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流れが確実に変わってきた

今日のおすすめの一冊は、エミン・ユルマズ氏の『エブリシング・バブル 終わりと始まり』(プレジデント社)です。その中から「日本は、これから復活する」という題でブログを書きました。

本書の中に「流れが確実に変わってきた」という興味深い文章がありました。

米中新冷戦の開始で、グローバル資本は中国から撤退し、新たな行き場を探し始めた。そこで、最も安全かつ割安で、優秀な人的資源が豊富な日本が選ばれようとしている。日本株が上昇し始めたのは2013年のことだ。その理由として、超金融緩和政策を打ち出したアベノミクスを挙げる声は多いが、実はその年は「新冷戦」の開始年でもある。

日本には間違いなく、グローバル資本が集まってきている。 そして、最近、また大きなニュースが流れ込んできた。それは米ソフトウェア大手のオラクルが、今年からの10年間で30億ドル(約1.2兆円)以上の投資を行い、日本でデータセンターの設備とそのスタッフ人員を増強する、という話である。

アップル、グーグル、TSMCに続いて今度はオラクルと、世界の半導体・ソフトウェア大手が日本に集まっているのは偶然ではない。それは、新冷戦でもっとも重要な国が日本だからである。 

エブリシング・バブルの崩壊と日経平均30万円説が矛盾しているのではないか?との疑問を持っている人もいるかもしれない。しかし、この2つの出来事は時間軸が違う。むしろ米国の資産バブルが終わって、米株が適切な価格に戻ったほうが、日本やインドにグローバル資本が集まりやすくなる。 

短期的に世界のどの市場も同じ動きをするが、長期的には大きな差が出てくる。 数年前まで上海株や香港株が下がると、日本株はそれ以上に下がるのが通常だった。それが今は中国株が暴落しようが、上げようが下げようが日本株は上がる仕組みになった。 

日本の個人投資家も時代が変わったことを認識すべきで、もはや世界一脆弱な日本市場ではなく、世界の投資家がこぞって集まるホットな市場に変わりつつあるのだ。

◆新冷戦という地政学的な要素が日本には追い風となっている。台湾有事を見据えて、台湾の半導体産業TSMCが日本の熊本に工場を作った。Googleは2021年から2024年にかけて日本のネットワークインフラに総額1,000億円を投資すると発表した。そしてAppleは横浜にテクノロジーセンターを2022年に開設している。  

ユルマズ氏は、今後は猛烈な「日本買い」がやってくるという。

また、人口減少はネガティブな現象として捉えられているが、ユルマズ氏はAIやロボットが勃興する時代にあっては、それは追い風でしかないという。AIもロボットも省力化を強力に推し進めるツールだからだ。この省力化がすすめばすすむほど、人手は余ってくる。

ということは、今人口が多く、そのマンパワーで経済が伸びているインドや中国は、それが逆風に転じるということだ。

流れが確実に変わってきた。

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