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中国語の短編を読む会(2024年7月5日)

 毎週金曜日の夜に行っている、中国語の短編を読む会(中国語中上級者向け)のレポートです。
 中国語の短編小説を、中国語を学んでいる日本語話者と日本語を学んでいる中国語話者が共に読み、和訳する過程を通じて、言葉を介した理解と交流の魅力をお伝えします。
   今回は、フミさんが選んだ短編小説。”文身店的轶闻”の6回目です。
 今回の参加者はいつもの常連メンバーのKatsさん、フミさん、Yangさん、Yokoの4名。日本語母語話者2名(Katsさん、Yoko)、中国語母語話者2名(フミさん、Yangさん)。
 今回の内容も難解な故事成語を含む解釈の難しい部分がてんこもりで、辞書を引いても分からず、中国語母語のフミさん、Yangさんの議論を通して、実際にどんな使われ方をされることが多いか例を挙げて説明してもらいました。中国語話者も、必ずしも故事成語について由来を知って使っている訳ではなく、小学校の教科書に出てくるような頻繁に使われる故事成語であればなおさら、由来を意識することなく状況や場面に紐づけて使っているとのこと。

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小尚反复看了“C、N、P、O、R”五个字母,就像丈二和尚摸不着头颅。他看看手机,中午十一点一刻了,便说:“到 马路对过 几家小饭店里 去 找他。解铃尚须系铃人。”

シャオシャンは“C、N、P、O、R”という5文字の英文字を何度も見たが、さっぱり分からなかった。彼がちらっと携帯を見たらもう昼11時15分になっていた。そして言った「大通りの向こうの何軒かのレストランに彼を捜しに行こう、虎に付けられた鈴を外せるのは鈴を付けた人だけだ、と言いますから」、と。

丈二和尚摸不着头颅;”歇后语”なぞかけ。前半はストーリーで後半はそれに対する謎解き。 普通は「丈二和尚摸不着头脑」という。前半が ”丈二和尚”、後半が”摸不着头脑” 。”一丈二”は身長が大きい。商代,一丈指的是1.695米,到了魏晋南北朝,一丈变成了2.58到3.09米。そのぐらい大きいお坊さんの(銅像の)頭には手が届かない。人们站在身高一丈二的金刚和尚身边,是摸不到他的头脑的,比喻遇到困惑,弄不清楚情况,摸不清楚底细。転じて困難になったときにさっぱり状況が把握できない。他人がこのお坊さんの頭に届かない。中国人にとってもこれは慣用句化されていて、さっぱり分からない。の意味に取り、深くは考えないで使っている。頻繁に使われる。小学校の教科書に出てくるぐらい。
解铃尚须系铃人;ことわざ。イメージはたとえば誰かの仕掛けた罠にはめられた。自分の仲間では罠から自分を救えない。わなを仕掛けた人間でないと罠から出られない。尚Still 须Must 、虎の首に鈴を付けた人がいて、虎の鈴を誰が外せるかとお坊さんが聞いたときに、虎に鈴を付けた人だけが外せる。他の人には怖くて無理でしょ。という意味。
对过;对过は南の人がよく使う表現。普通は”对面”を使う。
小饭店;定食屋
几家;一件づつ探すニュアンスがある
【Yang👆】

巧了,他俩来到一家小饭店,见服务员正给李一言送上一盆白切羊肉,李一言抬头也发现了他俩,便主动招呼:“丁老板,你明天不想付三千元违约金,来居委会搬救兵了?那索性坐下来,我们来个酒过三巡,畅饮、畅聊。”

偶然にも、一つ小さな定食屋に入ったら、店員がちょうど李一言に茹でた羊肉料理を持ってきたところだった。李一言も目を上げると二人が見えたから、声をかけた。「入れ墨屋さん、あんたは明日違約金を払いたくないから、町内会に行って助っ人に来てもらったか?いっそのこと一緒にこっちに座って思い切って飲もう。楽しく飲もう、楽しく語ろう。」

一家;この場合は”巧了”とあるので、たまたま入った一軒目を指している可能性あり。
抬头;直訳した動作的には頭を上げる仕草。文脈的には羊肉を見ていたので目線を彼らに移すぐらいの表現が自然。
白切羊肉;調味料を使わずに切って煮ただけの羊肉。上海では”白切鸡”という有名な料理がある。これは鶏肉に何度もお湯をかけただけの料理。ラムは生後1年未満の子羊なので。ラムと訳せるかどうかは、、、羔羊はモンゴル料理。烤乳猪は子豚の丸焼き。
→子豚の丸焼き作って食べてみたい。グロいかな、との雑談に発展。。。
丁老板;丁社長。丁さんは入れ墨店の店主なので誤解を避けるために入れ墨屋さんと訳した。
畅饮、畅聊;畅はEnjoyの意味。大いに飲み、大いに語ろう。
索性;いっそのこと
搬救兵;助っ人に来てもらう。慣用句。
来居委会搬救兵了?;定食屋と居委会は同じ地域にある。入れ墨屋さんは別の地域にある背景。ここでは確認している。
酒过三巡;必ずしも3杯飲むのではなく、かなりの量を飲んで本音を言える状態になっている。
【Fumi👆】

尚仁义忙对服务员说:“你给李先生配什么酒菜,也给我们俩配两份同样的酒菜,权当盒饭,我们各自付账。”

シャンレンイーは、給仕急いで店員さんに言った「リーさんに作ってあげたお酒のあてと同じものを、俺たち2人にもそれぞれ頂戴。それぞれお弁当を頼むみたいに、俺たちはみな割り勘だ」
配什么酒菜;リーさんが注文した料理の筈。配は料理をするという意味。アプリで注文、その後に注文中のときに配菜という表現を使っている。あれをこれをもってきたり、これを持ってきたり一つの料理を仕上げる。点菜と対比される言葉。

权(quán) 当(dang4 or1) 盒(hé )饭(fàn)
权当盒饭;权当はまるで~のようだの意味。盒饭 お弁当。中国だったら一緒に食べると誰か一人が払うのが普通だが。お弁当だと別々に払うので。
【Yoko👆】
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