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日本最大の売りは「水」

今日のおすすめの一冊は、堀江貴文氏の『ホリエモンのニッポン改造論』(SB新書)です。その中から「核融合とは」という題でブログを書きました。

本書の中に『日本最大の売りは「水」』という興味深い文章がありました。

《世界随一、日本の最大の売りは「水」である》 

戦後、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国にまで上り詰めた日本だが、今では下降線を辿る一方だ。2010年あたりに中国に抜かれて第3位になり、現在はドイツに抜かれて第4位。次はインドに抜かれるという見立てもある。 

そんななか、日本が本当に世界で勝負し、トップをとるには、日本人であること、そして日本に住んでいることのアドバンテージを生かして、競争が緩いところを選ぶしかない。 そのアドバンテージとは何か。私は自然環境、とくに「水」だと考えている。

 「湯水の如く」という言葉があるとおり、日本は豊かな水資源に恵まれており、イン フラも行き届いている。

では、「水」というリソースを活用するビジネスとして、どんなものが考えられるだろうか。まず、インバウンド観光だろう。

外国人観光客も、東京や奈良・京都など定番の観光地だけでなく、山間部にも外国人観光客が多く訪れるようになっているのだ。農業の総産出額は約9兆円(2022年)。それに対して、コロナ禍以前の2019年のインバウンドの経済波及効果は、15兆円だった。1日10万人近い外国人が日本に入国してきたのである。

地域の魅力をふんだんに生かした観光業の一例として、鹿児島県霧島市の妙見(みょうけん)温泉にある「忘れの里 雅叙苑」を挙げたい。 雅叙苑は、そこらを鶏が走り回る小さな集落になっている。

茅葺(かやぶき)き屋根の風情あふれる客室には、それぞれ温泉がついており、食事では、里山で採れた食材を使って囲炉裏で作られた滋味深い料理が供される。 暖炉に使う薪は、すべて山で伐採している。竹林があるからタケノコも採れるし、竹炭を作ることもできる。まさに宝の山なのである。 

その雅叙苑が新たに建設したリゾート施設「天空の森」が、またすごい。東京ドーム1個分もある広大な山に、たった5棟のヴィラ(客室)を点在させて、宿泊客に大自然の絶景を楽しんでもらう趣向である。

◆日本は国土の7割を森林が占める自然豊かな国。森林には水源を守るという機能があり、「水」というリソースには無くてはならない存在だ。

古事記の中にも「大和は国のまほろば たたなづく 青がき 山ごもれる 大和し うるわし」という倭建命(やまとたけるのみこと)の歌がある。

「やまとは国の中でいちばん素晴らしい場所。幾重に重なった青い垣根のような山々に囲まれた大和は、ほんとうにうるわしいところだ」

「まほろば」とは「素晴らしい場所」「理想の地」という意味だ。つまり、山々が折り重なるように連なっている大和は理想郷だということだ。まさに、現代においてもこれは同じ。

山々(森林)とそれに付随する「水」も理想郷にはなくてはならないもの。

『日本最大の売りは「水」』という言葉を胸に刻みたい。

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