなたが毎朝、1時間早く出勤して、前日の残務を、みんなが来る前に片づけてしまうんだ、という努力を開始したとしよう。最初の数日から1週間くらいは、そういう努力をしていても、周囲の人も気づいてはくれない。せいぜい、「おや?」と感じるくらいである。

ところが、1ヵ月もその努力をつづけていると、あなたがテキパキとダンドリ良く仕事を片づけられるようになっていることや、生産性がアップしていることに、だれもが気づくのである。つまり、努力を隠しきれなくなってくるのだ。

すると、どうなるか。あなたが隠忍(いんにん)の努力をしていることに対して周囲は、報いてあげよう、とするのだ。たとえば、上司なら、「今度の査定では、A評価をしてやろう」と考えるであろうし、取引先の担当者なら、「あんなに頑張っているんだから、今度来たときには、契約を交わしてやろう」という気持ちになるであろう。

結局あなたがこっそり努力をしていても、それをちゃんとつづけていれば、そのうちに周囲がそれに報いてくれるのである。努力は、決してムダにならないのだ。

南カリフォルニア大学のアンドレア・モラレス助教授によると、お店の掃除をきっちりやるなど、いろいろと努力している小売店では、お客は、その努力に報いるためにたくさんの買い物をしてくれるそうである。

モラレス助教授が、大学生に頼んで、努力をしている小売店と、あまり努力をしていない小売店の両方で、缶スープやバスタオルなどの買い物をさせるという実験を行ったところ、お客が使った金額には、努力していないお店が8.22ドルに対して、努力しているお店は10.51ドル、という差が出たそうだ。

努力していれば、それに気づいた周囲の人たちは、あなたを放っておかなくなる。だから安心して努力を続けてほしい。ただし、なかなか気づいてくれないからといって、「ねぇ、ねぇ、僕は、いっぱい努力しているんだよ。知ってた?」などと、自分の頑張りを吹聴すると、かえって相手は不快に思うから、もう少し自然にバレるように持っていくとよいだろう。

◆「『日本一のドアマン!』と言われてごらん。そうすれば社長や世間が放っておかないから」(高野登)の中にこんな話があった。

「実際に、6千人の顔と車の車種と番号を覚えている、すごいドアマンもいます。そうなると、メディアにも紹介されたりする。結局、日本一のドアマンになったら誰も放っておかないわけですよ。だから、自分がその仕事をどう捉えるか。そこにどんな価値を生み出すことができるか。そういう視点が持てるか持てないかで、見える世界が変わってきます」(高野登)

「潜行密用(せんぎょうみつよう)は、愚(ぐ)の如(ごと)く魯(ろ)の如し」(宝鏡三昧)という禅語がある。人に知られず、密かにやる善行や修行は、まるで愚(おろ)か者で、頭の動きの鈍い者のようにも見えるが、それでいいのだ、という意。

自分に才能があると思っている人間はえてして、小器用(こきよう)に動き回り、泥臭い努力をバカにする。しかし、不器用で、鈍(どん)な人間はコツコツと努力するしかない。世間が放っておかない人…こつこつと、本気の努力を継続する人でありたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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