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人間の花を咲かせる

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『人間における運とツキの法則』(致知出版社)です。その中から「徳のない人からはどんな幸運も去っていく」という題でブログを書きました。

本書の中に「人間の花を咲かせる」という心に響く文章がありました。

人間の花はどういう人に咲くのだろうか。 あるいは、人間の花を咲かせるために大事なことは何だろうか。 

安岡師の言葉に見るとおり、雑念、妄念(もうねん)を心に茂(しげ)らせている人に花は咲かない。 心の雑草を取り去り、よく手入れし、調和させている人、心の力をよく知る人のみが、人間の花を咲かせるのだろう。 

『易経』にこういう言葉がある。 「性(せい)を尽くして命(めい)に至る」 自分が天から授かったもの、持って生まれた能力をすべて発揮していくことで天命に至る、というのである。 天命に至る道は、 そのまま人間の花を咲かせる道である。 このことを深く肝に銘じたい。 

稲盛和夫氏の言葉は、人間の花を咲かせるための示唆に溢れている。 八十六年の人生を振り返り、 人生で一番大事なものは何かの質問に、 稲盛氏はこう即答されている。 

「一つは、どんな環境にあろうとも 真面目に一所懸命生きること・・・ (私が)ただ一つだけ自分を褒めるとすれば、 どんな逆境であろうと不平不満を言わず、慢心をせず、いま目の前に与えられた仕事、 それが些細な仕事であっても、 全身全霊を打ち込んで、 真剣に一所懸命努力を続けたことです」

 「それともう一つは、やはり利他の心、皆を幸せにしてあげたいということを強く自分に意識して、それを心の中に描いて生きていくこと。 いくら知性を駆使し、策を弄しても、自分だけよければいいという低次元の思いがベースにあるのなら、神様の助けはおろか、周囲の協力も得られず、様々な障害に遭遇し、挫折してしまうでしょう。 “他(た)に善かれかし” と願う邪心のない美しい思いにこそ、周囲はもとより神様も味方し、成功へと導かれるのです」 

◆稲盛和夫氏の「どんな環境にあろうとも 真面目に一所懸命生きること」というのは、元ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子氏の「置かれた場所で咲きなさい」と同じだ。 蒔(ま)かれた種は、文句を言わず、その場でただひたすら咲くしかない。 だからこそ、置かれた場所で咲く花は強く美しい。 

またもう一つの、「利他の心」を大事にすること。 「うばい合えばたらぬ わけ合えばあまる」 という相田みつを氏の言葉がある。 利己的な人だけがあつまり、利己的な行動の限りをつくすと、そのグループは自滅する。 うばい合えば足りぬ、と殺伐(さつばつ)として、最後はお互いに傷つけあうことになる。 

それは、地獄と天国の寓話にもある話だ。 

天国にも地獄にもごちそうがふんだんにあるという。 食事の際には、長い箸(はし)を使う。 箸は、あまりに長いので、自分の口に持ってくることはできないが、相手の口には持っていくことはできる。 天国の住人たちは、その長い箸を使って、ニコニコしながら、お互いの口に御馳走を運んで、お互いに感謝しながら楽しく暮らしている。 

しかし、地獄の住人たちは、われ先に、自分の口に御馳走を持ってこようとするが、一口も食べることができないため、みな殺気立って、ケンカが絶えず、怒鳴り声が鳴り響き、やせて骨と皮ばかりになっている。 

地獄の住人は、自分のことしか考えない利己の人。 相手の利益になることや、相手が幸せになることなど、これっぽっちも考えていない。 

どんな環境に置かれても文句を言わずそこで一所懸命生き、そして同時に、利他の心を持てる人に…。

「人間の花を咲かせる」という言葉を胸に刻みたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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