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保育の事故集計結果から分かること

みなさん、こんにちは!
カタグルマの大嶽です。

当社のチームマネジメントクラウドサービス「KatagrMa」は、今日でリリースして1週間が経ちましたが、お陰様で毎日新規契約をいただいている状況です。

今月から本格的なプロモーションをかけようと思ってましたが、増加しているトライアル申込への対応、そしてご契約者さまのフォローを最優先すべく、様子を見て9月頃に後ろ倒しにしようと思ってます。


さて、先日、毎年発表される内閣府の「教育・保育施設等における事後報告集計令和2年版」が発表になりました。

個人的にこの調査結果は毎年必ずチェックし、動向を把握しています。

というのも、私の起業のきっかけになったのも、2018年時点で年々事故が増えている事実をこのデータから知り、強い危機感を覚えたことにあります。

量を追求するあまり、人材不足に陥り、質が低下し、その結果、子どもの事故が増えてるという、当時、保育園の開設の仕事を多くしていた自分自身に責任すら感じたことを強く覚えてますし、今でもその気持ちは変わりません。

だから私は、理念ビジョンもない、勝算や成功確率が高いならばまだしも、安易なビジネス思考だけで、そこに関わる人たちが誰も報われない状態で次々にたくさん施設を作ったり、新規事業を提案したりすることには関わらないし、関わりたくありません。。

それよりもどうしたら環境改善され、子どもの事故が減るのか、現場の質が上がるのか、保育者や子どもにとってより良い環境になるのか、そこを解決し、貢献したいわけです。


さて、それでは令和2年度の結果をまとめたので、以下をご覧ください。

まずは業態別×死亡・負傷内容別の数字における3年前(2017年)と2020年の比較です。

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まず、施設数の121%という増加率に対して死亡・負傷事故の増加率は162%と大きく増加してます。

施設における事故発生率も134%と増えているのが現状です。

一方で、死亡事故が63%と減っています。
しかし、これを喜べと言っても無理があります。。
5人も亡くなっているのですからね。
口が裂けても5人に減って良かった!なんて言えません。

軒並み、施設数の伸びに対して事故件数が増えているのですが、特に

・認定こども園
・幼稚園
・小規模保育
・事業所内保育
・企業主導型保育
・認可外保育施設

の6業態の事故件数の増加が気になります。

さらにこの中でも、発生率が伸びているのが、

・認定こども園(230%-270%)
・事業所内保育(214%)
・認可外保育施設(208%)

の3業態です。

施設数が増えれば事故件数は増えますが、発生率が倍以上に増えてるわけですから、かなり深刻だと思って良いでしょう。

特に認定こども園が多いのですが、これは4類型関係なく高いのが特徴です。

次に2020年と3年前の2017年における、年齢別の事故件数の比較を見てみます。

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これで見ると、

・幼保連携型認定こども園の全学年(特に2歳児)
・幼稚園型認定こども園の5歳児
・保育所型認定こども園の全学年
・幼稚園の4歳、6歳児
・小規模保育の2歳児
・企業主導型保育の1.2歳児
・認可外保育施設の1.2歳児

あたりが随分増えている印象です。

認定こども園は制度や環境、対象年齢の変更などが理由なのかもしれませんね。
特に幼稚園からの移行で、慣れない2歳児の預かりなどはまさにそのような結果なのでしょう。

そして、小規模保育、企業主導型保育、認可外保育の1.2歳児は新設、業歴の浅い施設も多い中で運営やオペレーションがままならないケースも少なくないのでしょう。


いずれにせよ、結論としては、事故は増えている、発生率も上がっている、一施設が重大事故を起こす確率が上がっているということです。


まず、保育事業者としてやるべきことは、ここに目を通す事。
国の事故防止ガイドライン

そして、これらを作り上げていくためには、リーダーシップを発揮できる経営者やリーダー、園長の存在が不可欠で、職員に定着させなければなりません。

ちなみに、ヒヤリハット報告が浸透しているかどうかに園長や主任のリーダーシップや管理能力に差が出るのは有名な話です。

その上で、園独自のガイドライン、事故防止策、職員体制、チェックリスト、資質の向上のための研修計画などを組み立てる必要があります。


保育園での事故というのは、人的要因で起こることが意外に多いようです。

交通事故に似ていて、うっかり見ていなかった、ぼーっとしていた、多忙で心に余裕がなかった、そもそも配置基準を満たしていなかったなどが理由です。

仕組みが整備されていても、これらの理由により、事故は起きます。

そのためには、日々のチームワーク、人間関係、コミュニケーションなどが大切で実はリスクマネジメントの根底にあるのです。


だからこそ、良いチームを日頃から作っておかねばならないのです。


是非保育に関わるみなさんも、こちらから事故の集計結果を見てみて、是非今日から出来ることで行動してみてください。
保育事故の集計結果

ではまた。

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