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こども・子育て支援の先進的事例から見えた今後の保育施設のあり方の「解」

みなさん、こんにちは。
カタグルマの大嶽です。

1年半ほど前に、こちらの記事を書きました。

ここでお伝えしたのは、

「保育園の役割が保育をする場から地域の子育て支援を担う場になるトランスフォーメーションが2023年から起こり始める」

という内容でした。

それから1年半の間、多機能化というキーワードは益々影響力を強め、こども基本法、こども大綱の制定、幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョンが出たこと、さらには「こどもまんなか」の文脈により、地域社会とのつながり、地域資源の活用、社会全体での保育という機運が益々高まっていることは業界内にいれば皆さん誰でも分かることです。

また、こども誰でも通園制度、伴走型支援などの制度や仕組みが本格的に開始されれば、益々スピードも速まることと察します。

そして、先日発表されました、こども家庭庁の事業で日本総研さんが受託された、

「こども・子育て支援の今後に関する先進的な取組事例の収集・検討に関する調査研究」

を読むと、ビジョンや概念のフェーズから、具体的な姿、形、仕組み、オペレーションとして共有される具現化フェーズに入ってくることを予感させられます。


今年も9月に「新しい保育イニシアチブ」という日本の未来のために、そして保育業界をより良い業界へと変革、革新するためのきっかけとなるイベントを業界関係者の有志で開催します。

私も昨年に続き実行委員とセッション参加するのですが、まさに実行委員内でも同様の議論が交わされています。

そして、これらを踏まえると、中長期の保育業界のメインストリームとして保育事業者が何をしていくべきか、どこに向かっていくべきか、方向感はほぼ決まってきました。


それは、

「地域や社会をつくる担い手として、『こどもまんなか』を軸とした地域資源の活用とパートナーシップによる地域のこども、そしてそれを超えた地域住民のための新たな『居場所』」

です。

本当にこれしかないと思います。

そして、既にこの類の世界観、社会観、事業観を基にリモデル、トランスフォーメーションを起こし始めた事業者が確実に増加しているのは皆さんも感じていることでしょう。

そして、そんな事業者ほど人が集まっているのが事実です。

よく考えればそれは頷ける話で、「地域に無くてはならない園」という状態を確立しているわけですから、結果的に地域も保護者も子どもも、職員も集まってきているのです。

語弊を恐れずに言えば、

「保育施設は保育施設ではなくなる」

と思っています。

「保育園は保育をする場所」

という概念を如何にして取っ払えるか、そしてそんな事業者が益々地域で存在感を高めることが出来るはずです。

事業とは、社会ニーズや社会課題を解決するために貢献して初めて事業なのです。

保育をする=保育が必要な子を預かる

という社会ニーズ・社会課題はもちろん今でもあるものの、貧困問題やひとり親家庭、保護者支援などの養護、障がいを抱える子どもにおける療育、医療的ケア児の保育や産婦人科不足、産前産後の支援などの医療、そして不登校対策も踏まえた小学校接続などなど、これまで以上に高まる子どもや保護者に関わる社会ニーズ・社会課題を踏まえれば、誰が対応していくのか?

「制度によってやることも増える、、自治体は地域の子どもに関することを保育園ばかりに押し付けてきて、こちらは仕事ばかり増えて大変なんです・・・」

という方もおられるでしょう。

でも、視点を変えれば、それだけ社会ニーズや社会課題に対して対応を求められるというのは、事業体として成長・発展していくチャンスだと捉えることは出来ないでしょうか?

各地域でそれらを担えるのは保育施設しかないのです。

だからこそ、この過渡期、転換期に変われるか、変われないかが世襲、事業承継も踏まえ、今後の10年、20年を大きく左右するのだと思います。


社会福祉法人清朗会 せせらぎ保育園さんの資料にもありましたが、次世代のために、保育園という看板を下ろし、新たな姿に変われるかどうか、まさに今が決断のタイミングです。

地域社会と次世代のために行動し、変化しなければなりません。。。

ダーウィンの進化論、

「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」

という言葉を知らない人はいないと思いますが、これは一つ大切な前提条件があります。

それは、

「環境に合うように自ら進化することも変化には大いに影響するが、たまたま持って生まれた形質が環境に合っていたために環境に馴染んだ結果生き残った」

という、2つの変化要因があるということです。

変化しようと思うこともさることながら、形質が似ている、つまり既存の保育事業から大きく変えることを必要としない姿形なのであれば、益々馴染ませることが大切なのではないかと思うのです。


ではまた。

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