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海外大に行くか、国内大に行くか

学士課程で海外大に行くか、国内大に行くか迷っている高校生たちへ

1)海外大に行きたい理由を明確に
2)まず自分の興味・関心を見つけよう
3)大学卒業後に自分は何をしたいのか

1)海外大に行きたい理由を明確に


あなたはなぜ海外の大学に行きたいのですか?

と、突然質問されたらあなたはどう答えるだろう。

「英語力を向上させたい」「グローバルな環境で勉強したい」「幅広い学問を自由に学びたい」などの答えが頭に浮かんできたのだとしたら、もう少し深く考えてみてほしい。

英語の授業 × 少人数 × リベラルアーツは国内でも可能
日本国内にも、授業のほとんど(または全て)を英語で行い、留学生の比率が高い大学が存在する。こうした環境に身を置けば、英語力は間違いなく向上する。また、日本国内でも少人数で幅広い学問分野を横断的に学ぶリベラルアーツの大学も増えてきており、海外でしか得られない学びとは言い切れない。

学費の問題
海外の大学は、コストパフォーマンスがかなり悪い。特にアメリカやカナダでは、学費が年間450万〜800万円にも及ぶ割に、授業の内容自体は日本と大きく変わらないことが多い。理系分野においては、日本の大学のほうが先進しているケースもある。日本の大学に在籍しながら1年間の留学をすれば、費用をかなり抑えつつグローバルな環境で学ぶことができる。

「海外大がかっこいい」というイメージに囚われ、海外大に行きたい理由がぼんやりし、日本での可能性を潰してしまっている人が多いような気がする。

明確かつ具体的で、一貫性のある理由がないと奨学金や大学のエッセイでも説得力がなくなってしまう。

2)まず自分の興味・関心を見つけよう


海外の大学に行くか、国内の大学に行くかを考える前に、まず自分の興味・関心を見つけ、それを掘り下げることから始めよう。

なぜか。

学問分野によって日本の大学で学ぶ方が有益な可能性があり、その可能性を狭めてしまうからだ。「海外大に行く」と自分で進路を決めつけることは、日本国内に存在するあらゆるチャンスを見もせずに切り捨ててしまうことを意味する。

本を読もう
興味・関心を見つける方法の一つは、本を読むこと。インターネットやYouTubeだけで情報を集めることはあまりおすすめしない。なぜなら、オンラインの情報は影響力のある一部の人々がわかりやすくまとめたものであり、その分野を魅力的に見せることに重点が置かれているからだ。

専門的な本を何冊か読むことで、その分野の良い点、悪い点、面白い点、大変な点などを客観的に把握できるようになる。その中で、読み飽きない分野の本があれば、それはあなたが追求するべき分野かもしれない。

人に会おう
対面でなくてもよいが、自分が関心のある分野を勉強している大学生や研究している大学の先生と話してみることで、リアルな現状を知ることができる。その時の縁で、また新たな人とのつながりが生まれるかもしれない。

自分の興味・関心のある分野を深く理解した上で、日本の大学で学ぶことでは得られない効果が、海外大で学ぶことにあるのであれば、海外大に挑戦する価値はあると考える。

3)大学卒業後に自分は何をしたいのか


日本で将来就職したいなら学士課程では、日本の大学に行くべきだと思う。

大学から社会に出て、キャリアを形成する際、人脈がかなり重要になる(と聞いている)。人脈を通して、昇進や業界の最新情報を手に入れ、仕事の機会を拡大することができる。また、企業研究やインターンも人とのつながりがある方が優位に進む。しかし、海外にいると、日本の人たちと長期的な人脈を築くことが難しい。どうしても海外の大学で学位を取得したいならば、大学院で海外に行き、就職時に日本に帰って来れば、費用も安く抑えながら貴重なチャンスを逃さずに済む。

その一方で、特定の国で興味のある専門的な分野を学び、その後もその国でキャリアを築きたいというのであれば、学部から海外大に進学することは理にかなっていると思う。

2025年1月30日 チャールズ広伸


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