パソコンがコロナ禍をも解決してくれるかもしれない
大学を卒業して15年ほど経過したが、元々あまり気力のない性格と就職氷河期が重なり、志望していた企業には就職できなかった。
何もしないよりはいいだろうとつなぎのつもりで在宅で中学国語の添削指導をし始めた。採用試験もあり合格し、仕事をいただいているわけだが、新卒でしかも在宅ワークはなんとなく肩身の狭い思いをしていた。
気付けばつなぎどころか15年も経過していた。15年も同じことばかりしていると、それなりにベテランの域に達し、今さら別の仕事を考えるのもなと、金銭的には苦しいものの妥協し、ひっそり現状維持をつとめていた。
そんな矢先のコロナ禍である。
常識が一変した。大勢の人たちと直接会って、円滑にコミュニケーションをとったり、外に出てアクティブに活動するよりも、直接人と会うことを減らすため在宅、テレワークが推奨され始めたのである。
世の中の多くの人たちは戸惑っている様子だったが、私はコロナ以前と変わらず、いつも通りの仕事をしていた。
今まで在宅ワークなんて言いづらかったけれど、正々堂々と言える時代がやって来たのである。むしろ時代の最先端だったんだと胸を張って言える。
その在宅、テレワークを可能にしているのはやはりインターネットのおかげである。添削指導とは言え、私の場合、答案用紙を受け取っているわけではなく、すべてネット経由で仕事を依頼され、受領、納品している。
つまりパソコンが必需品で、仕事でもプライベートでも15年前から大活躍してくれている。
たまたま偶然だが、初めて仕事用に買ったパソコンはNECのLAVIEで、それは当時なかなかハイスペックで、仕事のソフトを開いても、他の作業も問題なくできたし、同時に音楽も聴けたし、テレビも見られて、かなり使い勝手が良かった。
だからその次も同じくNECのLAVIEを購入した。トップ画像に使用した赤いパソコンである。これもまた当時なかなかのハイスペックで、一番気に入っていたのは多少重い作業をしても音が静かなことと、その次にボディやキーボードがコーティングされていて、何年使用しても、汚れは目立たず、さっと拭けてピカピカな新品状態を保てたことがお気に入りポイントだった。
キーボードのキーも高さが低くて、タイピング音が静かだったし、経年劣化で動作は鈍くなっても、別に壊れてもいないから、まだまだ使いたい気持ちがあった。かなり愛着があった。けれどWin7のサポートが終了し、仕事でどうしてもWin10を使用しなければならなくなったため、泣く泣く新しいものを探した。
当初は色は変わってしまうものの、同レベルのLAVIEを買うつもりだった。LAVIEなら大丈夫だろうと信頼しきっていたから。でもコンパクト、スリム化が進み、見た目がちょっと違う。速くなっている分、ファンの音も静音ではなくなっているという。何軒も電気屋さん巡りをし、「このタイプを購入したお客さまから音が気になると言われたことがある」と店員さんから教えられ、躊躇してしまった。
どんどんネット速度が速まり、作業する脳が増えている分、今時のノートパソコンのファンの音はLAVIEに限らずどれも致し方ないと説明されてがっかりした。
仕事では単純にタイピングするだけでなく、ペンタブレットを使用して手書きする作業もある。これがとても集中力が必要で、うるさいと上手に書けない。
それから趣味で物書きを始めているものだから、ファンの音を気になり出すと、物語を考えることもできなくなってしまう。
静かなパソコンを求めていた。
どうして音の話ばかりするのかというと、以前noteに書いたのだが、仕事上での期限が迫って、慌ててまったく買うつもりをしていなかったメーカーのノートパソコンを購入してしまったのだ。
それがとても動作は早くさくさく動くものの、その分ファンの音がとてもうるさくて、これでは仕事に使えないと、やっぱりLAVIEにしようともう一台検討した。
ワンランク下げたものの、何年も使用したものとスペックはそれほど変わらないと説明された。色も同じ赤だし、これなら大丈夫かと思い、出費は痛かったけれど、もう一台購入した。
しかしLAVIEなら大丈夫と安心しきっていたのに、やはり以前のものと比べたら音が大きく、何より仕事で使っているソフトとあまり相性が良くなく、目が悪いので、フォントサイズの倍率を上げると答案が見切れてしまったりするため、愛着のあったパソコンと比べて使い勝手が良くなく、仕方なく父にプライベートで使用してもらっている。
つまり買うつもりもなく、ファンの音がうるさかった他のメーカーのものをメーカーに教えてもらって静音に切り替えて、何とか使用しているのが現状である。
慣れは怖いもので、キータッチも違ったし、嫌々使い始めたのに、半年のうちに慣れてきてしまっている。本当はLAVIEを使いたいのだけれど、愛着のあるモデルと同様の新型が発売されたら絶対買うのに、きっともうあんな素敵なノートパソコンは出現しないだろうと思う。重さがあって運ぶのは少し不便で、重厚感はあったけど、それでも性能が抜群だった。
なぜパソコンの話ばかりしているのかというと、やはり「これからの仕事」においてパソコンは必須ということを伝えたかったのである。
コロナと共存する世界になってしまった限り、いくらワクチンや特効薬が開発されても、テレワークやリモートワークは推奨され続けるだろう。コロナに限らず、他の新たなウイルスや脅威が襲ってきても、パソコンを駆使できれば、インターネットが普及していなかった昔と違ってたいていのことはできる。
ソーシャルディスタンスが叫ばれ、人と人との物理的距離はたしかに遠くなってしまったけれど、パソコンがあるだけで、むしろ昔より心の距離は縮められているような気がする。
個人的に音楽が好きなので、様々なアーティストの発言、発信を定期的にチェックしていて、パソコンやスマホがあるだけで、彼らとの距離が縮むし、音楽のMVに個人の動画が使われることも珍しくなくなり、アーティストとファンが一体となって楽曲を作っているような気にさえなる。
それを可能にしているのはやはりパソコンが普及したおかげだ。音楽に関してはリスナーの視点で趣味として語っているけれど、アーティストからすれば音楽は仕事なわけで、つまりアーティストの音楽制作にもパソコンは必須アイテムなのである。実際、楽曲制作のドキュメンタリー動画を見ても、楽器の傍らには必ずパソコンがあって、むしろ楽器よりモニター上で作業している時間の方が多いように見受けられる。
これは音楽に限ったことではなく、どの職種でも、オフィスでも自宅でも、パソコンは欠かせない時代になっている。コロナによってますますパソコンが大切な存在だと気付いた。コロナ時代は嫌だけれど、パソコンが普及している時代で良かったと安堵もした。在宅テレワークで十分仕事はできる。よっぽどの接客業、サービス業等でない限り、ほとんどの事務作業なら在宅で可能だと思う。
パソコンさえ使いこなすことができれば、人と疎遠になることなく、孤独になることもなく、狭い自宅の部屋の中にいても、自分の世界を広げられると15年、自分の部屋で仕事をしてみて、そう結論付けることができるようになった。
それもこれもパソコンで仕事をし、わずかな給与を得て、プライベートにおいてもメールやチャット等で交友関係を広げることができたから断言できるのだと思う。
動かなきゃ、走り回らなきゃ仕事とは言えないなんて時代は終わったのだと。あまり動かなくても、それなりの仕事ができるネット社会が訪れたのである。
それを気付かせてくれたのは、皮肉なことにコロナウイルスという存在だった。遅かれ早かれ、いずれはリモートでの交流が増える近未来がやってくると多くのSFアニメや映画が予言してくれている。それが少し時期が早まった程度で、現実のものになったに過ぎない。
パソコンはSF世界さえ、実現させてしまう。パソコンさえ持っていれば不可能なことなんてないんじゃないかと思える。ドラえもんの四次元ポケットみたいに何でも夢を叶えてくれる。だから、これからもパソコンを使用し続ければ、新たな仕事を生み出すことも可能なんじゃないかと思う。
新しい生活様式での新たな日常が始まった今、パソコンを駆使した新たなビジネスがコロナ禍で暗い影が落ちた世界に希望の光をもたらしてくれることを願う。
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