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舞台の主人公に羨ましく思う【観劇】みわこまとめ
プロローグ
最近、私の周りには舞台に出る人が多い。
映像メインでやってる役者仲間でも、
時折、舞台に立つのは、いや立ちたくなるのは、
舞台でしか味わえない空気感と肌に刺さる視線とその場その場の臨場感の虜になっているからではないかと、最近思うようになった。マゾかな。
…ただタイミングが重なっただけだと思うけど。
観たい舞台と時間が追いつかなくて困る。
それでも、客としても、生ものであり、その瞬間にしか存在しない舞台からでしか得られないエネルギーみたいなものを定期的に欲している自分がいるから、できる限り劇場に足を運びたい。
こんにちは。ひろのです。
見つけてくださりありがとうございます。
良かったら最後までお付き合いください💁♀️
今回は珍しく観劇レポです。
9月6日、
ピンク・リバティ『みわこまとめ』観てきた。
同じ事務所で仲良くしてくれる役者の先輩の
山本真莉さんの出てる舞台。
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晩夏。
寂れた街の駅前に佇むビジネスホテル。
そこに、体に不似合いな大きなキャリーケースを抱えてやってくる、ひとりの女。
彼女は東京を離れ、あてもなくここまでやってきた。
そうせねばならない理由が女にはあった。
ベッドにごろんと寝転がって息をつくと、彼女はこれまでの人生、その中でもとりわけ恋愛について、思いを馳せ始める。
夢を追うフリーター。仕事のできるサラリーマン。売れかけのホスト。
記憶の中の恋はどれもひどいものだったが、それでも彼女にとって、人生の中心に位置するのはいつも恋だった。
女は名を、実和子といった。
ピンク・リバティ最新作は、恋愛依存の女性の半生を描く、コミカルでグロテスク、ダークでポップな悲喜劇。
感想①
主人公、みわこの経験する恋はどうしようもないクズ男ばかりで、世の中を見ればあるあるで、
ありふれた普遍的な恋でもあるのかもしれない。
でも、そんな薄暗くツラいことも、彼女を取り巻く個性的な人たちと、起こりゆく様々なできごとが、本当鮮やかで面白くしていて、気づけば最初から最後まで笑ってしまっていた。
「笑っていいのかこの状況…」って思っていてもクスッとこぼれちゃうような、実際、良いか悪いかなんて考える暇もないくらいどんどん展開していくシーンにもうただただ一緒に流れている感覚だった。
感想②
芝居が上手い人たちが集まるとこんなにも、
のめり込んでしまうのだなと感じた。
細かいところまで鮮明になって、ほぼ全てマイム(道具を使わずエアーでモノがあるように芝居すること)なのにその場所や手にするモノがありありと映ってみえた。
のめり込んでというより、もしかして引き摺り込まれてた…?そんな感覚。錯覚。
舞台上と客席、分かれているはずなのに。笑
感想③
それからこの舞台、
役者全員、一度も舞台上から捌けられない。
その事実に気づいた時、ちょっとゾクってした。
ビビったとも言えるかもしれない。
演じない間は舞台の両端に並べられた椅子に座っていた。でもそれは、舞台上にいることに変わりはなくて、ずっと見られているという事を意味する。2時間ずっと、気の抜けないまま。
このnoteの冒頭で『役者が舞台に立ちたくなるのは、舞台でしか味わえない空気感と肌に刺さる視線とその場その場の臨場感の虜になっているからじゃないか』なんて書いたんだけど、捌けられないだけでどれだけ刺さる視線と臨場感と緊張感は増しているんだろう…。
すごく大変で、台本だって難しそうで、場面転換が多い分感情も大きく揺れ動いていく大変さもあるのに、それを面白く演じられるこの人たち本当すごいなって思った。
そんな戯曲を書いた山西さんもすごい…。
おそろし…(褒め言葉)
どう考えたら思いつくのだろう…。
誰にも言えなかった感想
インスタとかXとかにも観たら感想を書くのだけど、どんな言葉も陳腐に感じてしまってうまく書けない。
140文字でなんてまとめられないし、かといって「面白かったです」の一言さえもつまらないものに感じてしまって、それ以上にこれじゃ失礼に当たるんじゃないかって、
打っては消して、
打っては消して、
また打っては消してをずっと繰り返している。
長々と書いたところで、それを私が全世界へ発信するのは烏滸がましいように感じてしまうし。
役者の端くれならもっと思ったこと感じたことを役者視点でまとめられろよ、と思うけど
思ったこと感じたことをこうダラダラと書いていた方が自分らしい言葉が出てくるなと改めて思った。
そう。これは日記。
noteは、インスタやXより発信されるフィールドが狭いと思ってるし、そのことに安心感さえ感じるよね。(え?ちがう?)
だから最早、誰にも見られてないと思って書いてる。
(嘘です、ちゃんと読んでくれる方がいると分かってます!いつもありがとうございます🙇)
今回観た、『みわこまとめ』
みんなと同じように「面白かった!」「役者が最高だった!」っていう感想のほかに思ったことが私にはあったけど、誰もそんなこと言ってなかったからちょっとズレてるんだと思ってどこにも書けなかった。
けど、いつもは書かない観劇レポをnoteに書き始めてる時点で、あぁ、私、どこかで誰かに本当は言いたかったんだなと思う。吐き出したかった。
みわこの人生にある恋は、幸せな時もどん底にいる時もあって、私にはそれが羨ましいと感じた。
あー、生きてるなって。
ごちゃごちゃとかドロドロとか、ステキなだけじゃないディープな恋にまみれて生きて、貪欲に愛されたいと思ってるみわこは、誰よりも人間臭くて、愛おしかった。
その人間臭さが羨ましい。
「羨ましい」って感想が観劇した舞台への感想として合っているのか分からなくて、インスタやXには、書けなかったのだけど笑
そのかわりというわけじゃないけど、みわこの友達になりたいって書いた。
でも、やっぱりみわこの半生、羨ましい。
(もちろん友達になりたいと思ったのも事実…!)
人生謳歌とは違うし、恋愛によって、落ちるとこまで堕ちたんだと思うけど、みわこの半生すんごく濃かった。
私にはないな。そんな人生の濃さ。
無いものねだりか。
我らがまりさん
まりさんの芝居を見てあぁ、やっぱり好きだなと思った。
主人公みわこの姉、
介護施設のおばあちゃん、
選挙演説してる議員さん、
どんどん転換される中で、
いろんな役を演じ分けられるの本当尊敬。
みわこの頭の中の世界?理想郷?の住人の不思議な踊りをするシーンもあったんだけど、
それもキレイだった。美だね。
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エピローグ
羨ましいと思うくらい惹かれるものがあって、
それはきっと私が持ってないものばかりだから
だと思うけど、だからこそ私もお芝居の世界で、自分とは違う人として生きてみたいなって思うんだろうな。
仕事が何もないオフになったから前夜に急遽行くこと決めたけど、ほんと観れてよかった。
(これ知り合いに読まれるのちょっと恥ずかしいから、特に役者仲間には読まれてないことをいのる)
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