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ほめるだけの審査員

今日のおすすめの一冊は、小林正観さんの『脱力のすすめ』(イースト・プレス)です。その中から「代償先払い」という台でブログを書きました。

本書の中に「ほめるだけの審査員」という心に響く文書がありました。

テレビ番組に音楽プロデューサーをしている男性が出演していました。 一般人がテレビでカラオケを歌う番組の審査員をしてほしいと頼まれたそうです。 この男性は以前から私の話を聞いていた方でしたので、「審査員として、評価・評論をすることに抵抗がある」とおっしゃいました。 

そのため、このようなアドバイスをしました。 「審査をするとき、あなたの歌はここが悪かったという話を全部やめてみてはどうでしょう。批判などはほかの審査員にすべてまかせる。

歌をほめるところがなければ、別のところをほめていってはどうですか。『そのネクタイ、素敵ですね』と服装をほめたり、髪形をほめたりしてみる。歌っているときの表情や仕草なども対象になります。どこでもいいので、コメントはすべてほめる内容にしてはどうでしょう」 

この話をしたところ、男性はコメントを求められたときには、歌以外にもさまざまなところをほめていったそうです。 半年後、番組のプロデューサーが替わり、審査員が入れかえられることになりました。しかし、この男性だけは引き続き審査員を頼まれます。

はじめのうちは、ほかの審査員や視聴者の方から批判されることがとても多いと伺いました。しかし、番組が続いていくうち、ほかの審査員も歌以外の部分をほめるようになります。視聴者からはしだいに応援する声がたくさん届くようになり、番組自体の視聴率も上がるという相乗効果もありました。

歌だけでなく、たくさんほめ続けたことで、多くの人の心をとらえることができたのでしょう。「批判するだけの審査員」より、「ほめる審査員」を多くの人が心地よいと感じています。

これはテレビ番組だけの話ではありません。目の前にいる人も同じように、批判されるより称賛を浴びせられるとうれしくなります。一人ひとりが、まわりの人を「ただひたすらほめるだけの審査員」として生きてみてはどうでしょう。

◆「ただひたすらほめる」ことが、日常において、いかに必要か、ということだ。それなのに、どうしても、我々は、誰かに対して、批評家や審査員になってしまう。そして、ダメなところを指摘し、チクリとひとこと言う。これは家族や友人、職場の仲間など、親しい関係の中でも同じだ。

しかし、チクリと言われた人は顔は笑っていても、心の中にチクリと言葉が刺さり、冷え冷えとしてしまう。我々の人生は、味方を増やす人生味方は、称賛をすることによって増えていく。非難や批判あるいは指摘では、味方は減るばかりだ。

「ほめるだけの審査員」という言葉を胸に刻みたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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