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「生きるのに必要な衣食、心の栄養になる花や推しキャラクターまで網羅してくれるスーパーを展開している会社・ヨークベニマル」

セブン&アイ・ホールディングスの完全子会社である株式会社ヨークベニマル。東北南部を中心にスーパーマーケット事業を展開している会社だ。
私の生まれた地元には、昭和60年に待望のヨークベニマルが開店した。自分が生まれてから3年後のことだったので、スーパーマーケットと言えば、「ヨーク」というのが当たり前だった。(ちなみにヨークベニマルの略称はヨークorベニマルに分かれることが多いが、ヨークベニマルは紅丸商店が始まりらしいから、略称はベニマルの方が正しいのかもしれない。私はヨークと言ってしまうけれど。)

食料品だけでなく、衣料品や各テナントには地元の花屋、靴屋、時計店などが入っており、もちろんフードコートもあって、ヨークに行けば何でも揃うという便利なスーパーだった。当時はイオンなど大型ショッピングモールもまだなかったし。地元にイオンができるとヨークは空きテナントも目立つようになってしまったけれど、個人的にはイオンは広すぎて歩くのに苦労するから、ヨークベニマルくらいの広さのスーパーが好きだ。コンビニほど狭くなく、イオンほど広くなく、一周するのに程良い広さで歩きやすい。
 
地元のヨークでの思い出と言えば、様々あるが、小学3年生くらいの時、社会科見学でヨークに行った。その時、持参していいお小遣いはたしか200円とか300円で、ほとんどのクラスメイトはお菓子などを買っていたと思う。しかし私は親友と二人で、テナントとしてヨーク内にあった本屋へ行き、二人のお小遣いを合わせて、ちびまる子ちゃんのコミックを1冊だけ買った。1冊しか買えなかったから、どちらか一人しか持っていられない。優しい友人は、私にその漫画本を託してくれた。仲が良かったから、どっちが保管していてもいつでも貸し合えるよねという感覚だったと思う。物持ちがいいので、その宝物のコミックは未だに実家で大切に保管してある。

ヨークに入っていたパン屋のパンも大好きだった。今でも自社製ベーカリーとして各店舗で残っているから、ありがたい。高校生の頃、通っていた塾がヨークの近くだったため、土曜日ならお昼はヨークのパン屋でカレーパンとウィンナーロールを買って、ベンチに座って食べてから、塾へ向かった。それが毎週土曜日の楽しみだった。その名残もあってか、未だにヨークで売られている自社製カレーパンやウィンナーパンには目がない。特にカレーパンは具材感がしっかりあって、カレーを食べている気になれるから、他のどのカレーパンより好物だ。最近はパン粉で揚げていない、チーズを乗せたナン風の生地の中にカレーが入っているチーズカレーパンもヨークで売られるようになったので、それも好きになった。パン粉なしのカレーパンの方が食べやすい年頃になったのかもしれない。
 
ヨークと言えば、お惣菜もラインナップが豊富で、例えば料理したくない時や、具合が悪くて調理できない時には、本当に助かっている。おばあちゃんのたまご焼きとか、自社製あずき煮(あんこ)とか、きんぴらごぼうとか、実家感のあるほっこりするお惣菜に安心する。
直近の年末は、実家の母と私が高熱でダウンしていたため、お正月らしい料理を何も作る気になれず、ヨークのお惣菜に助けられた。あずき煮をかぼちゃにかけて食べたり、きんぴらごぼうを食べて、元気を取り戻した。風邪をひいていない父には、餃子ややりとりなどをヨークで買って食べさせた。年末年始の家族の健康はヨークが担ってくれたと言っても過言ではない。他のスーパーが休みの中、元旦から営業してくれたのもありがたかった。
 
ひとり暮らしをしている部屋の近くには車で10分圏内に3店舗くらいヨークベニマルがあり、特にお気に入りの1店舗に通っている。ひとりだとあまり料理する気にもなれず、ヨークのお惣菜に頼っている。お気に入りは、餃子におひとりさま用麻婆豆腐、ポテトサラダ系、そして梅干しのおにぎり。店内でにぎっているらしい手作り感が強い丸型のおにぎりが大好きだ。実家で作るようなおにぎりで、コンビニ等で売られている後から海苔を巻いて食べるおにぎりより、妙に好きな味。シャケや昆布もあるけれど、一番はやっぱり梅干しのおにぎりが好きになった。特に妊娠時は、ヨークの梅干しのおにぎりと前述した自社製カレーパンばかり食べていた。眠気のつわりがひどかったあの時期も、ヨークの食料品に命を支えてもらった。
 
その店舗の入り口には花売り場があって、時期毎にテーマカラーが決められているらしく、ピンクならピンクのみ、オレンジならオレンジのみの花を取り揃えているコーナーもあり、眺めるだけでも癒される。
その花売り場で5年ほど前の冬に出会った花がレウィシア。冬の寒い時期に鉢植えで咲いてくれる花で、別名・岩花火と書かれていた。その名の通り、花火のようにカラフルな花びらがかわいらしい可憐な花。最初の年は白色とオレンジ色のレウィシアを買ったけれど、多年草とは知らず、花が終わったら枯らしてしまった。それ以来、毎年のように一鉢ずつレウィシアを購入していたけれど、やっぱり枯らしてしまうことが多かった。3年前にホームセンターで買ったピンク色のレウィシアは運良く根付いてくれて、毎年花をつけてくれるようになった。初めてレウィシアと出会わせてくれたヨークには今年もレウィシアが売られていた。他の色のレウィシアも育ててみたいから、そのうちまたヨークで購入しようかなと考えている。

この店舗の花売り場にはホームセンターでもあまり売られていない珍しい花が売られていることもあり、オキシペタラム(ブルースター)の苗を夏頃に購入し、実家のプランターに植えてみた。多年草でわりと丈夫らしく、氷点下5℃以下になることも多い地域だけれど、枯れることもなく持ち堪えている。たぶんまた花を咲かせてくれると思う。このオキシペタラムは切り花ではよく見かけるけれど、苗は珍しくて、探しても他では見つけられなかった。ひとつしか買わなかったので、もっと買えば良かったなと後悔している。けれど、たった1株でも葉っぱが増えて、茎もぐんぐん伸びて巨大化しているから、成長を見守るのが楽しい。
 
この店舗にテナントとして入っていたドラッグストアは残念ながら、昨年閉店してしまったものの、他にも写真店や100円ションプなどもあるので、食料品以外でもお世話になっている。
 
さらに密かに気に入っているコーナーがある。それは店内奥にひっそり佇んでいるゲームコーナー。大型ゲームセンターでさえも、最近はすみっコぐらしの景品を見かけなくなってしまったのに、この店舗には高確率ですみっコプライズがあるから、すごく気に入っている。そう、私はすみっコぐらしのとかげ推しだから。
置かれているクレーンゲーム機が最新の機種ではないため、扱いづらい面もあり、小さなマスコットでも獲得には苦労する。(単に自分が昔の機種が苦手なだけかもしれないが。)しかし、最近、フリマアプリでも2000円程度で売られているすみっコぐらしの最新ポーチ(クレーンゲームの景品)をこのゲームコーナーで、まぐれで400円でゲットできてしまった。そもそもこの景品が入っているクレーンゲーム機を探すのだって一苦労なのに、運良く行きつけのヨークのゲームコーナーにあっただけでも奇跡。なのに、それを獲得までできてしまった。ヨークのおかげと感謝している。

ヨークのお菓子コーナーには、すみっコぐらしのお菓子なども他のスーパーと比べたら多く売られているので、それもヨーク推しポイント。グミ、缶バッジ、チャームなど、ついつい大人買いしてしまう。推しのとかげグッズは高確率でヨークのお菓子コーナーでゲットしていると思う。
 
お菓子コーナーのみならず、実家からひとり暮らしの部屋に辿り着くまで、他に2店舗ほど行きつけのヨークがあるのだが、その2店舗は衣料品も置いている大型店舗のため、すみっコグッズが多く売られている時期があった。最近は他のキャラクターに押されて消えてしまったけれど、とにかく私は、ヨークの子ども向け衣料品コーナーでも推しのすみっコグッズを買い漁っていた。

高熱にうなされる前夜、衣料品取り扱い店でみつけたすみっコぐらしの福袋3点セットを購入したのは、直近のことだ。
一番通っている推し店舗にはドラッグストアが撤退した空スペースはそこそこ広さがあるので、ちょっとした衣料品を置いてくれないかなと期待している。子ども向け衣料品とかグッズとか、すみっコぐらし多めで。
 
ひとり暮らしの部屋の近くの推し店舗は、まず入り口で花たちに癒され、パンやお惣菜で胃袋を満たされ、100円ショップでは日用雑貨を物色でき、奥のゲームコーナーでは推し活までできてしまう。心身共に、満たしてくれるスーパーはヨークベニマルしかない。他の店舗では衣料品を買うこともあるし、自分にとって衣食はヨークで十分、間に合う。子どものころから、今でも。ヨークベニマルが存在してくれる限り、きっとこれからもずっと。
 
時々、遠方のヨークにも足を運ぶ。閉店間際になると、お惣菜が半額以下になる店舗なので、気に入っている。他の店舗ではその時間帯になるとほぼお惣菜は残っていないのに、そこではそこそこ残っているから、穴場だなと気づいた。
そこで買ったスパゲティサラダにたまたま骨のような小さな異物が入っていて(店内で調理されたものではなく)、念のためサラダが作られた工場に問い合わせたら、近くの店舗でいいので返金しますということで、いつもの一番お気に入りの店舗へ行ったら、返金されただけでなく、菓子折りと電話代までいただいた。購入したサラダはそもそもおつとめ品の半額以下で、格安だというのに、それ以上の値がするお菓子をいただけで、ヨークベニマルの誠意を実感した瞬間だった。
 
店舗入り口に掲げられているヨークの企業理念をふと思い出した。
「一人のお客さまに誠実を尽せ これが野越え山越えの精神である」
創業者・大高善雄
社訓のようなヨークベニマル12章についてはヨークの公式サイトにも詳しく書かれているので、割愛させてもらうが、紅丸商店は行商が始まりらしいから、創業者は苦労も多かったことだろう。その創業者の精神が今もヨークベニマルのスタッフ一人ひとりに息づいているのだと思う。
 
異物が混入していても少しも嫌な思いはさせられず、むしろ良い思い出になったので、懲りることもなく、サラダスパゲティを未だに買って食べているし、ヨークのお惣菜から心身に必要な栄養とエネルギーをもらって生きている。もはや自分にとってヨークのお惣菜はおふくろの味。
 
セブン&アイ・ホールディングスが母体なので、セブンのプライベートブランドも充実しており、カップ麺なんかは安いし、おいしい。味の品揃えもかなり豊富。
気が向いて調理する時も、プライベートブランドの焼きそば3食100円程度にかなり助けられている。安いのに、ソースも麺もおいしい。
食料品の他に、服、靴、寝具、花、すみっコぐらしという推しグッズなど、私の日常に必要なものはわざわざ大型ショッピングモールへ足を運ばなくても、程良い敷地面積のスーパー・ヨークベニマルで間に合ってしまう。
月初めのいちにさんの市や、中旬のどまんなか得の市など目玉商品が並ぶ特売日も多くて助かるし、推し店舗に限っては1000円以上買うとスタンプがもらえて15コ集めると300円割引されるスタンプカードもあって、ありがたい。
 
お気に入り店舗はヨークの周辺の景色も素敵で、近くの小道には百日紅が街路樹として植えられているから、夏はピンク色の百日紅の花も愛でることができる。
そして屋上駐車場も完備されており、そこから見える泉ヶ岳方面に沈む夕日が絶景。立地条件自体が良い。距離的に近い他の2店舗は交通量が多かったり、あまりにも街中で賑やか過ぎるから、田舎出身の私は、静かで自然を感じられる推し店舗の方が落ち着く。夏の夜は屋上から花火が見えることもあるし。冬は屋上にいると頭上をハクチョウたちが飛んで行くのを見かけることもある。

推し店舗の屋上駐車場にて

今日もまた夕日が沈む時刻になった。屋上に駐車して日没を眺めたら、毎日食べても飽きない親しみやすい味のヨークのお惣菜を買って、うちに帰ろう。

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