前世退行したら、江戸時代の武士だった話5(15歳編)
次は、開放的な場所。
ハカマさんは15歳。少し背が伸びて筋肉もついてきた。
そば畑の中に佇んでいる。白い花が一面に咲いている。
そば畑の風景や、目の前の山を穏やかな気持ちで眺めている。吹き渡る風が心地よい。
人を待っている感じ。女の子と待ち合わせをしている。
左方向から、赤やオレンジ色の模様が描かれた鮮やかな着物の女の子が小走りで向かってきた。走っているから袖の部分がひるがえって華やか。笑顔が輝いている。
セラピストさん)その女の子は誰ですか?
ハ)奉公先の娘さんです。
セ)好きな人ですか?
ハ)はい。
セ)どんなところが好きなんですか?
ハ)明るくて、笑顔がキラキラしているところ。
感じるイメージは12歳くらい。一人娘で少しワガママ、明るい。
女の子の意識の中に入ってみる。
セ)ハカマさんはあなたにとってどんな人ですか?
女の子)好きな人(恋愛感情)。
セ)ハカマさんのどんなところが好きですか?
女の子)優しいところ。悲しそうに笑うところ。
ハカマさんに意識を戻す。
セ)何度か会っているんですか?それとも初めてですか?
ハ)何度か会っています。
セ)会っていることを奉公先の旦那さんは知っていますか?
ハ)多分知りません。
セ)バレたら怒られるのではないですか?
ハ)……。
ハカマさんは、そうだよな、困るよなぁと苦笑している。
奉公先のお嬢さんはなぜか自分を慕ってくれている。自分も己にない明るさが好ましいと感じている。ただ、恋愛の好きではないとも思う。妹みたいな存在。
おそらく、お嬢さんにねだられて外で会ってる感じ。話したり、散歩したりして過ごしているっぽい。
忙しい毎日の中で、つかの間の開放感。
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