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人生を楽しみ、寿を保つ

今日のおすすめの一冊は、藤尾秀昭氏の『小さな修養論』(致知出版社)です。その中から「不易流行は人生の原理」という題でブログを書きました。

本書の中に「人生を楽しみ、寿を保つ」という心に響く文章がありました。

古人のあとを求めず古人の求めたるところを求める・・・松尾芭蕉の愛した南山大師の言葉である。私たちもまた先人の求めたるところを求めて人生を生きたいものである。

ドイツの大文豪ゲーテもまた、人生を楽しみ、八十二歳の寿を保った人である。そのゲーテが「処世のおきて」と題し、「気持ちのよい生活を作ろうと思うなら」という前置きをつけて遺した言葉を記す。 

済んだことをくよくよせぬこと 
滅多なことに腹を立てぬこと 
いつも現在を楽しむこと 
とりわけ人を憎まぬこと 
未来を神にまかせること
 

洋の東西を超えて、人生の達人の言葉はシンプルで、深い。

◆南山大師とは「空海」のこと。「古人のあとを求めず 古人の求めたるところを求める」とは、元々は空海が「書」について語った言葉を、芭蕉が「俳句」に置き換えていった言葉。

先人の素晴らしい業績は、表面的に後を追うのではなく、先人が求めた本質を理解し、そこに向かってさらに深く学ぶことが必要だ。いくら結果を模倣しても、本物にはなれない。本物を目指すなら、その人がどこを目指していたのか、何を考えてその作品を作ったのかという本質に迫ることだ。

《人生を楽しみ、寿を保つ》ために必要なのが、「くよくよしないこと」「腹を立てないこと」「現在を楽しむこと」「人を憎まないこと」「未来を神にまかせること」。

人生を楽しむのに一番大事なことは、「今、ここ、わたし」だ。禅ではそれを《即今》《当処》《自己》という。我々は、今この瞬間を、今いるこの場所で、他の誰でもないこの私が生きている。

中村天風師はそれを、「一度だけの人生だ。だから今この時だけを考えろ。過去は及ばず、未来は知れず。死んでからのことは宗教にまかせろ。」と。

「人生を楽しみ、寿を保つ」という言葉を胸に刻みたい。

今日のブログはこちらから→人の心に灯をともす


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