見出し画像

雑菌ふりかけ

今日のおすすめの一冊は、齋藤孝氏の『雑菌主義宣言!』(文藝春秋)です。その中から「雑菌の効用」という題でブログを書きました。

本書の中に「雑菌ふりかけ」という心に響く文章がありました。

《まことに、人間は不潔な河流(かりゅう)である。 われわれは思いきってまず大河にならねばならぬ。 汚れることなしに不潔な河流を嚥(の)みこむことができるために。》 
これはニーチェの言葉だ(『ツァラトゥストラ』手塚富雄訳 中公文庫)。 

さまざまな菌を受け入れて生きている人間という存在自体、無菌のけがれなき存在ではありえない。「不潔な河流を嚥みこむ」ような「大河」にならなければならない。不愉快な刺激に身をさらし、免疫をつけ、太き河流になろう。 

気に染まないミッション、面倒な雑務、突然の異動、苦手な上司や先輩とのコミュニケ ーション・・・ふりかかる不愉快な刺激はまこと多い。わずらわしい、厄介、疎ましい。 だが、それもまた心の糧となり栄養となる大切な雑菌なのだ。

拒否せず、受け入れて取込んでしまおう。 すべては人生をおいしくしてくれるためのふりかけだと思って、「喜んで!」と受け入れよう。どうせなら、いろんな味のふりかけを種類豊富に味わい尽くそう。 

ふりかけられているうちが花だ。 やがて、ふりかけるばかりでふりかけられない立場になる。そのときに、いろんな人からの雑菌ふりかけが、自分を閉塞感から解放してくれるありがたいものだったことを知るはずだ。

いまはまだわからないだろうが、そういうものだと思って浴びておこう。 自発的にたくさん浴びて、浴びまくって、ストレスになりそうなことほど、負担の大きそうなことほど、若いうちに経験してワクチン効果をつけてしまうのだ。 

《不愉快な刺激は人生をよりおいしくしてくれるふりかけのようなもの。 拒否せずに、「喜んで!」の気持ちで受け入れます。》

◆これは多くの頼まれごとや仕事のオファーも同じだ。頼まれごとや仕事のオファーは自分の好きなものだけが来るわけではない。苦手なことや、やったこともないことも頼まれることがある。それをニッコリ笑って受け入れる。すると、人間の幅が一つ大きくなるのだ。

自分の得意な分野やできると思う分野だけを受け入れていると、自分の枠が広がらない

齋藤孝氏は、仕事は自己実現の場ではない、という。他者のリクエストに対してどれだけ答えられるかという「他者実現」だという。

雑菌ふりかけをニッコリ笑って受け入れ、他者実現を目指したい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


いいなと思ったら応援しよう!