2021年~秋のうた~金木犀や彼岸花の短歌など
彼岸花 故人の血潮 命の朱色
彼岸花 故人の復活 願いの朱色
赤色の 彼岸花咲く お墓にも 秋の香りを 一枝供え
秋彼岸 線香代わり 匂い立つ 金木犀の 小枝揺らして
一面に 羽虫の死骸 降り積もり 亡き人の骨 拾うように履く
秋の朝 羽虫の死骸 一ヶ所に ほうきで集め 亡き人偲ぶ
揺れる風 路肩のススキ 光なびかせ
お日さまを 羽に集めて 飛ぶキミは いのち儚し ゆらゆらトンボ
お日さまの 光集めて 飛ぶトンボ 支える羽は ソーラーパネル
蝉時雨 真っ青な空 夏薫る 空気の中に 秋も漂う
蝉時雨 夏の余韻の 空の下 秋虫も鳴く 金木犀よ
夏と秋 季節の狭間 忘れ物 ふいに始まる セミたちの歌
蝉の声 金木犀に こだまする 夏から秋へ 変りゆく時
どんぐりに セミの抜け殻 乗せてみる 出会えなかった 夏と秋たち
猫のハナ くすぐり香る 風ふわり
秋風が 金木犀の 花揺らし まどろむ猫の 鼻もヒクヒク
秋の朝 しまった寝坊 飛び出せば ふと香る風 立ち止まり遅刻
あと何年 キミをだっこ できるかな 我が子みたいな 二年目若木
お日さまの 光と似てる キラキラの 星型小花 あかきいろ星
春ピンク 黄色藤色 青い夏 オレンジの秋 冬のホワイト
見えぬキミ 風に運ばれ 我が元へ
揺れる影 姿なき風 映し出す
眠すぎる 深夜一時の 帰り道 金木犀の はしご酒かな
真夜中に オレンジ色の ジュース買い 金木犀を 呑む香り酒
夜の露 甘い香りを 閉じ込めて 食べてみたいよ 金木犀
秋の庭 夏の面影 引き受けて 金木犀や キバナコスモス
街灯は 点いた瞬間 緑色 次第に光 黄色に変わる
白い月 日没間際 かくれんぼ 白い浮き雲 動きに沿って
黄金の 稲穂が揺れる あぜ道に 金木犀の 赤黄色かぜ
黄金の 稲穂が揺れる あぜ道に 赤黄色した 小花のにおい
ススキ風 ネコジャラシ風 稲穂揺れ 金木犀の アカキイロ風
オレンジ夕日 黄金稲穂 マリーゴールド キバナコスモス 秋あかきいろ
ヒマワリの 黄色受け取り 待ちぼうけ 秋の花たち 赤黄に染まる
早咲きの 金木犀が 散った後 早くもつぼみ 二度咲きラッキー
後ろ髪 ひかれるような 帰り坂 下りた先には 金木犀
湿る風 吹いた後から 香る花
月の夜 風に誘われ 路地裏を ゆっくり歩く 祖母の気配よ
秋の夜は 虫の命と 金木犀よ
オレンジの 看板過ぎて 花小径 香る端から 流るる風よ
空の下 金木犀の 風流れ 香りに揺れる レースカーテン
志村くん 今年も花火 ありがとう
志村くん 今年も香り ありがとう
なぜキミは そんな所に いるのかい たまご産めたか 刹那の命
雨上がり 金木犀の 風きって 駆け上る丘 打ち上げ花火
雨上がり 花火の音で 飛び出せば 金木犀の 香り立ち込め
雨上がり 見えない花火 追いかけて 横目に過ぎる 秋香る風
秋の夜に 夏の忘れ物 思い出す 音が聞こえて 匂い流れて
終わったと 勘違いして 帰り道 ふいに始まる 追い花火
虫の声 煙たなびく 秋の空 思い出すのは 光る夏の音(ね)
黄昏て 金木犀の 花ハンター いつの間にやら ムーンキャッチャー
オレンジの 夕暮れ時に みつけたよ 夕日色した 小花のつぼみ
赤黄色 夕日の手前 金木犀 間もなくのぼる オレンジの月
「赤黄色日和」
夕日落ち 金木犀と 昇る月 最後オレンジ 裸電球
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